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昭和四十九年(1974)
激突!殺人拳 げきとつさつじんけん
監督 小沢茂弘
公開年 1974年
評点[C]
感想  今日は、千葉ちゃん主演の『激突!殺人拳』を観た。昭和四十九年(1974)の作品で、監督は小沢茂弘。

 日本の空手と中国拳法を合わせた独自の拳法の達人である剣琢磨(千葉真一)は裏の世界に生きていて、依頼された仕事のギャラが支払われないと、依頼人の妹(志穂美悦子)を売り飛ばしてしまうほど非情な人間だった。中東の石油王が急死し、その娘のサライ(中島ゆたか)が日本にいることから、剣は遺産相続の陰謀に巻き込まれていく。

 1973年の『燃えよドラゴン』日本公開に影響されて作られた“カラテ映画”の一本。単なるコピーではなく色々工夫を加えてはあるのだが…。千葉ちゃん扮する主人公が正義の味方ではなくワルとして描かれているけど、濃すぎて爽快さが無いので、悪役の魅力というものが感じられない。アクションは本物だけれども。
 ストーリーもプロットが多く、かえってテンポを悪くしている(脚本:高田宏治・鳥居元宏)。座頭市のパロディの盲狼公 (天津敏)や『燃えドラ』のハンの偽物のようなキャラを出すなら、コミカルに徹した方が良かったのでは。このあとに作られた『地獄拳』シリーズのように。ラストシーンは香港映画っぽい(唐突だということ)。
 ちなみに、志穂美の悦っちゃんは徹底して酷い目に遭ってます。(2001/01/14)

殺人拳2 さつじんけんつう
監督 小沢茂弘
公開年 1974年
評点[C]
感想  今日は、千葉真一主演の『殺人拳2』を観た。監督は小沢茂弘。昭和四十九年(1974)。

 自己流の拳法で裏社会を渡り歩き、金を稼ぐ剣琢磨(千葉真一)。武術センターを作ると称して全アジアから金を集めていた太田黒(田中浩)の依頼を受けていたが、その汚いやり口に反発して、正武館の政岡憲治(鈴木正文)と共に戦いを挑む。

 同年に作られた『激突!殺人拳』の続編。千葉チャンが最後まで悪役的だった第一作とは異なり、主人公のキャラが変わった感じ。前作ではちょい役だった正武館の館長も、メインキャラの一人となっている。
 マジで作っているのかウケ狙いなのかよくわからないが、様々な工夫が空回りしている感じ。シリアスな作りなのに、何かがずれているような気がする。『地獄拳』シリーズではないのだから、千葉チャンが倒した相手からピンポン玉の眼球が飛び出してはダメでしょう(笑)。前作のような後味の悪さは無いけれども…。(2001/05/03)

三婆 さんばば
監督 中村登
公開年 1974年
評点[A’]
感想  今日は、中村登監督の『三婆』を観た。昭和四十九年(1974)の作品。

 昭和三十八年、ある金融業の社長が妾宅で急逝した。本妻の松子(三益愛子)は強引に遺体を引き取って葬儀を済まし、遺産の一部を処分して相続税相当分の金と老後の生活費を得てホッとする。しかし、屋敷に夫の実妹タキ(田中絹代)と妾の駒代(木暮実千代)が転がり込んできて……。

 流行語にもなった有吉佐和子の同題作品の映画化(脚本:井手俊郎)。映画黄金時代の大女優三人が、ほとんど素顔で実年齢に近い役を演じている。見事というかさすがというか……。
 身寄りのない“寂しい人たち”のエゴが戯画的に強調あるいは誇張されていて、正直けっこうキツイものもある。女優たちが皆演技が上手いので、それでかえって辛くなる部分もあった。しかし、所々に鋭く光って切りつけてくるような部分もあるので、観つづけることができた。単なるイヤガラセ映画ではないと思う。終盤近く、田中絹代が自室である物(ネタバレになるので自粛)を見るのは凄い。田中絹代も実生活に近い役をよく引き受けたなぁ。観て楽しいという作品ではないが、何か考えさせられてしまう一本。(2003/04/10)

竜馬暗殺 りょうまあんさつ
監督 黒木和雄
公開年 1974年
評点[C]
感想
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竜馬暗殺
竜馬暗殺
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ATG映画傑作選 Vol.3
ATG映画傑作選3
津軽じゅんがら節
竜馬暗殺
本陣殺人事件

 今日は、黒木和雄監督の『竜馬暗殺』を観た。昭和四十九年(1974)の作品。

 幕末、大政奉還のため奔走した坂本龍馬(原田芳雄)は、幕府はおろか複数の立場の人間たちから命を狙われていた。その暗殺までの三日間。

 昭和四十九年で敢えてモノクロの乾いた画面を用い、時に手持ちカメラを交えたドキュメンタリータッチの作品。龍馬の親友である中岡慎太郎役に石橋蓮司、龍馬を狙うが果たせない若い刺客・右太には松田優作。
 龍馬の暗殺に至る一連の事件を、過激派各派間の抗争あるいは同じ派内の内ゲバとして描いている。ATGの制作だけに、映画が製作された1970年代半ばの既に左翼活動が完全に行き詰まった状況を仮託しているのだろう。それが現代の我々にとってどのような意味をもつのか、ということは疑問だが、中盤で龍馬と中岡と右太が一緒に逃げるところは、活動家を道化として描いていて面白かった。
 暗殺の前後に、謎の女(?)幡(中川梨絵)が登場する意味がよくわからない。余計だったような…。(2001/03/11)

直撃!地獄拳 ちょくげきじごくけん
監督 石井輝男
公開年 1974年
評点[B]
感想  今日は、石井輝男監督の『直撃!地獄拳』を観た。昭和四十九年(1974)の作品。『直撃!地獄拳』シリーズの1作目…といっても、全2作だけだけど。

 麻薬捜査の失敗で多くの犠牲者を出して辞職した元警視総監・嵐山(池部良)と元麻薬課の刑事・隼猛(佐藤允)は、甲賀忍者の子孫の甲賀竜一(千葉真一)と死刑囚として服役中の桜一郎(郷^治)を仲間に引きずり込んで、マフィアの麻薬取引を阻止しようとする。
 始めから終わりまでアクションとギャグが間断なく繰り出される。2作目より、わずかにギャグが少なくアクションが多いような気がするが、それでも笑える部分は多い。元世界フェザー級チャンピオンの西城正三と当時の国際的カラテスターの倉田保昭がアッサリやられてしまうのが笑える。特に、倉田保昭の最期の台詞は聞きもの。
 マフィアのボスの邸宅として伊豆か熱海あたりの別荘を撮して「ニューヨーク」と字幕を入れているのも人を食っている。マフィアの日本総支配人役は津川雅彦。実は、この作品は数年前に観たことがあるのだが、あらためて観るとほとんど忘れていた。ま、そんなもんだ(笑)。(2000/09/30)

砂の器 すなのうつわ
監督 野村芳太郎
公開年 1974年
評点[超A]
感想
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砂の器 デジタルリマスター版
砂の器
デジタルリマスター版
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砂の器
砂の器

 今日は、野村芳太郎監督の『砂の器』を観た。昭和四十九年(1974)の作品。

 昭和四十六年の六月、蒲田駅操車場内で殺人事件が発生する。警視庁の今西栄太郎(丹波哲郎)と蒲田署の吉村弘(森田健作)が被害者の身元を明らかにし、犯人である有名作曲家の和賀英良(加藤剛)にたどり着くと、そこには親子の絆と社会の偏見が産んだ“宿命”が横たわっていた。

 野村芳太郎監督による一連の社会派的作品の中でも、特に有名な一本。ハンセン病国家賠償訴訟で、国側が控訴しないことを決断した小泉総理が影響を受けた作品として話題となった。原作は松本清張による同題の小説。だが、これは映画の方が原作を完全に上回っている稀有な作品(脚本:橋本忍・山田洋次)。
 テーマ自体が異論を唱えづらい類のものであり、表現が情に流れすぎで音楽と自然の風景に頼っている部分も多いことなどから、この作品に対しては批判もあるが、とにかく観客に訴える力は比類の無い作品。1999年にテレビ東京でノーカット放映されたのを観たときには驚かされた。何度か観ると穴も見えてくるものの(説明的な台詞や全ての出演者の過剰気味の演技など)、それでも心を動かさずにはいられない。とにかく、一見の価値はあると思う。
 ハンセン病を扱っているためか、いまだにDVD化されていないので(補注:2002年10月にDVDが発売された)、中古LDを買ってしまった。ただし、ビデオは廃盤になっていないのでレンタルビデオ屋にも並んでいる。(2001/09/30)

直撃地獄拳 大逆転 ちょくげきじごくけんだいぎゃくてん
監督 石井輝男
公開年 1974年
評点[B]
感想  今日は、石井輝男監督の『直撃地獄拳 大逆転』を観た。昭和四十九年(1974)の作品。一部のマニアには有名な『直撃!地獄拳』シリーズ第2弾。

 元警視総監・嵐山(池部良)の指令を受けた甲賀竜一(千葉真一)・桜一郎(郷^治)・隼猛(佐藤允)の3人組が、宝石を盗まれたと狂言を打ったシカゴ・マフィアから、宝石や金を盗むために大暴れ。ボケ役の桜一郎が、甲賀のイタズラでテーブルに接着剤で手をくっつけられると次のシーンでは手の平型の厚板を手につけたまま登場したり、文字通り背中に火がつくと甲賀が小便で消したり、バカギャグのオンパレード。
 これは確信犯的バカ映画だからノリで観るものだが、石井輝男は職人監督だけあって、一応、作品の形は成している。前作が好評だったのかゲスト出演者が多い。真っ白塗りの山城新伍や丹波哲郎や志穂美悦子が登場。丹波先生、ラストシーンでは『キイハンター』の衣装になって登場(笑)。(2000/09/20)

昭和四十九年(1974)
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