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昭和六十四年・平成元年(1989)
機動警察パトレイバー きどうけいさつぱとれいばあ
監督 押井守
公開年 1989年
評点[B]
感想
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機動警察パトレイバー 劇場版
パトレイバー劇場版
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機動警察パトレイバー 劇場版 Limited Edition
パトレイバー劇場版
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 今日は、押井守監督のアニメ映画『機動警察パトレイバー』を観た。平成元年(1989)の作品。OVAとコミック(コミカライズ:ゆうきまさみ)で展開された『パトレイバー』の劇場版第1作。脚本は伊藤和典、キャラクターデザインは高田明美。

 1999年の東京では再開発と東京湾埋め立てを中心とした“バビロン・プロジェクト”が進行し、多数の汎用人間型作業機械すなわちレイバーが用いられていた。レイバーを動かすOSとして篠原重工製のHOSが新たに導入されると同時に、レイバーによる事故が急増する。特車二課第二小隊の後藤隊長(声:大林隆介)や篠原遊馬(声:古川登志夫)・泉野明(声:冨永みーな)らが謎を探り、東京に巨大な脅威が迫っていることを察知した…。

 劇場版第2作のインパクトが強いので印象が多少薄れ気味だったが、この作品も結構いい出来。絵のクオリティは『うる星やつら』の劇場版シリーズと比べると、格段の差。『2』になると、もっと凄くなるのだけれども。ただ、キャラは少々中途半端にリアル化されているような感じ。
 1989年の時点で、コンピュータを動かすOSをとりあげた先見性が注目される。今この作品を観て、HOSからWindowsを連想する人も多いだろう。最後の戦いもダイナミックで迫力があったが、そこに至るまでの、松井刑事(声:西村知道)らが東京の町をさまよう描写が少々長く感じた。監督の趣味なんだろうけど。
 その他、長台詞や旧約聖書の一節を引用するところなど、押井色が好みの別れるところだと思う。聖書の引用とか、キャラの名が“エホバ”を暗示するところなんかは、個人的にどうも気恥ずかしくて…。(2000/12/05)

その男、凶暴につき そのおとこきょうぼうにつき
監督 北野武
公開年 1989年
評点[B]
感想
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その男、凶暴につき
その男、凶暴につき

 今日は、北野武監督の『その男、凶暴につき』を観た。平成元年(1989)の作品。

 ホームレスを襲った少年の家に乗り込んで殴りつけたり、逃亡する犯人を自動車で轢(ひ)いたりする凶暴な刑事、我妻(北野武)。汚職の噂のあった親しい先輩刑事が死んだと知ったとき、彼のとった行動は。

 まさに記念すべき、北野武作品の第一作。突然の暴力と乾いた描写、そして極めて限られた台詞の、北野ワールドが既に確立。冒頭から“痛い”描写が連発される。後味が良くないので、私の好みではないけれども、やっぱり凄いと思う。
 ラスト近く、人があっさり死に過ぎてギャグに近くなってるかも。それを狙ったのかもしれないが。我妻の妹(川上麻衣子)のエピソードは特に必要なかったんぢゃないかなぁ。あと、ラストの1シークエンスが余分だったかとも思う。(2000/11/14)

千利休 本覺坊遺文(本覚坊遺文) せんのりきゅうほんかくぼういぶん
監督 熊井啓
公開年 1989年
評点[A’]
感想
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千利休
千利休

 今日は、熊井啓監督の『千利休 本覺坊遺文』を観た。平成元年(1989)の作品。

 江戸時代初期、数少なくなった戦国生き残りの織田有楽斎(萬屋錦之介)は、利休の高弟だった本覺坊(奥田瑛二)に千利休(三船敏郎)の死の真相を問いただそうとする。本覺坊は、利休と彼に関わる太閤秀吉(芦田伸介)・古田織部(加藤剛)・山上宗二(上條恒彦)などの追憶を語る。

 井上靖の『本覺坊遺文』の映画化(脚本:依田義賢)。ほぼ同じ時期に勅使河原宏監督の『利休』が公開され、競作の形になった。
 私は、映画化されたあとに原作を読んだことがあって(映画を観たのは今日が初めて)、これを映像化するのは難しいだろうな……と思っていたし、なぜ“社会派”の熊井啓監督? という感じもしたが、映画は原作をかなり独自に解釈し、非常に独特な作品になっている。
 原作では秀吉が利休に切腹を命じた理由は、秀吉の戦国乱世の大名としての荒々しい気性がそうさせたのではないか、と推測されていた(ただし記憶は曖昧)。対して映画では、少し違った方向に解釈し、さらには利休およびその周りの人間たちが切腹によって死んでいったことに注目し強調している。登場人物が皆、座ってばかりだし女性が一人もいないので、面白い作品というのとは違うが、妙というか異様な力を感じさせられる一種の怪作かもしれない。
 そうそうたる顔ぶれの中で奥田瑛二は頑張っている。千利休の三船敏郎は、戦国大名みたい。これが最後の映画出演となった萬屋錦之介が凄い。濃い演技だが、威厳があって織田信長の実弟という雰囲気をかもし出し、ラストも大熱演でさらっていく。
 好き好きはあると思うが、とにかく個性的な作品。(2003/01/20)

昭和六十四年・平成元年(1989)
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