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元禄水滸伝(元祿水滸傳/元禄水滸傳) げんろくすいこでん
監督 犬塚稔
公開年 1952年
評点[C]
感想  今日は、犬塚稔監督の『元禄水滸伝』を観た。昭和二十七年(1952)の作品。

 時は元禄十五年の年の暮。赤穂浅野家の足軽だった寺坂吉右衛門(月形龍之介)は同志の一員に加えてもらうことを望みながら堀部安兵衛(小堀明男)など赤穂浪人の世話をしていた。その頃、元浅野家家臣の一人である小山田庄左衛門(徳大寺伸)は生活に困っている武家の娘お初(浅茅しのぶ)を助け、毛利小平太(坂東好太郎)は他の赤穂浪人が自分を軽んずることに不満を抱いていた。

 100歳を越えていまだ健在で(2005年6月現在)映画界の最長老である犬塚稔の脚本・監督作品(原作:郷田悳)。宝塚映画の第一回作品で、浅茅しのぶの他にも浅野未亡人の瑶泉院の役で戦前の宝塚スター春日野八千代が出ていたり 大石主税に寿美花代、矢頭右衛門七に南風洋子と、男役スターが少年を演じていたりする。
 しかし、不忠臣・不義士と言われる人々がメインキャラ(寺坂吉右衛門は意見が分かれるが)であることが示しているように、既存の忠臣蔵に対して疑問を呈する作品になっていて、甘い作品ではない。戦後の風潮を反映した面もあるかもしれないが、“傾向映画”の時代が監督としての全盛期だった犬塚監督の元々の思想を反映しているのだろう。
 ただし、脚本家としての作品の方が多い犬塚監督が脚本に凝り過ぎたのか、主人公が三人というのはやはりどっちつかずになってしまっているし、1時間24分ほどの作品では描写が足りず、寺坂はともかく小山田と毛利にはなかなか共感できない。それに、現代人的な考え方をしているように見えてしまうキャラが多く、忠臣蔵批判するにしても監督の思想を生で出しすぎたのではないだろうか。
 寺坂の月形龍之介は小身者の哀しさをにじみ出させていて、なかなか良かった。(2005/06/06)

元禄忠臣蔵(元祿忠臣藏) げんろくちゅうしんぐら
監督 溝口健二
公開年 1941年
評点[A’]
感想
Amazon
元禄忠臣蔵(前篇・後篇)
元禄忠臣蔵

 今日は、先日Amazon.comでDVDを買ったThe 47 Roninこと『元禄忠臣蔵』を観た。溝口作品を観たいと思ったので。

 この作品、“原寸大セット”を初めとする厳密な時代考証を語られることが多いが、改めて観直してみると(二度目の鑑賞)、原作の真山青果の戯曲でも演じられることの多い幕の「綱豊卿御浜御殿の場」が面白い。綱豊を演ずる市川右太衛門が良い。
 それと、“討ち入りなしの忠臣蔵”として名高いこの作品で、大石内蔵助(河原崎長十郎)が浅野内匠頭未亡人の瑶泉院(三浦光子)のもとに暇乞いに訪れ、そののち夜半に戸田局(梅村蓉子)が討ち入りを報ずる吉田忠左衛門(助高屋助蔵)の書状を読み上げるまで、なかなか緊迫感が合って良い。ただ、『忠臣蔵』について予備知識
の無い人はワケわからんかも。
 そして討ち入り成就からラストシーンまでは、義士切腹前夜の芸づくしは感動させれるけれども、切腹当日に おみの(高峰三枝子)という人物が現れるのは、なんとかならなかったものか。原作にあったとしても…。

 この作品、大石内蔵助を初めとして武士というものの姿が描けていると思うし、厳密な考証と出演者の押さえ気味な演技でドキュメンタリーフィルムのような雰囲気もあるが、やはり長すぎるのと『忠臣蔵』の予備知識が無いと理解しづらいのが難点か。それと、音質が悪いのが惜しい。(2002/01/01改稿)

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