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平成十二年(2000)
雨あがる あめあがる
監督 小泉堯史
公開年 2000年
評点[B]
感想
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雨あがる 特別版
雨あがる
特別版

 今日は、黒澤明の遺稿を映画化した『雨あがる』を観た。監督は小泉堯史で、平成十二年(2000)の作品。

 剣の腕は一級品なのに、人が良すぎて仕官できない浪人の三沢伊兵衛(寺尾聰)とその妻・たよ(宮崎美子)は雨で足止めを食って木賃宿(安宿)に永逗留していた。ひょんなことから、伊兵衛は当地の藩主・永井和泉守重明(三船史郎)に腕を見込まれる。そして…。

 黒澤明が山本周五郎の原作を基に執筆した脚本を、かつての黒澤組スタッフが映像化して話題となった。映像的には実に素晴らしい(撮影:上田正治)。美術(村木与四郎)が見事で、江戸時代の大名の生活(かなり質素)などの考証も行きとどいている。
 内容は、主人公夫婦の人物造形が江戸時代の人間としては少々非現実的に見えた。それは置いといても、山本周五郎流(黒澤流でもある)の心情説明的長台詞は少々気になる。もとの脚本を尊重して撮影時に変更しなかったのだろうか。
 それと、主人公などのベテラン俳優たちと藩主・近習たちとの演技力の差が甚だしい。特に、三船敏郎の息子の三船史郎の演技は…。怒鳴るシーンは父親そっくりだが。台詞もまさしく棒読みなものの、最後の方は、それが独得の味のように聞こえてきちゃったりして(笑)。
 ただし、脚本の構成はしっかりしていてわかりやすい。余韻を残したラストも良かった。(2001/01/08)

ESCAFLOWNE(エスカフローネ) えすかふろおね
監督 赤根和樹
公開年 2000年
評点[B]
感想
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エスカフローネ
エスカフローネ
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エスカフローネ dts limited edition
エスカフローネ
dts limited edition
 アニメ映画『ESCAFLOWNE』を観た。監督は赤根和樹で、平成十二年(2000)の作品。

 高校生ひとみ(声:坂本真綾)は、日常に飽き孤独感を覚えていた。しかし突然、異世界に飛ばされて“翼の神”として迎えられ、龍族のバァン(声:関智一)とフォルケン(声:中田譲治)の争いに巻き込まれる。

 1996年に放映されたテレビアニメ『天空のエスカフローネ』の劇場版。テレビ版の総集編ではなく、ストーリーの最初からリメイクされている。
 私は、テレビ版の全話を観ておらず記憶もちょっと薄れているが、主人公ひとみはテレビ版のちょっと能天気で異世界に突然飛ばされたという巻き込まれ型ヒロインから、平和に日常に退屈した屈折のある少女として描かれている。
 劇場版は上映時間(100分弱)の都合で大幅に縮められてしまったそうで、駆け足な展開でストーリーの骨格は要するに「白馬の王子様が私を迎えに来てくれる」になってしまっているけれども、もの凄く大げさな映像表現と音楽が凄い。ジャンルとしてはファンタジーのためか一般的にあまり評価されていないようだが、アニメーションのクオリティは非常に高いと思う。(2002/12/31)

長崎ぶらぶら節 ながさきぶらぶらぶし
監督 深町幸男
公開年 2000年
評点[C]
感想
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長崎ぶらぶら節
長崎ぶらぶら節

 今日は、日曜洋画劇場で放映された『長崎ぶらぶら節』を観た。監督は深町幸男で、平成十二年(2000)の作品。

 声の良さで知られる長崎丸山の芸者・愛八(吉永小百合)は、困っている者を見ると放っておけないタチだった。そんな彼女は、放蕩で身代を潰した古賀十二郎(渡哲也)と共に長崎の古い歌を集める。

 製作当時、なかにし礼の直木賞受賞作を吉永小百合と渡哲也の顔合わせで映画化したことで話題になった作品。
 愛八は、自分のことよりまず人のため、という女性だったが、愛八が古賀に尽くしぬく理由がわからなかった。古賀は破産したのに零落した感じがせず、女房に逃げられたわけでもないし。古賀の人間像がほとんど描けていなかったと思う。また、二人とも終始ほとんど老けなかったのは不自然。スター映画だから仕方ないのかもしれないが。
 映像的には、最初と最後のCG合成が不自然。(2002/01/06)

郡上一揆 ぐじょういっき
監督 神山征二郎
公開年 2000年
評点[B]
感想
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郡上一揆
郡上一揆

 今日は、神山征二郎監督の『郡上一揆』を観た。平成十二年(2000)の作品。

 美濃国郡上藩の領主・金森頼錦(河原崎建三)は実収を増やすため、一定の量の年貢を取り立てる定免法〔じょうめんほう〕から収穫高に応じて年貢の高を決める検見取り〔けみどり〕に改めようとした。負担が増えることを知った百姓たちは猛然と反発。前谷村の助左衛門(加藤剛)のせがれ定次郎(緒方直人)や切立村の喜四郎(古田新太)らは百姓を代表して、繰り返し弾圧を加える藩と戦っていく。

 宝暦四年(1754年)に勃発して数年に渡って郡上藩と幕府を揺るがした“郡上一揆”を描いた作品(原作:こばやしひろし/脚本:加藤伸代・神山征二郎)。
 神山監督が長年温めていた企画だそうで、実に生真面目な正攻法の作風。定次郎や助左衛門・喜四郎ら“立百姓”(一揆に加担した百姓。藩に屈服した者は“寝百姓”)が完全無欠の英雄、まさに神の如き人物として描かれ、彼らを中心とした行動を追っている。
 しかし、歴史ドキュメンタリー番組の再現ドラマという感じで、領主・金森が検見取りに改めようとした経緯や、何よりも百姓の暮らしがあまり描かれていないため、彼らがああまで反対するのが今ひとつ腑に落ちず、観客に迫ってこないものがあると思う。定次郎と新妻(岩崎ひろみ)のエピソードで泣かせようとしたりするよりも、百姓の苦しい暮らしを克明に描いた方が訴える力は強いのでは。展開も演出もやや単調に感じられた。
 ただ、時代考証はしっかりしていて、駕篭訴や箱訴(目安箱への投書)の場面はリアルで迫力がある。また、終盤のリアリズムで貫かれた厳しい描写には、そこまでやるかと驚かされるので、最後まで観る価値はある作品かもしれない。(2005/07/10)

平成十二年(2000)
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