QUAD ESL-57の修理

私はQUADの初期型のESLとESL-63proの両方を持っています。

QUAD社ではESLのアフターケアはすでに出来なくなっていますが、 QUADのドイツにおける代理店がESLの修理用の冶具を引き取り、 補修部品を用意しています。また、Web上にQUAD ESLに関する情報を提示したページが多々あります。 日本国内でも上記補修部品を扱うショップが現れたことから、ESLのメンテナンス体制も整ったものと判断しました。

ESLの色は3タイプあり、ブロンズ(ゴールドと呼ぶことも)、ブラウン、ブラックとあります。 ブロンズがもっとも気に入りました。

私が入手したのは片チャンネルの低音が出ないESLで、要修理品でした。低域エレメント (コンデンサー型スピーカーでは、スピーカーユニットのことを発音エレメントと呼ぶことが多い様です) は左右二つあり、それが同時に壊れることは考えにくい。 故障個所は、電源かネットワークかいずれかで、エレメントは無事という読みですが、さて、どうなることやら? (エレメントが壊れていたら、ちょっと自分では治せないし、修理費用も相当かかります。)

とりあえず、2本のスピーカーの電源をそれぞれ交換すると、ちゃんと低音が出る事が確認できました。 どうやら、低域エレメントは無事です。故障個所は電源回路と特定できました。

電源部を分解します。なにせ、6000Vですから、充分に放電させてからじゃないと、大変です。 電源を抜いてから一昼夜おき、慎重に部品を取り外しました。

これが、整流回路ブロックです。

  

取り外した整流回路ブロック。蝋で固められています。

オーブンで加熱して、周りのケースを取り外す。

 さらに加熱。完全に電源部が露出しました。倍圧整流回路の様子がわかると思います。

さて、これからテスター片手にどこの部品が壊れているのかを調査するわけです。ひとつずつ素子を調べていきます。

故障部品の交換後、電源ブロックを、再度蝋で封入し、元の部分に戻して、修理完成です!

無事に、音が出たときには、感激しました。ただし、やはり素子の劣化はあるようで、小音量再生をしていると、音量バランスのズレが気になります。今後、じっくりとメンテナンスして大切に使ってやりたいと思います。


P.S.

ESL-55ともESL-57も言われる、オリジナルQUAD ESLですが、発表されたのが1955年、発売開始が1957年なのです。本家QUAD社のWEBでは、ESl-57という記述を用いていますから、私のページで、明示的に旧型のESLとして記述する場合は、ESL-57と記述することにします。

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