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誘拐 ゆうかい
監督 大河原孝夫
公開年 1997年
評点[C]
感想  今日は、大河原孝夫監督の『誘拐』を観たです。平成九年(1997)の作品。

 大企業の重役が誘拐され、犯人は身代金3億円の運び役として他の会社の重役を指名し、受け渡しのテレビ中継を要求する。ベテランの津波警部(渡哲也)とアメリカ帰りの若い藤井刑事(永瀬正敏)は運び役に密着して犯人を追うが……。

 なんだか、サスペンスと社会派と人情ものの全ての要素を盛り込もうとしたようで中途半端になっている。トリックも、少々安易。永瀬正敏と津波警部を慕う少女役の酒井美紀、特に前者の演技はキツイっす。それに、アメリカでプロファイリングを学んだエリートには見えない。
 映像に工夫があれば良いのだが……絵も音楽もテレビの2時間ドラマみたいだった。(2000/11/12)

雪之丞変化 ゆきのじょうへんげ
監督 市川崑
公開年 1963年
評点[A’]
感想  今日は、長谷川一夫主演の『雪之丞変化』を観た。監督は市川崑で、昭和三十八年(1963)の作品。

 近頃、江戸の市村座で売り出し中の女形・中村雪之丞(長谷川一夫)は、長崎奉行と商人たちに陥れられた長崎の大商人の息子だった。彼は両親の仇を討つため、元長崎奉行の土部三斎(二世中村鴈治郎)
に接近する。

 長谷川一夫の主演三百本記念映画で、若い頃に主演した作品のリメイク。雪之丞を陰ながら応援する義賊・闇太郎(長谷川一夫の二役)や女盗賊お初(山本富士子)などキャラが魅力的で、なかなか面白いストーリー。長谷川一夫の雪之丞と闇太郎の演じわけは見事。男まさりの女を演じた山本冨士子もいい。
 ただ、この作品を楽しめるかどうかは、カラーのシャープな映像で映し出された女形の顔に耐えられるか否かにかかっているのかもしれない。(2002/12/04)

雪の渡り鳥 ゆきのわたりどり
監督 宮田十三一
公開年 1931年
評点[A]
感想 『鯉名の銀平 雪の渡り鳥』(こいなのぎんぺいゆきのわたりどり)を参照

雪夫人絵図 ゆきふじんえず
監督 溝口健二
公開年 1950年
評点[B]
感想
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雪夫人絵図/朝日は輝く(短縮版)
雪夫人絵図/
朝日は輝く(短縮版)

 今日は、溝口健二監督の『雪夫人絵図』を観た。昭和二十五年(1950)の作品。

 旧華族・信濃家の一人娘である雪(木暮実千代)は婿養子の直之(柳永二郎)を迎えていたが、彼は雪を欲望のはけ口のように扱う一方で京都に妾(浜田百合子)を持つなど放蕩の限りを尽くしていた。夫に悩まされている雪は、かつて信濃家の書生であった菊中方哉(上原謙)に想いを寄せているが……。

 舟橋聖一原作の映画化(脚本:依田義賢・舟橋和郎)。
 戦後、溝口がしばらく映画会社を転々とした時期の作品で、新東宝製作。雪夫人が理性では夫・直之を憎みながら肉体は離れらない矛盾に悩むことがテーマで、映画として表現するのはなかなか難しい主題だと思う。性的な描写はほとんど許されていなかった時期でもあるし。
 しかしながら、間接的な描写でそれをうかがわせることには成功していて、苦悩する雪夫人や彼女を見守る女中・浜子(久我美子)の存在感には溝口監督の女性描写の巧みさを見ることができると思う。
 ただし、華族を知らぬ現代人の目で見ると、雪夫人と菊中があまりにも無力で無為無策に見えて理解しづらいかもしれない。雪と菊中、特に後者がどういう人物であるか、もう少しわかりやすくしてほしかったような気がする。双方とも難役であるが。
 柳永二郎は役に対してちょっと老けすぎているような気もしたが、薄っぺらいお坊っちゃん的人物を表現できていたと思う。
 映像は溝口健二らしさ(長回し・クレーンの多用)はあまり感じさせないオーソドックスな美しさがある(撮影:小原譲治)。(2004/10/03))

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