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2000年8月13日:『人狼』を観たの記
「赤ずきんちゃん気をつけて」

赤ずきんちゃん気をつけて 320*240 14.6KB



 先日(8/11)、 新宿の映画館でアニメ映画『人狼』を観た。 この作品はあの押井守が原作・脚本を担当し、 一部の人々の間で話題となっていたようだ。

 で、 観て思ったことはと言うと…どうにも映像に対して内容が… という感じだ。 日本の1950〜1960年代的な既に失われたノスタルジックな風景に メロドラマを載せるのが押井守のパターンだったが、 絵に載っているドラマの部分が非常に痩せているように見えた。

 ドラマの部分では、 ヒロインの少女を赤ずきん、 主人公の機動隊員を狼になぞらえるというのは、 昔ならともかく今となってはストレートすぎると思う。 博物館の狼の剥製の前で2人が逢い引きしたり 待ち合わせしたりする所などは、 “いかにも”過ぎるのではないだろうか。 表現が説明的だとさえ思った。
 ヒロインと主人公、2人の関係はなんなんだろうか。 あれが“愛”だと言っりしたら、 故ヨドチョー先生こと淀川長治が聞いたら怒り出すかもしれない(笑)。

  また、映像の面でも、60年代風な町並みはさほど効果的だとは思えなかった。
  押井守の監督作の『機動警察パトレイバー』の第一弾では、 運河沿いの古ぼけた町並みを再現して、 それはかえってまだ見ぬ近未来の東京を表現するために役立っていたが、 この作品ではキャラの服装や髪型、 そして何よりも主人公たちの近未来的な戦闘装備に対してアンバランスに見え、 違和感が目立った。
  絵的には画面全体の密度は増してはいるものの、 全体としてさほどインパクトは感じなかった。 細かいリアリティという点では、『機動警察パトレイバー THE MOVIE 2』 程度あれば充分なのかもしれない。

  現代日本への違和感と自己の存在に対する疑問という押井守のテーマは、 既に『機動警察パトレイバー THE MOVIE 2』までで描ききってしまったように思える。 今後もこのテーマを描き続けるのなら、なんらかの肉付けを与える必要が あるのではないだろうか。

 どうも批判的になってしまったが、御寛恕願いたい。 もう少し前に観たらもっと感動できたのかもしれないが…。 今となっては、映画が描くことのできる世界の豊かさを知ってしまったのだ。

★楽描き★

 赤ずきん&人狼。

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