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昭和五十年(1975)
仁義の墓場 じんぎのはかば
監督 深作欣二
公開年 1975年
評点[B]
感想
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仁義の墓場
仁義の墓場

 今日は、深作欣二監督の『仁義の墓場』を観た。昭和五十年(1950)の作品。

 若くして無頼の道に入ったが、ヤクザ社会の枠にもおさまることが出来なかった石川力夫(渡哲也)の破滅的な人生。

 聞くところによると渡哲也の東映作品初出演作だそうが、いきなりもう無茶苦茶な役をやっている。実在の人物がモデルだというけれども、彼はたいした理由も無いのに、少なくとも作品中では悪い人には見えない親分(ハナ肇)や兄弟分(梅宮辰夫)に牙をむき、自滅への道を突き進んでいく。不条理極まりなく、いったい何のために生きた人なのだろう? 人間社会の中で生きていくこと自体が無理だったのだろうか? と思わされてしまうが、それを考えさせるのも作品のテーマの一つなのだろうか。とにかく、謎な主人公で、題名の意味はラストシーンでわかる。
 東映実録路線が盛んだった頃の作品で、深作流のハンディカメラの映像や暴力描写は迫力ある。私の好みではないのだが。(2003/02/28)

ある映画監督の生涯 あるえいがかんとくのしょうがい
監督 新藤兼人
公開年 1975年
評点[A’]
感想
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ある映画監督の生涯
ある映画監督の生涯
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新藤兼人アンソロジー3
新藤兼人
アンソロジー3
裸の十九才
わが道
ある映画監督の生涯
竹山ひとり旅
落葉樹

 今日は、新藤兼人監督の『ある映画監督の生涯』を観た。昭和五十年(1975)作品。ドキュメンタリーだが、同年の『キネマ旬報』ベストテンに入っていたはずだ。

 この録音テープを活字にした書籍版の『ある映画監督の生涯』は以前に読んでいたので、映画版を観ていなかったのだが、溝口の終焉の地や、かつてのなじみの芸者なども撮影されていて、ビデオを借りて良かったと思った。それに、溝口が愛した田中絹代へのインタビューはやっぱり凄い。
 新藤が、あらかじめ自分で作り上げた溝口像に合わせてドキュメントを作ろうとした気味は多少あるが。それと、少々暴露趣味的な面も。なにも溝口健二がセットの中で使っていた溲瓶(しびん)を撮さなくたって良いだろうに(笑)。

 この映画に関しては、淀川長治がヴィム・ヴェンダースの『東京画』を評した文章の中で引き合いに出して、「相当以前、溝口健二監督の記録映画があったが、過去をひんめくって見せ、最後の病床のその病院の貧しさを見せて溝口芸術の在り方を探ろうとした。しかしヴェンダースは厚田キャメラマンを泣かせたことで、小津の芸術を小津映画の心をその瞬間につかみとった」と書いていた。
 また、助監督だった宮嶋八蔵は「新藤さんなんかには愛がないんですね、彼の映画でも、溝口先生のお墓が出てくるけれど(引用者注:正しくは分骨された慰霊碑)花が枯れたままになっている。普通、自分が花を替えてあげて撮るべきでしょう。そうでないと溝口先生のご家族が看ていないという印象を与えることになってしまいます。溝口先生の弟子なんて言っているけど、非常に創作が多いです」なんて言っている。
 なかなか賛否両論の多い作品のようで…。(2000/08/20)

サインはV さいんはぶい
監督 竹林進
公開年 1975年
評点[C]
感想  今日は、NHK衛星で放映された『サインはV』を観たっす。昭和四十五年(1970)の作品で、監督は竹林進。

 有名なスポ根マンガが原作で、テレビドラマがブームになった作品の劇場版……なのかな?主人公(岡田可愛)と金持ちのお嬢様(中島麻里)とのライバル対決やら、無理な特訓、そして不治の病に倒れるチームメイトのジュン・サンダース(范文雀)等々…とんこつスープ風味の濃い味が1時間20分の間にてんこ盛り。要するに総集編か。(補注掲示板でいただいた情報によると、テレビドラマの中でジュン・サンダースが死んでしまったので、彼女をもう一度観たい!というファンの声に応えて劇場版が製作されたらしい)
 時代を超えて色あせない魅力を、この手の作品に求めるのは無理な話で……。私はマンガやテレビドラマを同時代に観た世代でもないし。しかし、今や絶滅寸前のブルマがたっぷり出てくるので、その手の嗜好を持つ方々には垂涎(すいぜん)の的かも。残念ながら私にはその趣味は無いのですが(笑)。(2000/10/09)

けんか空手 極真拳 けんかからてきょくしんけん
監督 山口和彦
公開年 1975年
評点[C]
感想  今日は、千葉ちゃん主演の『けんか空手 極真拳』を観た。監督は山口和彦で、昭和五十年(1975)の作品。

 空手一筋に生きる大山倍達(千葉真一)は、愛弟子・有明省吾の死や自らの拳が引き起こした事件を乗り越えて、極真空手を目の仇にして圧迫を加える洗武館館長の仲曽根(成田三樹夫)と対決する。

 御存知、マス大山こと大山倍達を描いた劇画『空手バカ一代』を基にした作品で、フィクション度は劇画に劣らない。有明省吾の暴れッぷりとその最期は笑ってしまうほどだし、ブルース・リーブームのあとの作品なので、どうしても千葉ちゃんはちょっとリー入ってる演技。千弥子夫人(多岐川裕美)とのなれそめ(?)のエピソードも凄い。
 ただし、千葉真一の肉体と動きは本物だし(空手が強いかは別として)、仲曽根一門との最後の対決は、大山倍達が傾倒している吉川英治『宮本武蔵』の、武蔵が京都の吉岡一門と戦う一乗寺下り松の決闘へのオマージュになっていて面白かった。(2002/03/03)

祭りの準備 まつりのじゅんび
監督 黒木和雄
公開年 1975年
評点[B]
感想
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祭りの準備 ニューマスター版
祭りの準備
ニューマスター版
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ATG映画傑作選(1)
ATG映画傑作選1
祭りの準備
サード
遠雷

 今日は、黒木和雄監督の『祭りの準備』を観たです。昭和五十年(1975)の作品。

 信用金庫に勤めながら脚本家を目指している青年・沖楯男(江藤潤)は、親子そろって放蕩者の父(ハナ肇)と祖父(浜村純)、同じ集落に住む父の愛人2人、近所の泥棒兄弟などの、高知の片田舎のドロドロした人間関係からの脱出を夢見ていた。脚本を書いた中島丈博の自伝的な作品。この人は1999年度のNHK大河ドラマ『元禄繚乱』の脚本を担当した人だ。
 なんだか全体に濃くって、閉鎖的な田舎の鬱陶しさのようなものはよく出ていたと思う。いかにも70年代的な泥臭さがあると思ったら、ATG製作なのね。主人公が憧れていた美人のヒロインは竹下景子。泥棒兄弟の弟の方に原田芳雄。
 濃いキャラが連発されたり、むやみに裸やベッドシーンが出てくるので(竹下景子のオッパイは吹き替えだと思う)、チョット辟易する部分もあった。好みの問題でもあるけど。ただし、主人公は当時新人だった江藤潤が好演して共感できるキャラクターになっていた。ラストシーンも結構いい。(2000/11/13)

絶唱 ぜっしょう
監督 西河克巳
公開年 1975年
評点[C]
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絶唱
絶唱

 今日は、山口百恵&三浦友和主演の『絶唱』を観た。昭和五十年(1975)の作品で、監督は西河克己。

 山陰地方のある山里の広大な土地を所有する園田家の長男・順吉(三浦友和)と山番の娘・小雪(山口百恵)が恋に落ちた。身分の違いから園田家の当主(辰巳柳太郎)も小雪の両親(大坂志郎・初井言栄)も反対するが、二人は駆け落ちする。しかし、時は戦時中でもあり、彼らの行く道は厳しかった。

 クラシカルな悲恋ものの一作。最初、無邪気な山の娘と言うには山口百恵がちょっと大人っぽいので(特に声がハスキーで色気があるため)少々違和感があったが、中盤から終盤にかけては、それらしく見えた。三浦友和は、いつも通り。
 ラスト、三浦友和が帰ってきたところで切った方が感動の余韻が残ったような気がする。終盤の10分ほどは描きすぎたような……。(2002/04/01)

昭和五十年(1975)
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