Return to題名別(五十音順)邦画備忘録Top pageHOME PAGE
明治天皇と日露大戦争 めいじてんのうとにちろだいせんそう
監督 渡辺邦男
公開年 1957年
評点[B]
感想
Amazon
明治天皇と日露大戦争
明治天皇と
日露大戦争
Amazon
新東宝名画傑作選DVD-BOX3 大戦の指導者編
新東宝名画傑作選
DVD-BOX3
大戦の指導者編

 今日は、新東宝の『明治天皇と日露大戦争』を観た。昭和三十二年(1957)年の作品。監督は渡辺邦男で、製作はあの大蔵貢。

 明治三十七年から三十八年にかけて戦われた日露戦争。明治天皇(嵐寛寿郎)とその側近たちが、開戦を決意して勝利に終わるまでを描く。

 新東宝の代表作ともされる作品。日本映画史上初めて明治以降の天皇をはっきりと映画に出したことで有名。明治帝は、国民の犠牲を思って開戦の聖断を下すことに慎重で、戦死者名簿に目を通され、時には前線の兵士と同じ粗食をされる、完璧な明天子として描かれているのは見事なほど。しかし、出征する兵士と別れを惜しむ家族たちを天皇が遠くから眺めて大御心(おおみこころ)を痛められるシーンは、本当に感動してしまった。
 国民は開戦を叫び勝利に喜び、日本軍の将兵は指揮官は部下をいたわり部下は指揮官をかばう。完全に戦前の史観そのままの作品を戦後わずか12年で作ってしまうなんて、日本(の映画界)って凄いなぁ(笑)。しかも、当時は大当たりしたそうだし。別の意味では非常に面白い作品かも。
 当時は超大作だったが、戦闘シーンは今観ると少々しょぼい感がある。旅順要塞にベトン(コンクリート)陣地が無かった。また、“二十八サンチ砲”(28cm砲)を発射するシーンも欲しかった。 乃木希典大将(林寛)の次男の乃木保典役に高島忠夫。若い!橘少佐が妙に恰幅の良い人だな、と思っていたら若山富三郎だった(笑)。(2001/05/06)

名刀美女丸 めいとうびじょまる
監督 溝口健二
公開年 1945年
評点[A’]
感想
Amazon
名刀美女丸
名刀美女丸

 溝口健二監督の『名刀美女丸』を観た。昭和二十年(1945)の作品。これも67分と短め。

 若い刀鍛冶の清音(花柳章太郎)は、彼の作った刀が折れたせいで小野田小左衛門が謹慎を命ぜられ、しかも、謹慎を解く助けをしようと言ってきた者と争いになって斬られてしまったことに悩んでいた。小左衛門の娘の笹枝(山田五十鈴)は仇を討つことを誓い、清音は彼女のために刀を打とうとする。時おりしも幕末で、若い2人も風雲の中に巻き込まれていく……。

 これは男女のカラミがあるせいか、前作『宮本武蔵』よりもずっと溝口健二らしさが出ているように見える。冒頭、溝口作品には珍しいギャグがあったりして。清音の師匠が勤王の志士の一人で「上御一人(かみごいちにん=天皇)」なんて言ったりすることが不自然なのを除けば、小佳作と言えるかも。(2000/09/09)

めし めし
監督 成瀬巳喜男
公開年 1951年
評点[A]
感想
Amazon
成瀬巳喜男 THE MASTERWORKS 1
成瀬巳喜男
THE MASTERWORKS 1
『めし』
『浮雲』
『娘・妻・母』
『乱れる』
『女の中にいる他人』
「愛蔵写真集」

Amazon
めし
めし

 今日は、成瀬巳喜男監督の『めし』を観た。昭和二十六年(1951)の作品。

 反対を押し切って夫・岡本初之輔(上原謙)と結婚したものの、5年経つと妻の三千代(原節子)は日々の生活に倦怠を覚えていた。そんな中、初之輔の姪・里子(島崎雪子)が家出して岡本家に転がり込んでくる。若い彼女に心乱される三千代。

 原作は林芙美子の同題作品。作者が急逝して未完に終わったので、この映画のラストはオリジナルだそうだ(脚本:井出俊郎・田中澄江/監修:川端康成)。
 上原謙の演ずる夫は『山の音』とは全く異なる好人物。良かった(笑)。夫婦の間の機微が時にはユーモラスに描かれていて、心温まる作品。里子の“アプレ娘”ぶりが面白い。三千代の母親役の杉村春子も良い。
 やはり、原節子は小津作品よりも成瀬作品の方が演技が自然で上手く見える。(2001/02/19)

めぞん一刻 めぞんいっこく
監督 澤井信一郎
公開年 1986年
評点[C]
感想
Amazon
めぞん一刻
めぞん一刻

 今日は実写版の『めぞん一刻』を観た。監督は澤井信一郎で、昭和六十一年(1986)の作品。

 言わずと知れた、高橋留美子のマンガ『めぞん一刻』の劇場版。浪人生の五代裕作(石黒賢)たちが住む古いアパート一刻館に、管理人さんこと音無響子(石原真理子、のち石原真理絵)がやって来る。若い未亡人である彼女や、一刻館を訪れてくる謎の訪問者たちをめぐる騒動。

 しかし、石原真理子(絵)と石黒賢という謎のキャスティング。石黒賢の演技は寒い寒い…。石原の方も、なんか違う。それに、この脚本の貧しさよ。途中で突然ミュージカル風になったかと思えば、ラストでは意味不明の展開に。原作をどのように解釈したのだろうか。
 唯一の見所は、一刻館の住人が皆ハマリ役に見えること。六本木朱美の宮崎美子は少々健康的すぎるかもしれないが、一の瀬さんを演じた藤田弓子は肥えた身体を躍動させて好演。しかし、あの『泥の河』の母親役を演った人が…(笑)。さらに凄いのが、四谷さんを演じた伊武雅刀。いつも通りの怪演がピッタリはまっている。一刻館にやって来る謎の女と男は、萬田久子と田中邦衛。
 珍品好きの『めぞん』ファンの方は、脇役を目的として観るのも良いかも。ただし、寛容さに自信のある人にお勧め。ちなみに、私がこれを観るのは、かなり以前テレビで一度(七尾こずえ〔河合美智子〕の登場シーンが全てカットされていた)、LDを買って二度目、そして今日また鑑賞して三度目になる。世界中で最も多く実写版『めぞん一刻』を観た人間の1人かもしれない(笑)。

 この作品のLDは94年に中古のものを古本屋でかなり安く買った。新品を定価で買っていたとしたら、“怒りの鉄拳”状態になっていたかも(爆)。(2000/11/17)

めぞん一刻 完結篇 めぞんいっこくかんけつへん
監督 望月智光
公開年 1988年
評点[C]
感想
Amazon
劇場版めぞん一刻 完結篇
めぞん一刻
完結篇

 今日は、アニメ映画『めぞん一刻 完結篇』を観た。昭和六十三年(1988)の作品。監督は望月智光(智充)で、脚本は島田満と望月智光。キャラクターデザイン・作画監督は、もりやまゆうじ。

 ついに、管理人さんこと音無響子(声:島本須美)との結婚を2日後に控えた五代裕作(声:二又一成)。だが、一刻館の住人たちは管理人さんのことで何かコソコソ話し合っている。外出先から帰って来た響子さん本人も、どこかよそよそしい。不安になる五代くんをよそに、彼のことが好きだった八神いぶき(声:渕崎有里子)など、なつかしい面々が次々と来訪する。

 同じく原作が近い時期に終了した『うる星やつら 完結編』との同時上映作品。原作にのっとった『うる星』に対し、この作品は原作・テレビアニメ双方にもないオリジナルのストーリーになっている。しかし、この脚本は…65分を満たすには内容が薄いような…。テレビ版の30分枠で充分だとさえ思えてしまう。
 その上、これも劇場版オリジナルのキャラクターデザインが違和感ありあり。リアルだが、可愛げが無い。響子さんの身体がゴツい…。
 実写版と同様、脇役の一刻館の住人たちの演技が妙に楽しい。元々の原作からキャラが立ちまくっているし、声優も上手いから。
 しかし、『うる星』に比べると『めぞん』は劇場版には恵まれていないのが、チトサビシイ。(2001/01/10)

メトロポリス(METROPOLIS) めとろぽりす
監督 りんたろう
公開年 2001年
評点[C]
感想
Amazon
メトロポリス
メトロポリス
Amazon
メトロポリス メモリアルボックス
メトロポリス
メモリアルボックス

 今日は、劇場用アニメの『メトロポリス』を観た。監督はりんたろうで、平成十三年(2001)の作品。

 世界一の大都市メトロポリスの支配者レッド公(声:石田太郎)は世界征服を企んで秘密兵器を隠した超高層ビル“ジグラット”を建て、その頭脳となる少女型ロボット・ティマ(声:井元由香)をロートン博士(声:滝口順平)に作らせていた。国際手配されているロートンを追って日本から来た探偵(声:冨田耕生)と甥のケンイチ(声:小林桂)は、ティマを破壊しようとする少年ロック(声:緒方浩暉)の暴走や都市下層民の反乱に巻き込まれてしまう。

 手塚治虫初期の作品をりんたろうと大友克洋が組んで現代のCG技術を駆使してアニメ化したことで話題となった作品(脚本:大友克洋/キャラクターデザイン・総作画監督:名倉靖博)。
 古典的洋画『METROPOLIS』へのオマージュだった原作のレトロフューチャー的世界観を再現するため、3D CGを駆使して未来都市の高層ビル群が作られている。ただし、キャラクターは手塚治虫の絵柄通りに2Dで描かれ、最近のテレビアニメ『巌窟王』に似た雰囲気。
 キャラと背景のなじみに違和感を覚えるのはいたし方ないとしても、巨額の予算をかけた背景を見せるためなのか、アニメにしては引きの画面が多くてアップが少なく、加えて背景の情報量にキャラの絵が圧倒され、登場人物の感情が観客にあまり伝わってこない。線も細く、シンプルな描線でも感情表現が豊富だった手塚キャラの魅力が薄れてしまっている。また、各キャラクターの描写が浅く、各々の行動の理由が了解しづらい。監督がCG製作スタッフ・脚本・音楽などの各分野をコントロールすることに失敗したように見えてしまう。
 フェードアウト/フェードインやアイリスイン/アイリスアウトそしてワイプなどの画面効果を多用したシーンの繋ぎ方にも少々違和感があり、音楽もクライマックスで流れるあの歌には驚かされた。3D CG映像だけは凄いが、どうにも監督の存在感が希薄に感じられる作品。(2005/06/24)

掲示板 Return to題名別(五十音順)邦画備忘録Top pageHOME PAGE