第一回「映像実践による現代宗教復興現象の解明を通じた地域研究手法の開発」
特集:「宗教実践者による映像実践@−イスラーム過激主義の事例を通じて−」


【日時と場所】
日時:2008年6月28日(土) 13:00〜18:00
場所:京都大学地域研究統合情報センター会議室
【キーワード】プロパガンダ、布教、育成(「教育」)、暴力性、伝播、流用、トランスナショナル                

【プログラム】

<第一部>  「映像地域研究」の手法開発セミナー@
13:00−14:00 「方法論的問題の明確化と今後の方向性」

<第二部> 特集 「宗教実践者による映像実践@−イスラーム過激主義の事例を通じて−」
14:15−14:30 趣旨説明:新井一寛(京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科)

14:30−18:00
1.「中東地域のイスラーム過激主義の映像実践」:高岡豊(財団法人中東調査会)+横田貴之(日本国際問題研究所)
発表要旨:
 中東地域のイスラーム過激派を対象に、映像を用いた広報活動が彼らの活動全体の中でいかに位置付けられ、いかなる目的をもって作成・発信されているのかを考察する。具体的には、@イラクを中心とするイスラーム過激派のプロパガンダ映像を基に受容者を意識した暴力性程度の操作、Aパレスチナのハマースの子供向け番組における映像と抵抗運動の関連性、を検討する。
事例映像:
イラクの過激派が作成した斬首映像、イラクの過激派が作成したムジャーヒドゥーンの善行映像など(岡)。アル・アクサーTVが近年以降放送した子供向け番組におけるキャラクター・シリーズとアニメ映像など(横田)

2.「東南アジア地域のイスラーム過激主義の映像実践にみる伝播と流用」:見市建(岩手県立大学講師)
発表要旨:
 東南アジアのイスラーム過激派が、インターネットを通じて収集した中東を中心とする過激派や紛争地域のどのような映像をいかに加工、流用しているのか、関連するオリジナルの映像を踏まえて、検討する。映像だけではなく、パッケージや生産者、流通経路を踏まえ、イスラーム過激派が誰に何を訴えたいのかを考察する。
事例映像:
ジャマーア・イスラミヤ関係者作成のイラクにおける米軍への攻撃、チェチェン、パレスチナ、インドネシアにおけるムスリムの惨状を訴えた映像。

3.コメント
・映像加工技術の視点から:梅川通久(京都大学地域研究統合情報センター)
・アニメーション研究の視点から:大西宏志(京都造形芸術大学)
・インターネット上の宗教映像潮流の視点から:シッケタンツ・エリック(東京大学大学院)
・ナショナリズム研究の視点から:川瀬貴也(京都府立大学)

4.総合討論



第二回「映像実践による現代宗教復興現象の解明を通じた地域研究手法の開発」共同研究
特集:「研究者による映像実践@−映像人類学的方法論の検討と宗教研究−」


【日時と場所】
日時:2008年7月5日(土)
場所:京都大学地域研究統合情報センター会議室

【キーワード】
フィールドワーク、検証可能性、客観性、代表性、作品化、映画祭、共同制作、組織論

【プログラム】
<第一部> 「映像地域研究」の手法開発セミナーA
13:00−14:00
「方法論の確立のために@−表現的活用と資料・分析的活用(研究のための映像ジャンル論、および歴史学を参考にした資料映像作法)−」

<第二部> 特集「研究者による映像実践@−映像人類学的方法論の検討と宗教研究における映像活用−」
14:15−18:00
司会:新井一寛(京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科)
趣旨説明+「映像宗教学の射程」:新井一寛
映像内容:
『茅の輪くぐり』岩谷洋史、兵庫県明石市稲爪神社、3分40秒、2006年
『バングラデシュ農村社会における割礼の変容』南出和余、バングラデシュ、36分、2006年

発表・上映
1.南出和余(日本学術振興会特別研究員)
「映像作品制作プロセスにみる『異文化の描き方』」
発表要旨:
 本発表では、映像作品を制作する際の、事前調査、撮影、編集というプロセスを、フィールドワーク論や「異文化の描き方」と照らし合わせて考える。また、論文執筆と映像制作を対比させることによって、研究における映像制作の利点と可能性、あるいは限界について考える。

2.川瀬慈(日本学術振興会特別研究員)
「学術映画祭の動向‐いま我々に何が求められているのか?‐」
発表要旨:
 近年、人類学等をテーマにする学術映画祭が増え、これらを基軸とした映像人類学の国際的な研究交流の輪がかつてない規模でひろがりつつある。本発表では学術映画祭の動向を紹介し、研究作品を学術映画祭に発信していくことの意義と可能性について論じる。
.映像内容:『Oral Pornography』Itsushi Kawase,Ethiopia,14min, 2006.

3.水野啓(京都大学大学院地球環境学堂)
「映像作品の共同制作における研究者の役割」
発表要旨:
 京大地球環境学堂によるベトナム中部での研究・実践プロジェクトを取材し、草の根国際協力のあり方を問いかけるとともに、流域の空撮や山岳少数民族の伝統家屋建設など学術的価値の高い映像を記録した番組を紹介し、その制作プロセスを辿ることで、制作者と研究者が協働する上での課題や可能性を考える。


映像内容:『ベトナム未来づくりプロジェクト−環境学者たちの新たな挑戦』制作・著作;ベネッセ・コーポレーション、協力;フエ農林大学、京都大学大学院地球環境学堂、独立行政法人国際協力機構、映像協力;京都大学学術情報メディアセンター、撮影地;ベトナム、90分、2008年。※一部紹介

3.コメント
「撮影チームの組織論」+コメント:飯田卓(国立民族学博物館)
宗教学の視点から見た映像実践:葛西賢太(宗教情報センター)

4.総合討論



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第三回「映像実践による現代宗教復興現象の解明を通じた地域研究手法の開発」共同研究
特集:「宗教実践者による映像実践A+報道機関・映像作家による映像実践@
               −道友社、精神文化映像社、公共放送の事例を通じて−」



【日時と場所】
日時:
2008104() 13時〜18
場所:京都大学地域研究統合情報センター会議室

【キーワード】
広報、宗教番組、マスメディア、アルタナティブメディア、公共性、営利、視聴者



【プログラム】

司会・趣旨説明:新井一寛(京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科)

発表・上映:
1.「天理教・道友社の活動」(http://www.tenrikyo.or.jp/ja/act/media/index.html) 
  木村成人 (天理教道友社音声映像課長)+園田克弘(天理教道友社音声映像課員) 

発表:道友社は、天理教教会本部の広報出版部署。明治24年に創刊した月刊誌「みちのとも」の発行所として 設立。教えを全世界へ宣布するとともに、教信者への修理丹精を行っている。現在発行、出版、制作している ものは、みちのとも(月刊誌)、天理時報(週刊紙)、単行本、視聴覚製品等とラジオ、テレビ放送の番組制 作。今回は、特に、同社の映像活用について紹介する。

映像:道友社制作のテレビ番組や映像作品の一部を上映予定。


2.「精神文化映像社の活動」(http://www.seishinbunka.co.jp/) 
  並川汎 (株式会社精神文化映像社・代表取締役社長)             

発表:精神文化映像社の設立は98年10月、翌秋放送開始。スカパー・216Chで放送中。カトリック、 神社、伝統仏教、新宗教など宗教関連番組、シンポジウム・学会報告、文化講演会、各種講話など。文化各方 面で活動を展開中。今回は、特に、同社が運営するテレビ・メディア活動について紹介する。

 
映像:精神文化映像社の紹介映像の一部を上映予定。


3.「公共放送における宗教映像」
  新田義貴 (NHK沖縄放送局ディレクター)

発表:92年NHK入局。福岡局、報道局、衛星放送局などを経て現在、沖縄局制作デスク。中東、アジア、 アフリカなど第三世界を舞台に、民族や宗教、紛争をテーマとしたドキュメンタリー番組を企画制作。今回は テレビにおける宗教の映像表現について紹介。

映像:次の2作品の一部を上映。@世界潮流「イスラムの挑戦〜13億の民はどこへ向かうのか」2005年1 月放送エジプトを舞台に、神秘主義教団や新世代説教師など、イスラム復興の新潮流を取材。ANHKスペシ ャル「情報聖戦〜アルカイダ 謎のメディア戦略」2004年9月放送アルカイダのメディア部門とアメリカ 政府の情報戦争の最前線を描く。去年のユージーン国際映画祭で最優秀長編ドキュメンタリー賞を受賞

コメント
葛西賢太 (宗教情報センター)
高岡豊 (財団法人中東調査会)
藤木達弘(NHK報道局社会番組部ディレクター)

総合討論

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第四回「映像実践による現代宗教復興現象の解明を通じた地域研究手法の開発」
特集:「研究者による映像実践A+宗教実践者による映像実践B+報道機関・映像作家による映像実践A」
[京都大学地域研究統合情報センター全国共同利用研究+協力:多摩美術大学芸術人類学研究所]





※高木正勝さんのサプライズ講演(右下)

【日時と場所】
日時: 2008年12月26日(金) 13:00-18:30
場所:京都大学稲盛財団記念館, 3階中会議室
京都市左京区吉田阿達町46(川端近衛南東角)

【キーワード】
見えないもの、言葉にしえぬもの、「メディア」の連鎖、感知、Aesthetics

【プログラム】
[趣旨説明]葛西賢太+新井一寛(司会)

[発表・上映]
1.「映像で表現される『不在』のイスラーム的カリスマ」
高尾賢一郎(同志社大学)


発表:映像作品は、シリアの高名なイスラーム学者であったアフマド・クフターローの葬送儀礼(2004年9月1日) を、彼の弟子が撮影、販売しているものである。報告では、その弟子たちが伝えたい師のカリスマ性が、故人のどのような要素やエピソード、ヴィジュアル・イメージによって作中で根拠付けられているのかという点に着目する。イスラームの文脈において個人のカリスマは、従来、血統や奇跡譚などを元に語られることが多く、それらはイスラームという宗教の黄金律に還元される形で更なる根拠付けがなされてきた。しかし作中には、宗教的価値に限って保証されるものではない多くの要素やエピソードによって、師のカリスマ性を表そうとした弟子の様子がうかがえる。それらを受けて報告では、制作者が対象のカリスマ性を、どのような価値基準を加味しながら、どのような映像表現を駆使しながら伝えようとしたのかという点を浮かび上がらせたい。

映像:アフマド・クフターローの葬送儀礼(2004年、19分、制作:シャイフ・アフマド・クフターロー財団)

2.「霊の増殖とメディア―霊媒師と映像作家の視聴覚表現をめぐって」
岩谷彩子(広島大学)

発表:神と人、意識と無意識のあいだを媒介する霊媒師(medium)の身体は、彼/女が自分自身でありながら同時に別のものでもあるという状態をあらわしている。霊媒師による無媒介的な神の憑依=模倣的な再現(ミメーシス)は、彼/女らをまなざす人々に神の力(霊力)を分け与えるとされている。このような場は、テクノロジーの発達によってまさにメディア(media: mediumの複数形)として増殖しているが、それはどこまで霊媒師の身体をもちいた霊の増殖と等価といえるのだろうか。一方で、イメージや情報を際限なく複製・編集できる環境が恒常化した現代において、生と死、日常と非日常をシミュレートした映像表現が、人々の意識を攪乱する媒体(media)となっている。こうしたテクノロジーを用いた映像表現にやどる力は、霊媒師の行うミメーシスとどのような共通点と相違点をもつのだろうか。南インドの霊媒師と日本の前衛映画の映像表現を事例として参照しながら、感覚を攪乱することで異界的な力を引き出すテクネーについて考察してみたい。

映像:
1. 呪術の神の光臨1<人類学者編>―南インド、女性霊媒師の事例より(2005年、撮影:岩谷彩子)
2..呪術の神の光臨2<信徒周辺編>―南インド、男性霊媒師の事例より(2004年、撮影:Ragam Digital)
3.「呪術的」な映像<映像作家編>―『東京天使病院』(1998年、撮影:黒澤潤)

3.「映像と肉感性」
古川優貴(一橋大学)
発表:「芸術とは呪文であり魔術である――これが芸術の体験のいちばん始めの形であったに違いない。芸術とは模倣であり現実の模写である――これが芸術の理論のいちばん始めの形、ギリシアの哲学者たちの理論だった」。ソンタグは「反解釈」の冒頭でこのように述べている。また、バック=モースは近代以降の感覚不在の美学に対しcorpothetics(肉感学)という語を用い、美学の本来の領域は肉体的・モノ的なリアリティだと主張している。本発表では、ほかに、A. Gellやベンヤミンらの議論を主たる背景とし、映像それ自体が放ち得る直接的、肉感的な力について議論したい。なお、冒頭で報告者による映像作品rhythmを上映するが、これは「肉感的」というよりも「解釈的」な色合いが濃い作品であるということを付記しておきたい。

映像:
1. rhythm(2007年、制作:古川優貴、12分)
2. 手(2008年、制作:古川優貴、8分)

 

[特別上映:映像と目に見えないもの]

1.『Homicevalo(ホミチェヴァロ)』(高木正勝、12分、2008年)
出演 : ベイヤード (堀井厩舎), 大淵靖子 (多摩美術大学芸術人類学研究所)企画 :中沢新一, 多摩美術大学芸術人類学研究所, エピファニーワークス助成 :財団法人 セゾン文化財団

人間("homi")と馬("cevalo")との融合と結婚をあらわす映像作品。東アジアに伝わる「馬娘婚姻神話」をベースに、世界中の神話によって語り継がれてきた「人間と動物の対称的関係」を現代に蘇らせようとしている。

2.『NIHITI(ニヒチ)』(高木正勝、6分27秒、2008年)
映像+音楽:高木正勝
企画:独立行政法人理化学研究所 発生・再生科学総合研究センター

「普段見えないもの」を見えるようにする。本来あるものを感知できるようにする」。科学と芸術と霊性の幸福な出会い。細胞の発生をめぐる最新科学の成果と、古くから伝わる「虹の神話」を基に、細胞レベルでの映像体験が呼び覚まされる。

 
[コメント]
石倉敏明(多摩美術大学芸術人類学研究所):高木正勝作品の解説+コメント

[総合コメント]
田中雅一(京都大学人文科学研究所)


日時:2008年12月27日(土)11時〜12時
「映像地域研究」の手法開発セミナー「映像人類学と芸術性」
対象を宗教に限定せずに、生態・自然科学から人文・社会科学までの映像実践を包括的に視野に入れ、「映像地域研究」の手法開発を目指し、継続的なセミナーを実施していきます。



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第五回「映像実践による現代宗教復興現象の解明を通じた地域研究手法の開発」
特集「研究者による映像実践B」[京都大学地域研究統合情報センター全国共同利用研究]


   

 
※懇親会の様子(左下)

【日時と場所】
日時:2008年1月10日(土) 11:20−12:20(石橋純作品上映)、13:00−18:30
場所:京都大学百周年時計台記念館会議室V

【キーワード】
儀礼の映像化、音楽と映像表現、フィールドワークと映像・音、インフォーマントとの共同

 【プログラム】
11:20−12:10
[石橋純作品上映]
「ベネズエラ共和国プエルト・カベージョ市サンミジャン地区における5月の十字架祭り」

(制作・監督・脚本・現地調査・ナレーション:石橋純、撮影:ルベン・アルファーロ、編集:石橋純、ルベン・アルファーロ、サルバトーレ・ニシータ、約8分、1997年)

「港町、バリオ、タンボール−ベネズエラ共和国プエルト・カベージョ市サンミジャン地区における伝統復興運動−」
(制作・監督・脚本・現地調査・ナレーション:石橋純、撮影:ルベン・アルファーロ、編集:石橋純、ルベン・アルファーロ、サルバトーレ・ニシータ、約8分、1997年)

「ベネズエラ共和国プエルト・カベージョ市サンミジャン地区における聖体信徒団の悪魔舞踏」
(制作・監督・脚本・現地調査・ナレーション:石橋純、撮影:ルベン・アルファーロ、編集:石橋純、ルベン・アルファーロ、サルバトーレ・ニシータ、約8分、1997年)

「ベネズエラ共和国プエルト・カベージョ市サンミジャン地区におけるサン・ファン祭」
(制作・監督・脚本・現地調査・ナレーション:石橋純、撮影:ルベン・アルファーロ、サルバトーレ・ニシータ、編集:石橋純、ルベン・アルファーロ、約12分、1997年)

13:00−18:30
[趣旨説明]新井一寛(司会)

[発表・上映]
1.「記録・報告から参加・介入へラテンアメリカ民族誌映像10年の試みから」(石橋純:東京大学教授)

発表概要:民族誌ドキュメンタリーは、記録・報告のメディアであることは当然ですが、私は発表形態の選択の結果というよりはむしろ、現地の人びととのコミュニケーションの必要にせまられてドキュメンタリー映像を製作してきました。この発表では、私の映像製作の原初の動機から現在に至る「現地の人びととの関係」のありかたに焦点をあててお話しします。社会運動に積極参加・介入しつつ映像を記録する、いままさに実験中の方法についても、その素材を一部上映します。こうしたやりかたの可能性と限界について議論できたらと思います。

映像:
1. 『ハンモックの埋葬-ベネズエラ〈サンミジャン〉の祭りと宴』(制作・監督・脚本・現地調査・ナレーション:石橋純、撮影:マヌエル・アルバレス、アルマンド・シルバ、編集:石橋純、マヌエル・アルバレス、アルマンド・シルバ、ベネズエラ、18分、1999年、※第22回米国ラテンアメリカ学会映画祭優秀賞受賞)。

2. 社会運動に積極参加・介入しつつ記録した映像の素材を一部。

2.「通過儀礼としての映像制作」(分藤大翼:京都大学ASAFAS研究員)
発表概要:発表者は1996年よりカメルーン共和国東部州の熱帯雨林地域において、バカ(Baka)という人々の調査研究をおこなっている。主な研究テーマは精霊儀礼と音楽実践であり、1999年には自ら精霊結社への加入儀礼を受けるなどして研究を進めてきた。その後、2002年より民族誌映画の制作を開始し今日に至っている。本発表で上映する『Jengi』という作品は、バカの人々が森に存在していると考えているジェンギ(jengi)という精霊と、精霊のもとに組織されている秘密結社への加入儀礼に関する民族誌映画である。本発表では、人類学徒として映像制作を始めるまでと、制作の過程と、制作後に経験したことにもとづいて、研究者による映像実践の可能性と課題について報告する。

映像:
『Jengi』(撮影・録音・編集・現地調査:分藤大翼、カメルーン、20分、2007年)

[上映・コメント]
1.柳沢英輔(京都大学ASAFAS博士課程):

映像:
『ベトナム中部高原のゴング文化』(撮影・録音・編集・現地調査:柳沢英輔、ベトナム、2008年、16分)+コメント

2.米山知子(総合研究大学院大学博士課程):

映像:
『変わりゆく「伝統」−トルコ アレヴィーの儀礼ジェム−』(撮影・録音・編集・現地調査:米山知子、トルコ・イスタンブル、時間:17分、2008年)+コメント

[総合コメント]
山田陽一(京都市立芸術大学教授)


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第六回「映像実践による現代宗教復興現象の解明を通じた地域研究手法の開発」
(京都大学地域研究統合情報センター全国共同利用研究)

【日時と場所】
日時:2009年3月14日[土]13:30〜18:30

場所:京都大学稲盛財団記念館3階中会議室

【キーワード】
内的体験の映像化、変性意識とイメージ、CG・アニメーションの活用、宗教研究における研究/応用・実践

【プログラム】
[趣旨説明]司会:新井一寛(司会、京都大学ASAFAS研究員)

[発表・解説・上映]

1.「アヤワスカ茶体験の映像化の試み」 (蛭川立:明治大学准教授)

発表概要:宗教儀礼を映像化するというとき、通常は儀礼の様子を外側からカメラで撮影して映像化することを意味する。しかし、宗教儀礼の本質は、それが外部からどのように見えるかではなく、参加者自身がどのような主観的体験をしているかというところにある。とはいえそのような主観的体験は、視覚的体験に限ってもレンズを使ったカメラで記録することはできない。将来的には脳の活動を読み取って映像に変換する装置が実用化されるかもしれないが、逆に振り返ればこのような内的なイメージは、太古の時代より宗教美術の中で表現され続けてきたもので、そして絵画という表現手段しかないという状況は比較的最近まで変わらず続いてきた。しかし、コンピュータグラフィックスの実用化と高性能化は、このような状況を大きく変えるものと期待される。本発表では、以上のような問題を、ペルー・アマゾンの先住民シピボの、アヤワスカ茶を用いた儀礼を中心にしながら論じたい。

映像:
1.『ペルー・アマゾン先住民シピボの儀礼と美術(静止画・動画)』[撮影:蛭川立、2000〜2001年]

2.『アヤワスカ茶によるヴィジョン(アクリル画の複製)』[画:Pablo Amaringo]

3.『Blueberry (Renegade)』[監督:Jan Kounen。2004年](基本は西部劇で、最後に主人公がメキシコ?の先住民のシャーマンに助けられ、ペヨーテ?の煮汁を飲まされて、さまざまな気づきを得て救われる。ラスト15分ほどのヴィジョンの映像を上映)

2.松木靖明(株式会社EYEdentify代表取締役・VFXスーパーバイザー/映像演出)http://www.eyedentifyinc.com/wp/japanese/ceo_jp/

発表概要:コンピューターによる視覚効果の発展とその社会的地位は存在するが肉眼による検証が困難な事象に対する計算モデルあるいは実証モデルとして確立してきた側面が大きい。気象情報の可視化などに代表されるように、科学的な根拠を持つこれらの画像はメディアを通じて多くの視聴者に共有されている。現実の情報を視覚化したコンピューターグラフィクスイメージは、現代人にとって拡張された日常の一部として広く一般に受け入れられているのである。例えば仮説的に、これら気象情報の可視化は数千年来、東洋において「龍」と呼ばれてきた、不可視の存在の実態化であると考えることはできないだろうか?また映画の中におけるCG技術を駆使した超現実的なイメージを、ある意味での神話的な共感を覚えながら眺めてはいないだろうか?我々だれもが経験できる、「夢」「白日夢」などの内的視覚イメージの可視化においては各国の神話の持つ同義性や深層心理の分析において、現実には不可視ではあるが共通の視覚イメージを各個人が共有している可能性が指摘されている。この現象を踏まえて、コンピューターネットワークによる膨大な視覚イメージの共有が示す、未来とは何か?人類が種として共有できる壮大な「白日夢」としての超現実的なビジョンの存在の示唆と、それを表示するための装置としてのメディアについての考察を自身のチベットにおける臨死体験などと合わせて論じる。

映像:

1.『アニマムンディ』(1993年〜1994年/TBS系テレビ番組)制作:(株)TBSビジョン

2.PRANABoundless』(1996年/ミュージッククリップ)制作:Matsuri roduction

3.SLAVASlava』(1997年/ミュージッククリップ)制作:ビクターエンタテインメント(株)

4.Spawn the  Movie』1997年/映画)監督:マーク・ディッペ 、制作:New Line Productions、CG制作:Tood McFARLANE Productions

5.ISSEY MIYAKE MEN』(1998年/東京コレクション)クライアント:(株)イッセイミヤケ

6.JUNO REACTORHOTAKA』(2002年/ミュージッククリップ)制作:(株)テクノフラックス、クライアント:ユニバーサルミュージック(株)、

7.HINOKIO(2003年/映画:PirotVersion)
 監督:秋山貴彦 、制作:松竹(株)、ムービーアイエンタテイメント(株)他

8.ナカバヤシ『鶴と日本庭園』(2005年/テレビコマーシャル)制作:(株)東北新社、広告代理店:(株)新通、クライアント:ナカバヤシ(株)

※上記1〜8の映像の一部分を抜粋上映、解説

 

[コメント]
中牧弘允(国立民族学博物館教授)

東畑開人(京都大学大学院教育学研究科博士後期課程)

土佐尚子(京都大学学術情報メディアセンター教授)


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