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昭和六十三年(1988)
うる星やつら 完結篇 うるせいやつらかんけつへん
監督 出崎哲
公開年 1988年
評点[B]
感想
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劇場版うる星やつら 完結篇
うる星やつら
完結篇

 今日は、出崎哲監督のアニメ映画『うる星やつら 完結篇』を観た。昭和六十三年(1988)の作品。脚本は金春智子、キャラクターデザインは四分一節子。

 ある日、ラム(声:平野文)は闇の宇宙から来たルパ(声:塩沢兼人)に連れ去られてしまう。諸星あたる(声:古川登志夫)たちはラムを取り返しに行くが、ルパと幼なじみのカルラ(声:井上瑤)との喧嘩に巻き込まれ、うやむやのうちにラムを連れずに戻って来る。やがて、思いもかけないことから地球が危機に陥り、地球の運命はラムと あたるの仲直りに託される。二人の最後の鬼ごっこが始まった――。

 当初、オリジナルストーリーの完結編が予定されていたが、原作でコミックス一巻分を費やした最終回のエピソードが描かれ、それに勝るものは作れそうにないということで、劇場版としては初めて原作に基づいた作品になったらしい。
 実際、あれだけの長編を破綻なく締めくくるのは、才能ある原作者の手でなければ不可能だっただろう。最後の鬼ごっこをしなければならない理由が一つではないのが、本当に上手い。原作に沿うことにした選択は賢明だったと思う。
 ただ、絵柄も原作に近いものになっているが、もう少し華があっても良かったかも。それと、動きが多少固いような感じがしないでもない。この作品は、セルの枚数が劇場版アニメとしては必ずしも多くないのかな?(2000/11/29)

めぞん一刻 完結篇 めぞんいっこくかんけつへん
監督 望月智光
公開年 1988年
評点[C]
感想
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劇場版めぞん一刻 完結篇
めぞん一刻
完結篇

 今日は、アニメ映画『めぞん一刻 完結篇』を観た。昭和六十三年(1988)の作品。監督は望月智光(智充)で、脚本は島田満と望月智光。キャラクターデザイン・作画監督は、もりやまゆうじ。

 ついに、管理人さんこと音無響子(声:島本須美)との結婚を2日後に控えた五代裕作(声:二又一成)。だが、一刻館の住人たちは管理人さんのことで何かコソコソ話し合っている。外出先から帰って来た響子さん本人も、どこかよそよそしい。不安になる五代くんをよそに、彼のことが好きだった八神いぶき(声:渕崎有里子)など、なつかしい面々が次々と来訪する。

 同じく原作が近い時期に終了した『うる星やつら 完結編』との同時上映作品。原作にのっとった『うる星』に対し、この作品は原作・テレビアニメ双方にもないオリジナルのストーリーになっている。しかし、この脚本は…65分を満たすには内容が薄いような…。テレビ版の30分枠で充分だとさえ思えてしまう。
 その上、これも劇場版オリジナルのキャラクターデザインが違和感ありあり。リアルだが、可愛げが無い。響子さんの身体がゴツい…。
 実写版と同様、脇役の一刻館の住人たちの演技が妙に楽しい。元々の原作からキャラが立ちまくっているし、声優も上手いから。
 しかし、『うる星』に比べると『めぞん』は劇場版には恵まれていないのが、チトサビシイ。(2001/01/10)

火垂るの墓 ほたるのはか
監督 高畑勲
公開年 1988年
評点[A]
感想
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火垂るの墓
火垂るの墓

 今日は、高畑勲監督のアニメ映画『火垂るの墓』を観た。昭和六十三年(1988)の作品。

 神戸に住む14歳の少年・清太(声:辰己努)と4歳の妹・節子(声:白石綾乃)は空襲で家を焼かれ母(声:志乃原良子)も失う。身を寄せた遠縁のおばさん(声:山口朱美)の家にも居づらくなって清太は自立を図るが、戦時下にあっていつまでも二人だけのままごとのような暮らしが続けられるはずもなかった。

 野坂昭如の同題の短編小説の映画化。脚本は高畑監督自身による。公開当時、そして毎年のようにテレビ放映されるたびに満都の紅涙を絞り、“泣けるアニメ”の代表のように言われている作品である。
 実は、私はテレビで何度か観ようとしては途中で挫折し、今日初めて最後まで集中して観たのだが、今まで途中でやめてしまっていたのは悲しすぎるからとか泣きそうになるからとかいう理由ではなく、観ていて非常にいたたまれなくなってしまうからだった。今日最後まで観ても、同じような感覚にとらわれ続け、観終わってしばらくしてもその感じは続いている。
 この作品は反戦アニメとして高く評価されている一方で、主人公たちがたどる運命の不条理さ、特に清太の行動に対する非難の声があったりするようだ。私も観ていて泣けるとは思えず、どちらかといえば違和感を覚え続けたのだけれども(腹は立たなかったが)、一部の観客にこのような違和感を覚えさせるような要素(清太やおばさんというキャラたちも含めて)は、単なるお涙ちょうだいアニメにはしないために監督が意図的に加えたような気がする。
 高畑監督は、観客を感情の渦に巻き込んだまま終わるのではなく、観終わって観客に何かを考えさせるような話作りをしているのだと思う。それもまた一つの見識である……けれども、それゆえにやはり大衆的な人気では宮崎駿には及ばないのかな、とも思う。この『火垂るの墓』自体は高畑作品としては最も人気のある一本だが。

 アニメーションとしては、テレビの「世界名作劇場」以来の徹底したリアリズムが結実して見事な戦中世界を再現している(美術監督:山本二三)。キャラクターの顔も、リアルさとアニメ的な親しみやすさとの割合がちょうど良いと思う(キャラクターデザイン・作画監督:近藤喜之)。このあとの『おもひでぽろぽろ』はリアルに傾きすぎていた。
 また、リアリズム一方だけでなく、アニメの特性を活かした夢のような幻想的なシーンが時折入るのも効果的で評価できると思う。テレビ版『母をたずねて三千里』をちょっと彷彿とさせた。

 個人的には複雑な気分にさせられた作品だが、まぁとにかく特筆すべきアニメ作品であることは間違いないだろう。


 この作品を観終わった女性が泣きながら「いいよね、野坂参三」と言ったというネタがネット上で流布されているらしい。作り話としても、そのトホホ感がちょっとだけ面白いが、若い人にはもう通用しないかな。(2005/10/31)

きまぐれオレンジ・ロード あの日にかえりたい きまぐれおれんじろおどあのひにかえりたい
監督 望月智充
公開年 1988年
評点[B]
感想  今日は、アニメ映画『きまぐれオレンジ・ロード あの日にかえりたい』を観た。昭和六十三年(1988)の作品。監督は望月智充(智光)、脚本は寺田憲史、キャラクターデザインは高田明美。

 中学時代以来、同級生の鮎川まどか(声:鶴ひろみ)と2歳年下の檜山ひかる(声:原えりこ)の二人と付き合いつづけてきた春日恭介(声:古谷徹)は、高校三年の夏、ついに三角関係を清算しようとする。

 まつもと泉の原作をもとにしたテレビアニメが好評だったため制作された劇場版。原作とテレビ版の双方に無いオリジナルのストーリーで、監督と脚本家の恋愛観をぶちまけた、アニメとしては異様にシリアスで重いストーリーが展開する怪作。檜山ひかるが主人公で、春日恭介と鮎川まどかは敵役と化している(笑)。原作者は気に入らなかったらしい。
 今から観るとストーリーもキャラ(特に檜山ひかる)も結構きつい。でも、高田明美のデザインした絵柄とのミスマッチ感が奇妙な味をかもしだしているかも。いや、アニメだからこそ、この妙にストレート過ぎる脚本に耐えられたのかもしれない。実写映画や活字の小説だと、我慢できないかも。

 絵的には、まぁまぁというところか。しかし、作中の登場人物のファッションなど、80年代の流行が忠実に再現されているのを観ると……(笑)。(2001/03/08)

昭和六十三年(1988)
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