Return to年代順邦画備忘録Top pageHOME PAGE
昭和五十五年(1980)
阪妻 阪東妻三郎の生涯 ばんつまばんどうつまさぶろうのしょうがい
監督 松田春翠
公開年 1980年
評点[B]
感想  今日は、NHK衛星で放映された『阪妻 阪東妻三郎の生涯』を観た。昭和五十五年(1980)の作品(補注:一般公開は1993年)。松田春翠監督のドキュメンタリー映画。

 大正時代から戦後にかけて時代劇スタートして君臨した、剣戟王“阪妻”こと阪東妻三郎の生涯。
 主に長男の田村高廣を中心とした関係者へのインタビューと、主演作品の引用から構成されている。稲垣浩や伊藤大輔など、インタビューに答えた人々は今やほとんどの人が物故しているので貴重かもしれない。引用はチョット長いが、『王将』などは未見なので興味深かった。(2000/12/11)

震える舌 ふるえるした
監督 野村芳太郎
公開年 1980年
評点[B]
感想
Amazon
震える舌
震える舌

 今日は、野村芳太郎監督の『震える舌』を観た。昭和五十五年(1980)の作品。

 東京郊外の団地に住む若夫婦(渡瀬恒彦・十朱幸代)の一人娘まさ子(若命真裕子)が、体調を崩す。最初は風邪や心因性のものと診断されていたが、大学病院の教授(宇野重吉)の診断で破傷風と判明。まさ子・夫・妻・主治医(中野良子)と病気との戦いが始まる。

 ジャンルとしては難病ものに分類される作品だが、野村監督とベテランスタッフがフルスイングで腕を振るったことによって、別の種類の趣が出てきてしまったことで知られる作品。破傷風によって、えび反りながら「あ゛〜!」「い゛〜!」と叫ぶ少女。舌を噛んでしまうので口元は血で真っ赤。たびたびそんな様子を見せつけられ、精神崩壊していく夫婦(特に後者)。よく言われているように、このあたりは完全にホラー。芥川也寸志の音楽や渡瀬恒彦の見る悪夢の映像(撮影:川又昂)も恐怖をあおる。狙ったのか。
 ただし、聖路加大学付属病院の監修を得て、破傷風の病因・病状の経過や治療法が正確に描写されていて、また友人夫婦(蟹江敬三・日色ともゑ)や夫の母(北林谷栄)の励ましや援助なども描かれているので、単なるゲテモノ映画にはなっていない。自分の子供相手でも、自らが病気に感染していないか恐怖してしまう夫婦の姿が非常にリアル。三木卓による原作があるらしいが(脚本:井手雅人)、絶版。読んでみたい。
 とにかく、野村芳太郎監督は少し昔の日本的な湿り気のある恐怖を描くのが上手い。小津や黒澤や宮崎アニメだけでなく、こういう作品も外国人に観てほしいような気もする。(2003/03/07)

昭和五十五年(1980)
掲示板 Return to年代順邦画備忘録Top pageHOME PAGE