海外勤務中に日本企業から退職金を受けた方、選択課税申告をすることにより税金還付の可能性があります。還付申請期限は退職金の支給を受けた年の翌年1月1日から5年間です。
[例1](平成15年度現在)
退職金の支払額 2,000万円
勤続期間 20年
うち居住者としての勤続期間 10年
源泉徴収税額 2,000万円×10年/20年=1,000万円
1,000万円×20%=200万円
選択課税を受けるとして計算した額
2,000万円―800万円(退職所得控除額)=1,200万円
1,200万円÷2=600万円
税額 87万円
源泉徴収税額200万円>87万円のため、選択課税を受けたほうが有利
200万円−87万円=113万円の還付を受けることができます
[例2](平成15年度現在)
退職金の支払額 2,000万円
勤続期間 20年
うち居住者としての勤続期間 2年
源泉徴収税額 2,000万円×2年/20年=200万円
200万円×20%=40万円
選択課税を受けるとして計算した額
2,000万円―800万円(退職所得控除額)=1,200万円
1,200万円÷2=600万円
税額 87万円
源泉徴収税額40万円<87万円のため、選択課税を受けないほうが有利
*非居住者が退職金を支給された場合で、総支給額のうち居住者であった期間に係る勤務期間等に対応する部分は、 国内源泉所得として日本で課税されます。
居住者が受ける退職金については、退職所得控除額を差し引いた残額の2分の1が退職所得となり分離課税(累進 税率)されますが、非居住者の場合はこの課税方法は適用されず、支払額のうちの国内源泉所得部分について一律 20%の源泉徴収がされます。
したがって、長年居住者として勤務していた者が、たまたま退職金の支払いを非居住者であった時に受けた場合と、 居住者として退職金を受けた場合とで多額の税負担の差が生じることもあります。
この問題を考慮して、「退職所得の選択課税」という特殊な課税方法が定められています。
退職所得の選択課税とは、退職金の支払いの基因となった「退職」によってその年中に支払いを受ける退職金の総額 を仮に居住者として支払いを受けたとして計算し、その税額が、源泉徴収された税額よりも少額の場合に、その差額の 還付を受けることができるというものです。
**ここでいう退職金の総額は国内源泉所得部分だけではありません。
**税額の計算に当たって、所得控除は基礎控除を含め一切適用しません。
日本にある住宅を賃貸している場合
日本国内に有する住宅を賃貸している場合は、日本で確定申告しなければなりません。年間賃貸料を収入に計上するとともに 住宅に係る減価償却費、ローン利子、修繕費用などは経費として計上できます。
日本で払っていた年金は受け取れる?
日本に居住していたときに、国民年金または厚生年金の保険料を払っていた場合、非居住者であっても一定要件を満たせば年金を受給することができます。
海外居住者に関する年金に詳しいサイトはこちら
また、個人情報の確認は、直接社会保険庁までお問い合わせください。
海外在住者が海外財産の贈与を受けても
日本の税金はかからないの?
Sさん(海外在住)からのご相談
Q.
現在私達家族が住んでいるアパートは、10年前に日本円で2千万円で購入したものです。
アパートの資金は、日本に住む父から出してもらい、アパートの名義は父になっています。
10年前のアパートの購入時に、父が税務署に問い合わせた際には、父が自分のお金で海外にアパートを購入しても税金はかからないということでした。
今後、相続が発生した場合、このアパートには相続税はかからないのでしょうか?
また、相続税がかかるとすれば、今後どのような対策をとれば良いか教えてください。
アパートの評価額は、現在6千万円近くまで値上がりしており心配です。
A.
まず最初に、日本の相続税および贈与税につきまして、平成12年に大きな改正がありましたので、それについて説明します。
改正前は、海外の財産をもらった人が非居住者であれば、相続税・贈与税の負担はありませんでした。
しかし、平成12年改正後は以下のように取り扱いが変更になりました。
相続等または贈与により財産を取得した時において日本国内に住所を有していない相続人等および受贈者であっても、次のいずれにもあてはまる者が相続または贈与により取得した海外財産については、相続税または贈与税の課税対象に加える。
(1) 日本国籍を有すること
(2) 被相続人または贈与者、相続人または受贈者が相続または贈与の前5年以内に日本国内に住所を有したことがある者がいること。
つまり、贈与を受けたSさんが日本国籍を有し、贈与したお父様が日本在住であれば、日本の相続税または贈与税の対象となります。
次に、現在考えられる対策とそれぞれの税額の概算を以下に説明します。
(1)Sさん名義に書き換えた場合(贈与)
{6,000万円―110万円(基礎控除)}×50%−225万円=2,720万円(贈与税)
(2)相続した場合
お父様の所有する全財産と法定相続人の数により税額は変わってきますので、明確な金額はお答えできません。
ちなみに、所有全財産から控除できる基礎控除額は
5,000万円+1,000万円×法定相続人数
です。よって、お父様の所有財産がそのアパート6,000万円のみ、法定相続人がSさんのみであれば、
6,000万円―(5,000万円+1,000万円×1)=0
で相続税額はありません。
(3)相続時精算課税を適用した場合
平成15年から導入された制度です。
{6,000万円―2,500万円(特別控除額)}×20%=700万円(贈与税)
※この贈与税は、相続時に精算されます。
(4)アパートを売却し、新しく取得する不動産に対して、お父様から資金援助を受ける場合(相続時精算課税適用)
{6,000万円―2,000万円(取得価額)}×20%=800万円(所得税)
資金援助を受ける金額が2,500万円までは無税。
それを超える部分については一律20%課税。
※この贈与税は、相続時に精算されます。
以上、どの方法が最善かは、Sさんのご事情、お父様の所有財産の状況、法定相続人の数、そのアパートの今後の値上がり状況によりますので、一概には言えません。良くご検討ください。
また、一つ注意点ですが、相続時精算課税を一度選択した場合は、以後、選択を撤回することは出来ません。
相続精算時に財産の価額に加算されるアパートの課税価格は贈与時の価額になりますので、アパートの価額が相続時に下落している場合は、不利益を被ることもありますので、ご承知おきください。
※税額、税率は平成16年11月28日時点でのものです。
問い合わせ方法と申告までの流れ
一回目のお問い合わせは無料です。
| T.お問い合わせ | 下記のフォームに質問事項を記入し送付してください。 または、当事務所宛にメールしてください。 ichimura@xd5.so-net.ne.jp |
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