Return to年代順邦画備忘録Top pageHOME PAGE
昭和四十七年(1972)
影狩り かげがり
監督 舛田利雄
公開年 1972年
評点[B]
感想
Amazon
影狩り
影狩り

 今日は、石原裕次郎主演の『影狩り』を観た。監督は舛田利雄で、昭和四十七年(1972)の作品。

 江戸時代の末期近く、財政が苦しい幕府は藩を取り潰したりして財政の穴埋めをしようとしていた。ある時、幕府の老中(丹波哲郎)は金山を掘り当てた出石藩を狙い、俗に“影”と言われる公儀隠密の一団を派遣する。一方、出石藩側でも“影狩り”と呼ばれる対隠密の用心棒の室戸十兵衛(石原裕次郎)・日光(内田良平)・月光(成田三樹夫)を雇って対抗しようとする。

 さいとうたかをの劇画の映画化(脚本:池上金男)。それだけに、公儀隠密は完全な忍者の格好で、影狩りの側もいかにも浪人という風体で、劇画的な印象。そういうファッションや鎖鎌を振り回す刺客など、劇画では良くても実写になってしまうとちょっとリアリティに欠けるかも……。ストーリーの展開のテンポは良い。
 影狩りの三人は各々過去がある割りに、悲壮さあるいは陰りのようなものが感じられないのが少々気になった。あと、音楽が時代劇には合ってないような。(2002/10/12)

人生劇場 じんせいげきじょう
監督 加藤泰
公開年 1972年
評点[A’]
感想
Amazon
人生劇場
人生劇場

 今日は、加藤泰監督の『人生劇場』を観た。昭和四十七年(1972)の作品。

 故郷の三州吉良を出て東京で作家の道を志す青成瓢吉(竹脇無我)の父に恩を受け、瓢吉のために働くことに生涯を賭けた侠客・吉良常(田宮二郎)の半生と飛車角(高橋英樹)・宮川(渡哲也)らとの交流と、彼らをめぐる女性たち。

 尾崎士郎の大河小説『人生劇場』の「青春編」「愛欲編」「残侠編」を一気に映画化した作品。全てを2時間45分ほどにまとめたため「青春編」はかなり省略されていて、字幕で時間の経過を説明している部分もある。しかし、原作は未読だが、全体に上手くまとめた脚本だと思った(脚本:加藤泰・ 野村芳太郎・三村晴彦)。
 田宮二郎の吉良常は最初二枚目的で若すぎるように見えたが、壮年から初老の域までを自然に老けていき、時代に取り残されていった“残侠”の雰囲気を出していったのには感心した。高橋英樹と渡哲也も侠客は手に入った感じの好演。
 対して、瓢吉の竹脇無我は作家らしい雰囲気はあったが、最後の方はもう少し老成した感じになっても良かったと思う。吉良常に重点を置いた脚本のため仕方ないかもしれないが。それと、瓢吉と全ての女性キャラに共通することで、吉良常以外がほとんど老けないのはちょっと不自然。
 “愛欲”に注目したような描写が多い点は少々気になった。寂しい人々が触れ合いを求める、という風に解釈すれば良いのかもしれないが。ただし、“義理”のために生きる侠客の世界も充分に描かれていて、常に人のために生きた吉良常の生涯は感動的だった。田宮二郎の代表作の一つと言って良いだろう。(2004/08/14)

夏の妹 なつのいもうと
監督 大島渚
公開年 1972年
評点[C]
感想
Amazon
夏の妹
夏の妹

 今日は、大島渚監督の『夏の妹』を観た。昭和四十七年(1972)の作品。

 本土復帰直後の沖縄に、若い女性二人が降り立つ。異母兄かもしれない大村鶴男(石橋正次)に会いに来た菊地素直子(栗田ひろみ)と、その保護者の小藤田桃子(りりィ)である。桃子は近く、素直子の父である菊地浩佑(小松方正)と再婚予定があった。二人は、元日本軍人の桜田(殿山泰司)・鶴男の母(小山明子)・鶴男の母の昔の情夫であった国吉真幸(佐藤慶)・沖縄民謡の歌手の照屋林徳(戸浦六宏)たちと出会う。

 登場人物の人間関係が複雑だが、大きなドラマがあるわけでもなく……。本当の父親が菊地浩佑か国吉真幸か不明な鶴男は、日本か外国か曖昧な沖縄そのものを象徴しているのだと思うが、あとはよくわからない。なんだか沖縄の観光映画みたいに感じられた。栗田ひろみは可愛いが、演技が少々キツイ。(2002/12/05)

影狩り ほえろ大砲 かげがりほろたいほう
監督 舛田利雄
公開年 1972年
評点[B]
感想  今日は、石原裕次郎主演の『影狩り ほえろ大砲』を観た。監督は舛田利雄で、昭和四十七年(1972)の作品。

 “影”と呼ばれる公儀隠密と戦う“影狩り”の室戸十兵衛(石原裕次郎)・日光(内田良平)・月光(成田三樹夫)の三人は、公儀から大砲改めを申し付けられた豊後佐伯藩に呼ばれる。実は、既に佐伯藩の大砲は鋳潰されてしまっていたので、新たな大砲が完成し城に運び込まれるまでの警護を依頼されたのだ。

 さいとう・たかをの劇画を映画化した『影狩り』シリーズ第二作(脚本:池上金男)。前作同様、実写のマンガという雰囲気だが、山を越えて重い大砲を運ぶ過程が、紆余曲折や工夫があって面白い。
 この作品では、女子供で泣かせようとしているのがちょっと気になった。女の方は良いとして、ガキが馬鹿すぎるので共感できない(笑)。(2002/11/18)

昭和四十七年(1972)
掲示板 Return to年代順邦画備忘録Top pageHOME PAGE