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稲妻草紙 いなづまぞうし
監督 稲垣浩
公開年 1951年
評点[B]
感想
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稲妻草紙
稲妻草紙

 今日は、阪東妻三郎主演の『稲妻草紙』を観た。監督は稲垣浩で昭和二十六年(1951)の作品。

 上意討ちをするため船来源三郎(三国連太郎)を追っている有馬又十郎(阪東妻三郎)は、祭の近いある町で出会った女お雪(田中絹代)に惹かれる。しかし、彼女は昔、源三郎と恋仲だった。さらに、又十郎に代わる六人組の刺客が町に現れた。

 阪妻と稲垣浩の『無法松の一生』のコンビで作られた作品。全体として登場人物の心理描写が細やかだが、テンポがかなりゆっくり目に感じられる。また、殺陣は最後の一回しかなく、それも派手な斬り合いではないので“阪妻の殺陣”を期待して観ると裏切られるかもしれない。かえってリアルなのだろうが、晩年の阪妻の健康状態のためでもあるだろうか。
 源三郎が太鼓の叩き方を演ずるシーンで、『無法松』のセルフパロディをやったのは面白かった。(2002/07/19)

伊能忠敬 子午線の夢 いのうただたかしごせんのゆめ
監督 小野田嘉幹
公開年 2001年
評点[A’]
感想  今日は、加藤剛主演の『伊能忠敬 −子午線の夢−』を観てきた。監督は小野田嘉幹で、平成十三年(2001)の作品。

 千葉の佐原の豪農に婿養子として入った伊能忠敬(加藤剛)は、長男に家督を譲ると学問を本格的に学び、地球の子午線1度の長さを実測によって割り出したいという夢を持つようになった。師匠である幕府の天文方の学者・高橋至時(榎木孝明)に、蝦夷地測量にかこつけて子午線の長さを割り出すよう示唆されると、忠敬は56歳にして旅立ち、それがきっかけで18年にわたって全国を歩くことになった。

 劇団俳優座創立55周年記念作品として1999年に企画され、二年越しで完成した作品。最初、『スターウォーズ』のように宇宙の彼方からタイトルが飛んできたときには、驚いたが(笑)、伊能忠敬の業績を堅実かつ退屈ではないようにまとめている良作。
 加藤剛主演作ということで堅苦しくなるかと思っていたけれども、単なる偉人伝説ではなくユーモラスな雰囲気が漂っているのが良い。特に、測量が数次にわたっているので、その間にある師匠の高橋至時とのやり取りが面白い。また、思いもかけないところで丹波哲郎センセイが登場したのには本当にビックリした。洪水の場面のCG合成もなかなかの出来。
 冒頭の愁嘆場はテレビドラマっぽいし、伊能忠敬の次男を演じた加藤大治郎(加藤剛の長男)の演技はナニだったが、高橋至時役の榎木孝明や間宮林蔵役の増沢望は好演している。忠敬を助ける女性お栄を演じた賀来千賀子と忠敬の娘イネ役の西田ひかるは、まぁ、いつもどおり。

 文部科学省選定作なので退屈な作品であることを覚悟して行ったが、予想以上の佳作だった。私は加藤剛ファンなので多少ひいき目があるかもしれないけれども。(2001/11/21)

刺青一代 いれずみいちだい
監督 鈴木清順
公開年 1965年
評点[B]
感想  今日は、鈴木清順監督の『刺青一代』を観た。昭和四十年(1965)の作品。

 口封じのため同じ組の人間に狙われる村上鉄太郎(高橋英樹)は、刺客を返り討ちにして弟の健次(花ノ本寿)と共に逃れる。土木作業員として潜りこんだ飯場で、健次は社長(山内明)の妻(伊藤弘子)にかなわぬ思いを寄せ、鉄太郎は社長の妹(和泉雅子)に惚れられる。そんな二人に忍び寄る暗雲。

 オープニングタイトルは彫り物を背中一面に背負ったお兄さんたちの映像で驚かされるが、冒頭から中盤までは仁侠映画+恋愛映画という感じで進む。二組の男女の恋愛話は、意図的に戯画化されているように見え、なんだか照れというか茶化しているような雰囲気を感じた。和泉雅子は元気があって可愛いが。高橋英樹はヤクザにしては爽やかすぎ? 花ノ本寿は当時新人だったらしいが演技が今ひとつ。兄弟を騙す大陸浪人を演じた小松方正と工事現場の人足頭を演じた高品格はハマってた。
 終盤近くまではダラダラというか淡々と進むが終盤に入って雰囲気一変、天変地異が起こる(笑)。有名な殴りこみのシークエンスは夢の中のような世界が展開する。監督はここだけを撮りたかったのだろうなぁ。(2003/03/06)

いれずみ半太郎 いれずみはんたろう
監督 マキノ雅弘
公開年 1963年
評点[B]
感想  今日は、大川橋蔵主演の『いれずみ半太郎』を観た。監督はマキノ雅弘で、昭和三十八年(1963)の作品。

 博打で十両もの借金をして江戸から逃げ出した半太郎(大川橋蔵)は、渡世人の道に入って三年かけて十両を貯め、江戸に一人残した老母のもとに帰ろうとする。しかし、全てに絶望した宿場女郎おなか(丘さとみ)に出会ったことから、彼の運命は一変する。

 長谷川伸原作作品(脚本:野上龍雄)。いつもながら渡世人を主人公にしているが、この作品は人情噺ではなく、運命に流される男の悲劇という感じ。東映娯楽時代劇には珍しい、一風変わった雰囲気で、妙な魅力があるかもしれない。ただ、かなり暗いので、ちょっとキツイ面もある。原作の方を読むと、どんな印象を受けるのかな……?(2002/10/11)

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