AIRBOWのピュアオーディオ用のアンプには、TYPE-1(TYPE-2はディスコン), TERA, LUNA, LITTLE PLANET がラインナップされている。

そのうち、TERA, LUNA, LITTLE PLANETは三兄弟とも言える一連のシリーズで、その最大の特徴は電源に特殊なスィッチング電源を使用していることと、内部の増幅素子がシンプルなICアンプである事だ。大容量コンデンサーの電源回路やディスクリート回路を良しとしてきたオーディオ界の常識とは一線を画している。

TERAはそのシリーズの中では最上位に位置するもので、筐体以外は電源回路からほぼ完全なツインモノ構成となっている。また、他のモデルと比べてパーツ類も軍用クラスのものなど、より高級なものが使われている。

コーリアンのボードとAIRBOWのWOODBOYというインシュレーターでセッティング

 

電源の余裕や完全モノラル化により、Little Planetと比較すると駆動力にも若干の向上が見られるようである。(Little Planetで、もうちょっと音量を上げたいくらいでクリップしたQUAD ESLが、TERAでは余裕をもって駆動できた)また、サウンドステージの展開もより広大なものになっている。

音質傾向は、Little PLANETと比べると、より色づけが少なく解像度が向上している。

音の立ち上がりは非常にシャープ。スピーカーの高域限界が上がったような錯覚を受けるほどである。また、音の立下りも同様にシャープで余分な音が発生しない(情報量が少なく、倍音成分がまったくでない、英国L社のアンプとはまったく異なる。)為、アコースティカルな楽器の余韻が混濁しない。したがって、オーケストラのハーモニーも綺麗に再生できる。低音は量感で聞かせるタイプではないので、人によっては低音不足を感じるのかもしれない。きちんと低音の音階が聞き取れるので、しっかりした低音再生能力がある。f特、Dレンジ、音場共に非常に広く、こじんまりとまとまることが無い。

オーディオ誌等では、ハイスピードな音として評価されていたJ社のプリメインアンプもLittle PlanetやTERAを聞いた後では、私の耳には、鈍くて曇った音にしか聞こえなかった。

高忠実ゆえに、粗悪な録音だと明らかに録音の限界のあらがわかってしまう。(Little Planetだとそれなりに聞かせる音作りになっている。)好き嫌いは別として、TERAを酷評する人がいれば、どういうCDで試聴したのか教えて欲しい。

AIRBOW周辺の人脈には、プロの演奏家や指揮者が居て、音楽的なアドバイスをしているそうだ。TERA, LUNA, Little Planetの音質の違いと価格設定を考えると、結果としてこのような音が出他と言うものではなく、明確な目標とする音質の定義が最初にあって、それにあわせた音質のチューニングを行っているのだろう。

スピーカーの駆動能力に関しては、拙宅のESL-63proはもちろん、友人宅でApogeeのオールリボン型の低能率/低インピーダンススピーカーを楽々駆動していることからも折り紙付である。

出力は20Wなので、大音量が必要な人、スピーカーの能率が低い人には不向きであろう。また、設計思想上、トーンコントロールなどの音質調整装置も持たないので、それらの機能を必要とする人にも適合しない。が、このアンプの音質は比類無きかけがえの無いものと思う。

もし、出力が倍の40Wあれば、誰にでも薦められるのだが、その点は残念。意匠に意見を持つ人もいるようだが、充分な高級感を持っているし、私は中身より筐体にお金がかかっているようなアンプにはお金を出したくないので、これでバランスが取れていると思う。

私が使っているTERAはTERA Limited。最近、低温処理した部品を投入したTERA Limited Cryoへのアップグレードサービスも行われているので、チャレンジしてみたい。

AIRBOWのアンプに興味を持っている人は、逸品館の貸し出しサービスを利用するとよいと思う。気前よく貸してくれるし、借りたから、買わなくてはいけないのでは?と、心配する必要も無い。出力の問題も確認できるし、なにより、官能評価を他人や雑誌の評価に任せても意味が無いと思う。

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