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関東無宿 かんとうむしゅく
監督 鈴木清順
公開年 1963年
評点[A’]
感想
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関東無宿
関東無宿

 今日は、鈴木清順監督の『関東無宿』を観た。昭和三十八年(1963)の作品。

 渡世の仁義を通したいと願う博徒の鶴田(小林旭)は、弱腰のくせに金には汚い伊豆親分(殿山泰司)やいい加減な弟分の鉄(野呂圭介)を苦々しく思っていた。ある時、吉田組の子分・冬(平田大三郎)と鉄が女のことでトラブルを起こし、冬の姉(伊藤弘子)がかつて鶴田が心惹かれたイカサマ師だったことを知る。

 原作(平林たい子『地底の歌』)があり、この前に石原裕次郎主演で映画化されていたというが、さてこの作品ではどのくらい原作や前作を踏襲しているのだろうか(脚本:八木保太郎 )。第一、主役さえ変えられているらしい。
 設定と粗筋は任侠ものになるのだろうか。しかし冒頭から女子高生たちの、ざーとらしい会話の演技(わざとらしいのはもちろん意図的な演出だろう)が繰り広げられてビックリする。そのうちの一人が伊豆親分の娘トキ子(松原智恵子)で、その友人である花子(中原早苗)が作品のキーパーソンの一人になるのだが。
 一応ストーリーはあるのだが、プロットの繋ぎ方がはっきりしていなくて、観ている場面が現実なのか空想なのかよくわからなくなり、最後には、これは全て鶴田の妄想か? とも思ってしまった(笑)。しかしながら、この奇妙な感覚は好みの合う人には楽しめるだろう。個人的には嫌いではない。
 時々カラーライトを使ったりするなどカラーを強調した絵作りも面白く、殴りこみの場面では後の『東京流れ者』と同じく天変地異が起こる(撮影:峰重義/美術:木村威夫/照明:三尾三郎)。
 冬の姉の情夫であるイカサマ賭博の名人として伊藤雄之助が登場して、相変わらず強い印象を残す。(2005/01/16)

雁の寺 がんのてら
監督 川島雄三
公開年 1962年
評点[B]
感想
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雁の寺
雁の寺

 今日は、川島雄三監督の『雁の寺』を観た。昭和三十七年(1962)の作品。

 有名な雁の襖(ふすま)絵のある京都の禅寺。その住職・慈海(三島雅夫)は襖絵の作者・南嶽(中村鴈治郎)の妾であった里子(若尾文子)と共に暮らすようになる。里子は、慈海の弟子で家事一切をやらされ厳しくしつけられている若い僧・慈念(高見国一)に同情して情けをかけるが……。

 水上勉の原作(脚本:舟橋和郎・川島雄三)を映画化。文芸路線の作品では川島監督の個性はあまり表に出されないが、この作品では独特なねちっこさを感じさせられた。同じ寺ものでも市川崑監督の『炎上』とは異なる粘り気があるような気がする。モノクロ末期としてはあまりコントラストが強くない絵作りも作用しているだろうか(撮影:村井博)。 終盤近くの急展開と、ちょっと驚きの不思議なラストが見事。
 他の作品同様、和服姿の若尾文子の色気は凄い。慈然役の高見国一は、ちょっと怖さを強調されすぎた演出のような気がした。下からライトを当てたりして。(2003/01/11)

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