自作スピーカー FOSTEX FE-103編

スピーカーを作るといっても、そんなに特別なことではありません。 2Way以上のスピーカーを作るのには、ネットワークの作成等のノウハウが必要ですが、 フルレンジスピーカーだったら、適切な容量の箱にいれるだけで、 充分な性能を発揮するスピーカーが完成します。 多くの場合、メーカーはそのスピーカーユニットに適した箱のサイズを公開しています。

今回は、最初の自作に適当なものとして、FOSTEXのFE-103というユニットを使用します。 値段も一個3000円程度で購入できて手ごろですし、値段の割りに音質も優れています。 ラジカセや安価なミニコンポに使われているスピーカーよりはよほどしっかりしたつくりのものです。 (現在は、新型ユニットのFE103Eというタイプに変更になっています)

FE-103について、メーカーが公開している標準箱は容積が6リットルのものですが、 今回は材料のサイズを考慮して4リットルとし、バスレフのチューニングを90Hzに設定しました。

箱の材質は音質に大きな影響を与えます。 たとえば、ある時期のアメリカ製のスピーカーの多くは米松、イギリスでは樺材が多く使われていました。 日本では、入手製のよさからDIY AUDIOではラワン合板やその両面にシナを一層はったシナ合板が使われる例が 多いですが、私は経験上、ラワン系の素材に音質的に良い印象を持っていないので、 今回は、非常に硬質な素材である、楢の集成材を使うことにしました。 東急ハンズで素材を購入、カットも含めて、東急ハンズに依頼しています。

FE103

900*300の集成材でぎりぎりの板取り

FE103

小さな箱のため、組み立てには釘やネジをつかわず、接着剤のみにしました。 私は接着剤には、フランクリン社のタイトボンドという物を好んで使います。 硬化が早く強固で、固まった後に、やすりで容易に削り取れるのがその理由です。 東急ハンズで購入できます。

奇麗に直角が出るように、L字クランプを使用します。こういう工具代が、自作コストに影響します。 接着が完全になるまで、ハタガネや専用の締め上げるための工具を使用すると仕上がりが正確になります。

さて、自作が安く出来るというのは個人的には間違った考えだと思っています。 このような、工具購入にかかるお金や、技術習得のためにかかる時間、 失敗による無駄なども楽しめる様でないと、自作は勧められません。 また、完成品が貴方の好みに合う保証も無いのです。 市販品を買うときは、店頭で比較視聴するでしょう?

組み立て前に、忘れずにバスレフのダクトを接着します。 今回は入手しやすい水まわり用の塩ビのパイプを使用しました。 写真では判りにくいですが、鉛シートを張り込んで防振しています。 実際に音質に対する影響は不明ですが、お守りのようなものです。 バッフル板への接着は二液混合型のエポキシ接着剤を使用しました。 固着時間が長めのもののほうが、強固に接着できます。

全体を組み上げます。タイトボンドの場合は後から削り取れますが、 接着面からはみ出した接着剤は固化前に充分に拭き取りましょう。

接着剤が完全に接着されるまで、余裕をもって、2日ほど時間をおく。あせらずに

トノコで目止め。今回はオイルフィニッシュ仕上げとしたので、不要であったが…。

私は、良質の材料を使った場合の仕上げは、木目を活かす為、オイルフィニッシュを好んで使っています。 素材の手触りを失わないのがよいし、簡単でムラが出なません。 今回は、ワシンの木彫オイルを使用しています。これは合成樹脂も含んでいて、防水性も期待できます。

左はオイル塗布一回目、右は未塗装の状態

これが今回の主役、FE-103です。15年以上製造されているロングセラーユニット。 もともとはテープレコーダーに内蔵させるモニター用のスピーカーだったそうです。 今回はスピーカー端子には半田つけをせず、ネジで固定することにしたため、 内部配線の先に圧着端子を付けています。

スピーカーボックスの内部に吸音材を充填したところです。 実際には、スピーカーボックスの上、下、背面にも吸音材を充填。 吸音材の量、質による音質の変化は、無視できない大きさなので注意が必要です。 比較的安価な吸音材では、今回つかったアオキ産業株式会社のミクロンウールと いう製品が気に入っています。

ユニットを取り付けて完成です。

今回の視聴器材は、
Marantz CD-34
QUAD 33 + 303
というセットです。
FE103は歯切れの良い元気な音です。 しばらく音を出し続けていると音が落ち着いてきました。 工具を除いた総予算は2万円弱。楢は非常に硬質な木質のため、 加工は大変で初心者向きではありませんが、私のような素人工作でも、 このくらいのサイズなら何とか作り上げる事が出来ました。 将来的にもサブシステムなどに使える音質なので、自作の第一歩にはよい工作だと思います。

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タイトボンド・Franklin Titebond 473ml タイトボンド・Franklin Titebond タイトボンド・Franklin Titebond 273ml タイトボンド・Franklin Titebond

FE-103E ペア FOSTEX FE103E 10cmフルレンジユニット ペア