[Cycle 11] AD3459-3460 | Nr. 0650-0699 | Das Konzil 公会議

650 - 七者の同盟 Der Bund der Sieben
The Alliance of the Seven
William Voltz, February 1974
3458年12月28日、全ソル太陽系は大宇宙の残りから遮断された。 通過不能な高次元のベールが全星系を覆い、内部の何人たりとも 外界とコミュニケーション出来なかった。宇宙船はもはや遠くの 星系へ旅することは出来ず、リニア航法は不可能となったが、 内部でのコミュニケーションは通常通りであった。 ペリー・ローダンはテレビの短いインタビューを 行い状況を要約し、科学者達は強大なパワーが今デモンストレーション をしていると思っていることを告白した。

アラスカ・シェーデレア、顔にカピン破片を持つ異人、はインペリウム アルファに現れた。ここに全ミュータントが呼び戻されたのだ。 彼は自室に異星人を発見して目を丸くした。彼はイクヤスラプ人 (Xysrapen)、カロベリアン(Calloberian)と自称した。

カロベリアンは彼と彼の種族の全員が、ソル系の誰もが出来ない にもかかわらず、星々を見ることが出来ると偽った。 彼はロ−リンのフレクソ器官に似てなくもない特殊器官のおかげで 次元の間を転換することが出来た。 科学者たちが彼がどうやってこれを成し遂げているかを解明しようと 試みている間に、1月5日星々は再び出現した。その直後、神秘的な 球形船が地球を巡る軌道に突然物質化した。始めはその船は着陸 しようとする素振りも見せずに地球を周回し続けた。

ようやくロ−ダンは未知宇宙船とコンタクトをとった。 それはラ−ル人(Laren)のホトレノル・ターク(Hotrenor-Taak)が操船していた。 彼はペリー・ローダンと人類を良く知っているようであった。 ラール人はソルから2100万光年かなたのNGC 3190銀河から やってきたのだ。彼は、七者の公会議(Council、ヘトスHetos)の代表で 公会議は7つの銀河から構成されている。公会議は、ペリー・ ローダンを第一ヘトラン(Hetran)として天の河銀河系も参加するように 要求した。 天の河のすべての種族がこの任命を了承するかは疑わしいとローダンが 反論した時、ホトレノル・タークは公会議が必要とあれば全力で 第一ヘトランを援助すると返答した。

テラナーたちに感銘を与えるために、ホトレノル・タークは 彼のエネルギーシールドをテストするように依頼した。すぐに判明した ことだが、テラの兵器は何一つとして彼の船のエネルギーシールド を震わすことは出来なかった。第1撃で差渡し500メートルの球形船は 5000メートルに膨れ上がり黄色く明るい色合いをとった。エネルギーシールド は純粋エネルギーからなるようであり、テラの科学者たちは エネルギーセル(EC)シールドという用語を命名した。 (Cedric注:Struktur-Variablen-Energiezellen Raumer ないしは SVE Raumer。この用語を正確に訳するのは大変だ。訳注:rlmdiなどでは SVE船として日本語訳されている。したがって、以後はECシールドでは なくSVE船という用語を使うことにする。)

ショックを受けて、ローダンはラール人にテラニアへの着陸を許可した。 彼はSVE船と公会議に属する他の種族についてもっと情報を得るまで 七者のヘトスに加入することを了承したように見せかけようとした。

ラール船は着陸し、ホトレノル・タークは始めてテラナーの前に 姿を現した。彼は公会議は今彼らの銀河で会合を開いていると 話し、他の6つのメンバーに紹介するため、ローダンに同行して そこに行くように誘った。銀河規模の事件を放映している テラニアテレビの目前でローダンは即答を強いられた。 彼は申し出を断り、公会議の誰も彼の意見を求めようとは考えない だろうと言った。

ホトレノル・タークは大いに驚き、状況を考え直そうとした。 その間に天の河の様々の種族からの反応がテラニアに届き始め、 それらはだいたいにおいてローダンの第一ヘトランへの任命に 好意的であった。ローダンはまだ彼自身はその気になれなかった。 かれはようやくホトレノル・タークの故郷銀河に行くことに 同意したが、同伴者付きであった。

彼はホトレノル・タークに、ラール船の中で自分のコルヴェットに 乗船して旅をしたいと伝えた。彼は同行する人々のリストも渡した。 その中にはイホ・トロト、アラスカ・シェーデレア、グッキー、そして カロベリアンが含まれていた。ホトレノル・タークは読み上げた 名前に驚かなかったが、カロベリアンだけは例外であった。タークは 彼を知らないことをみとめた。ローダンはイクヤスラプ人 が、ラール人の最近ソル星系にはった防護フィールドにもかかわらず 星々を見ることが出来たと説明した。ホトレノル・タークは ローダンの条件を呑んだ。

コルヴェットMC8はラール船に格納され、その後ラール船は離陸した。 その直後、ホトレノル・タークは客に会いに来て船を訪問するように 招待した。彼は、会合がはじめの計画通りNGC-3190銀河ではなく、 銀河間の虚空の惑星ヘトッサ(Hetossa)、恒星ハルトゾン(Hartzon) を巡る7惑星系の第2惑星、で開催されることになったとも伝えた。 この予期せぬ変更はテラナーたちをラール人の意図について いっそう疑い深くさせた。

ヘトッサへの着陸直前、マスケノル・アート(Muskenor-Aart)という 名前のラール人が船上の彼らに加わってこの惑星について情報を 伝えた。首都の名前はミヴトラヴと言った。ホトレノル・タークは、 目下のところローダンがラール人とだけ交渉し、公会議の他の メンバーと会見することはないであろうと伝えた。さらに、この会見により ローダンはラール人が最近の「それ」と「反それ」との交渉を知って いるのではないかと思った。このことをたずねられて、 ホトレノル・タークはこれらの事実を知っていると認めたが それ以上は話そうとはしなかった。

ホトレノル・タークはその後、天の河が公会議に参加するためには 全太陽系艦隊のみならず他の種族のあらゆる武装兵力をローダンが 武装解除しなければならないだろうとそれとなく言った。 ローダンはこの命令に衝撃を受けたが、平静を 保った。というのはホトレノル・タークはローダンがポジティヴな 返答をすると確信しているようであったからだ。

テラナー達は宿舎に案内された。もしラール人の申し出を断れば 彼らの安全が危ないと恐れ、ローダンはラール人のすべての命令を 受け入れるふりをしようとした。彼は テレポーター達を偵察に派遣し、会議が始まる前にこの都市について もっと知ろうとした。

幾度かのテレポーテーションの後、グッキーとツバイは対立する 2つのラール人部隊の激しい戦いを発見した。首都から来た 軍隊が、命懸けで戦っている一群のラール人を包囲していた。 グッキーは都市に戻ってローダンを戦場に連れてきた。 彼らは兵士の一人を誘拐し尋問した。そのラール人は死ぬ前に レジスタンス運動の一員であると話した。彼らはテラナーの 到着を利用して公会議に対しデモンストレーションしようと したのだ。彼は公会議が人々を奴隷化する無慈悲な けだものであると言った。彼は今まさに捕らえられようとしている 指導者ロクチン・パー(Roctin-Par)を助けるようにローダンに 頼んだ。もしそうなれば公会議の権威に論争するものは 誰もいなくなるだろう。

テレポーター達はようやく反徒の基地を突き止め、ラール人が 接収する前にロクチン・パーを助けることが出来た。 不幸にも戦闘の間にカロベリアンが死んだ。ロクチン・パーは テラナーの宿舎に連れてこられ、ローダンに彼らがラール人の 独裁的な支配に反対していると説明した。反徒の 本当の動機についてたずねられて、ロクチン・パーは回答を 拒否した。

地球では他のイクヤスラプ人はカロベリアンが死んだことを 察した。というのは、彼らはもはや「彼女」との精神的接触が 無くなっていたのだ。(カロベリアンは実際女性であることが わかった。)けれども彼女も単に偽っていたのかどうか 彼らにも言うことは出来なかった。

その間にもヘトッサではローダンは公会議との会見の準備を していた。


651 - ヘトッサの反逆者たち Die Rebellen von Hetossa
The Rebels of Hetossa
Ernst Vlcek
3日後、ホトレノル・タークはテラナーたちに会いに来て、七者のヘトス についての教程を受けるべき部屋に案内した。ホトレノル・タークは 天の河に永続的な平和を打ち立てることが彼の目的であると 再度断言した。たとえこれによってアルコン人、アコン人、 ブルー人、その他の銀河種族との対決を意味しても。彼らは独裁権 に従うことにきっと抵抗するobjectだろうからだ。その後、ローダンは ラール人は彼から見返りに何を期待するのかをたずねた。

ホトレノル・タークは全太陽系艦隊の指揮権をラール人に与えなければ ならないと説明した。かれらはそれを使ってまず天の河を平和にする だろう。その後、事態が落ち着いたら艦隊は7銀河の軍隊と協力する だろう。ローダンは、それが民主主義をあきらめることだと言い、 ホトレノル・タークを激怒させた。彼にとっては この概念は意味がないものであった。ラール人がはるかに 優れた技術を使って天の河を征服し、彼、ホトレノル・タークを 第一ヘトランに任命することが出来るのに、ローダンは自分を 第一ヘトランにしようとするラール人の意図を図りかねていた。 ホトレノル・タークは彼らのメンタリティに反するからだと 言った。

もし、自分以外の誰かが第一ヘトランに任命されたら天の河には大規模な 混沌が起こり、ラール人が技術的優位性にも関わらずこの事態を扱うのに 多大の困難に直面するのではないかと疑っているとローダンは言った。 ホトレノル・タークはしぶしぶ同意し、議論を終わりにして、テラナーの 正面のモニターに注意を促した。そこには七者のヘトスの大規模な 版図が示されていた。 ローダンがこの作戦命令には軍事行動が含まれているのかたずねたとき、 ホトレノル・タークは答えなかった。

その後、スクリーンではラール人がどのようにエネルギーを取り扱い 固体物質に変換することができるかを示していたが、その技術の肝心な 働きについては何も明かさず、テラナーの科学者たちを欲求不満に したままであった。そして、ホトレノル・タークは、公会議の 他のメンバーがヘトッサに到着したとき、彼らに報告しなければならず、 その時までにローダンが回答することを希望すると締めくくった。 宿舎に戻される直前、グッキーはラール人の心を読んで、ホトレノル・ タークが彼らのコルヴェットを破壊し、彼らをヘトッサで立ち往生させようと 意図していることを知った。そしてローダンは行動することを決意した。

テレポーターがコルベットに派遣されて出来るだけ多くの資材を運びだし、 ツバイとグッキーは山岳地帯にテレポートしてテラナーのための非難所を 作り始めた。その間に、MC-8はホトレノル・タークの船から出されて衛星軌道に おかれた。その直後、それは爆発した。不幸にもイホ・トロトは洞窟の外で SVEグライダーに発見された。ロード・ツヴィーブスとトロナル・カソムは グライダーに発砲して破壊した。これによりテラナーの兵器がラール人技術に 対しても有効でありうることが示された。

MC-8の爆発を問いただされて、ホトレノル・タークはこれの移動中に 災難が起こったと説明した。コルベットの損失の埋め合わせに彼は SVEグライダーを提供し、その後ローダンに重要要件ですぐ会いに行くと 伝えた。フェルマー・ロイドはローダンに、ラール人の関心はミュータント であって、山でのグライダーの破壊では無いと教えた。ローダンは ホトレノル・タークがミュータントの能力について知っていると 聞かされて仰天し、ラール人がもっと攻撃的な態度に切り替えることを 恐れて彼らをヘトッサのさまざまな場所にテレポートさせた。

チームを分散させた後、ローダンと遠征隊の残りのメンバーはようやく ロクティン・パーとコンタクトをとった。彼らはミヴトラヴ(Mivtrav) の地下で出会った。そこでロクティン・パーはヘトス公会議の悪意を主張し、 ローダンに彼の回答が何であるかをたずねた。ローダンは七者の公会議に 潜入するため、ホトレノル・タークの命令をのむ振りをするという意図を 明らかにした。二人の男はついに同盟者となった。

ローダンは抵抗運動を組織するためには彼が天の河銀河に帰還しなければ ならないが、その場合にはホトレノル・タークが他のヘトランを指名する ので選択出来ないと言った。その代わりに、ロクティン・パーは自分と 部下がローダンを誘拐し自分たちが実際は同盟者であることをラール人に 疑わせない様にしようと提案した。

真夜中に反徒たちはテラナーの滞在する建物を攻撃した。ローダンと 彼のチームは混乱に乗じて逃走した。戦いの最中、イホ・トロトは負傷した 反徒を助け、これによりラール人は計略を見抜いた。彼らは今や反徒が テラナーを解放しようとしている事を知った。グッキーは彼らの心を 読んで、彼らの任務はテラナーを生け捕りにすることだと知った。イルミナ・ コストウワは戦いの最中に捕まった。

ローダンとアトランがロクティン・パーのグライダーに合流したとき、突然 アトランはここに残ることを決意した。計略が失敗したのだから、 ホトレノル・タークはテラナーが彼を裏切ったことを知るだろう。これを 防ぐ唯一の方法は彼らが反徒から逃げ出してラール人のもとに戻ったと 見せ掛けることだ。ロクティン・パーは大いに狼狽したが彼ら二人は その場を離れた。

その後ホトレノル・タークは戦場にやってきて、ローダンとアトランに なぜ戦闘服を着ているのか質問した。この質問を予想していた ローダンはミュータントたちがきたるべき攻撃について警告してくれた と説明した。始めは気乗りがしない様だったがラール人は漸く二人の テラナーの説明に納得した。彼はローダンに仲間を助けるために危険を 冒さない様に頼み、ラール人が反徒からの救出に全力を尽くすことを 約束した。

転送機でブンカー(bunker)に戻って、ホトレノル・タークは戦闘下の 部隊を指揮した。突然、アトランとローダンを残してきた建物が 攻撃を受け、彼が反応する前に全部隊は重砲火に倒れた。数秒後、 彼自身のブンカーが爆発に揺さぶられ、防御バリアが突然崩壊した。

外部では反徒の宇宙船が着陸し、ラール人に壊滅的打撃を与えた。ホトレノル・ タークは気付かないうちにヘトッサの全艦隊に救助に来るように命令した。 その時、敵船は彼にコンタクトを取りローダンとテラナー達が乗船していると 断言した。ラール人が船を自由にさせない限り、彼らは処分されるだろう。 ホトレノル・タークは従うほかなかったが、自分の船に進入者を宇宙空間まで 追跡するように命じた。ローダンと彼の仲間達が乗船していないことを、 彼は知る由もなかった。

数分前、ローダンとアトランはホトレノル・タークの残した4名の見張りと いっしょだった。ラール人が離れるや否やテラナーは武器を見張りに向け、 彼らを武装解除した。そして、ローダンはラール人がたった今利用した 転送機の間に爆弾を投げ、ついで防御バリアを制御する主要パネルに 別の爆弾を投げた。そして彼らは逃走し、グッキーにつまずいた。 彼はテラナー全員が今やミヴトラヴの別の場所でロクティン・パーと共に 安全であり、彼らをそこに連れて行かなければならないことを知らせた。 グッキーは彼らが乗船して出発したことになっている宇宙船について 話した。安堵したローダンとアトランは彼と共にテレポートし、最後の爆弾を 後に残した。コマンドはロクティン・パーと数人の他の反徒と共に 1台の転送機の傍らで待機していた。宇宙船が離陸したと言う 報告を送るや否や、ロクティン・パーは転送機のスイッチを 入れた。というのは、今、そのエネルギー放射は宇宙船の出発で カバーされているからだ。彼はローダンにペインテポ−ル(Peyntepor)、 ハルトゾン星系の第1惑星に向かい、そこでラール人があらゆる種族を 奴隷化するためにラール人が用いている手段についての全てを 知ることになるだろうと告げた。

ペインテポ−ルはメタンアンモニアの世界で、原住民は身長3メートルの サイクロプスであった。ロクティン・パーは彼らの物語をローダンに 説明した。彼らは7者のヘトスのコンタクトを受け、自由と権力の約束に 騙され(seduced)、ヘトスへの参加を決めた。けれどもラール人はたちまちに 彼らの政府を、次いで艦隊を乗っ取った。あらゆる抵抗は速やかに 鎮圧され、ペインテポ−ル人の兵士が遠くの惑星に派遣された。

ロクティン・パーは数日のうちにテラナーたちを天の河に送り返すつもりだが、 目下のところ重大用件をかたずけなければならないと話した。彼の工作員の 一人が最近ラール人に見破られた。彼は今ペインテポ−ルに隠れているが、 ラール人は彼の居所を突き止めた。彼らは全植民地を探査しているところで、 直に彼を発見するだろう。そしてこのことは原住民と抵抗運動のどちらにも 重大な影響を及ぼすだろう。ローダンは援助を申し出て、ミュータントたちと ある小さな植民地を目指した。

グッキーの御蔭で、テラナーはウオーラン・ポール(Wohlan-Pol)をラール人の 目前から救い出した。しかし、ラール人はサイクロクスの植民地に報復攻撃 を加え、彼らを多数殺したが、誰も反徒を裏切らせることは出来なかった。 ローダンは初めて作戦中のラール人を見て、彼らと戦う決意を新たにした。

1週間後、ロクティン・パーは帰郷の時期が来たと判断した。17隻の小型対探知 エネルギー宇宙船が用意された。各船の乗員は2名であった。テラナーは 1人ずつ反徒の操縦士と共に乗船した。300光年先で彼らはSVE巡洋艦とドッキング し、1200万光年かなたの地球に向かった。何日か後、彼らは地球に到着し、 友人との再会に驚いたブルはローダンに不在中の事態がそれほど平穏では 無かったと告げた。


652 - 星のはざまでの決闘 Duel zwischen den Sternen
Duel between the Stars
H. G. Francis
エネルギ−についての先端研究の専門会社TEMSYV(訳注:Terranische-Mindanao -System-Verbundlinie)は,マルトラ女史(Mrs Martola)が 率いていた.彼女の甥のパイロン・ボンヘロ(Pilon Bonhero)は休暇から戻り, 会社の経営陣の奇妙な点に気が付きはじめた. 彼らは奇妙に振る舞い,彼のいない所で興味ある取り引きを打切り 決定を下していた.彼は私設調査官のラビン・ホ−ニッシュ(Raven Hornisch) を雇い伯母の奇妙な振る舞いを調べさせた.

ブリ−と彼の幕僚はヘトスがいたるところに気づかれずにスパイを おいているに違い無いという結論に達した.彼らは狩りを行うことにした. 超ミュ−タントのリバルト・コレッロに率いられた特別グル−プが 結成された.彼らの最初の作戦はマニラ市にで行われた. ここではテロリスト達はテラの大会社の一つから非常に重要な産業情報を 盗んでいたのだ.作戦の途中で発見され,テロリスト達は 5人の人質を捕まえ,ある建物に閉じ込めていた. ブリ−はテロリスト達がヘトスに関係があるのではと考えた.

リバルド・コレッロ,タクヴァリオン,そしてメルコシュは 速やかにテロリスト達を打ち負かし,人質を開放することが出来た. すぐに判った事であるが,彼らはヘトスとは何の関係もなく,ヘトスの 検査官はもっと秘密裡に行動しているに違いない.

マルトラの会社では,主任会計士が罷免され何者かが後を継いだ. これまでになく,ボンヘロは何者かが会社を乗っ取ろうとしていることを 確信した.彼は主任科学者のプリンツ(Prinz)から電話を受けた.彼は何者かが 実験室に侵入したと思っていると言った.ボンヘロは直ちに彼と一緒に 建物に入り,その瞬間に目に見えない攻撃者に撃たれ辛うじて身をかわした.

数日後,彼は伯母のボンヘロ女史と会見に出かけて,事態を正常化しようと した.ラビン・ホ−ニッシュは始め彼の行為を止めさせようとしたが, 彼を説き伏せることができず,最後には彼に同行した.彼らがボンヘロの 事務室に入った瞬間,この探偵は老女を撃った.その女性はまだ生きていて 病院に運ばれた.

この時になって我々は彼女が、ラ−ル人のエ−ジェントであることを知る 彼女は本物のボンヘロ女史と似ていたため選ばれ,3年前から彼女に 取って代わっていたのだ.今や病院にいるため,彼女は徹底的な 脳波試験で正体がばれることを恐れた.彼女は逃走を企て, 邪魔をした医者と二人の警備員を殺した.

TEMSYVの状況はブリ−に届き,彼は調査のためにチ−ムを派遣した. 調査の後に,ボンヘロはかの老女が近くの港にヨットを所有している 事を発見した.彼はそこに出かけ,ヨットに近づいた時に 重兵器で殺されそうになった.殆ど死ぬかと思った時にミュ−タント 達のグライダ−が介入し彼を助け,モルトラ・ボンヘロを捕まえた.

インペリウム・アルファに調査のために連行され,その女性はタクヴァリオン によって催眠下におかれ,自らの話を語りはじめた.彼女の名前は ヴェイラ・ウオング(Veila Wong).彼女は3年前にマルトラ・ボンヘロの地位を 乗っ取り,老女を殺したのだ.それ依頼,彼女も知らない多くのエ−ジェントに 情報を伝えていたのだ.彼女は他のヘトスの検査官は一人しか知らない. ラビン・ホ−ニッシュ,彼女を殺そうとした男だ.おそらく彼女が 全組織にとっての脅威となりつつあったからだ.

そして,ブリ−はラモン・プリンツと会見した.彼はインペリウム・ アルファでの調査を完成させていた.若い科学者は自分の発見を ブリ−に示した.彼はSVEシ−ルドがあってもラ−ル船を探知する 方法を発見したのだ.そのため彼らはもはや秘密裡に地球に 着陸することは出来ないだろう.

1週間後,1隻のラ−ル船が砂漠地帯に着陸した時に探知された. ミュ−タントチ−ムがそこに派遣され,ラ−ル人を観測して彼らの 意図を見いだした.船のスパイを始めた直後,ラ−ル人は彼らを 発見し捕獲コマンドを派遣した.彼らが包囲され,正にやられそうに なったとき,突然ラ−ル人は船に戻って離陸した.その後,バルトンは インペリウム・アルファにラ−ル船の奇妙な振る舞いについて 報告した.彼はペリ−・ロ−ダンが天の河銀河に戻った事を知ったが, 彼らの船が砲撃されたので,連絡は途絶えた.ラ−ル船の急な 出発の理由は全く簡単であった・・・.

ロ−ダンの帰還をしるやいなや,ブリ−はガルブレイス・デイトンを伴い 出発し,まだSVE船に乗っている友人に会いに行った.しかし,彼は 恐ろしい失敗をした事を知った.彼はペリ−に地球上にラ−ル船が 居ることを知らせるべきであった.けれども,その情報は遅過ぎ, 今やロ−ダンが太陽系に戻ったことをSVE船にすっかり知られて しまった.

ロ−ダンはブリ−とコンタクトを取り,ロクティン・パ−が 今や彼の囚人である事をスクリ−ンで示し,船の支配権を握っている 事を話した.彼がラ−ル人の惑星での滞在について報告している 時に,ロクティン・パ−は彼の党員の助けでいましめを破り,ロ−ダンと 乗員の武装解除をした.全ての様子はブリ−によって 見届けられ、彼は仰天した.しかし,アトランはだまされなかった.彼は全てが 精緻な芝居であると疑ったのだ.その間, ラ−ル人のSVE船はロ−ダンの船に接近した.アトランとブリ−は 2隻のラ−ル船の間の戦いが始まるのを為すすべもなく眺めていた.
(訳注:ローダンと同行していたアトランはこの「反乱」の混乱に乗じて 救命艇で強行脱出している.そのため、後にアトランが抵抗組織と結託したとの ラール人の疑いを強くすることになる.)

反徒の船はもう1隻より強力であることがわかり.ロクティン・パ−は 速やかに敵を破壊した.そして,彼らはソル系を離れ,2100万光年 離れたNGC 3190に向かった.


653 - テラナーと反逆者 Der Terraner und der Rebell
The Terran and the Rebel
Hans Kneifel

シ−テ・ト−ル(Siete-Torr)は惑星ホプトレク−ハイチ(Hoptrec-Haich) に住むらラ−ル人反徒で,命懸けで走っていた.彼は全組織の命運を 左右しうるレジスタンスの動きについての情報を暴いた二人のラ−ル人 士官の会話を盗み聞きしたところであった.

自身が誘拐された事になっているSVE船ではロ−ダンはロクティン・パ−に自分の 計画の概要を伝えた.彼はアトランが彼の代わりにラ−ル人によって 天の河の第一ヘトランに任命される事を期待していた.その間に彼らは NGC-3190での反撃の準備をする予定であった.彼らの目的はエルセレ−アン−テク (Ercre-An-Thek),7個の惑星からなる星系であった.第三惑星, ホプトレク−ハイチはラ−ル人の支配下にあるものの そこではレジスタンスが非常に強力であった.

彼らが惑星に接近したまさにその時,ロクティン・パ−は工作員の一人からの 通信を受けた.彼はロクティン・パ−を捕まえるためラ−ル人が惑星規模の わなを用意していると伝えた.初めはこの知らせに驚愕したものの, 最後にはロクティン・パ−はロ−ダンによりこの情報を自らの利益のために 使うように説得された.彼らはこのわなについての全てを無視している かのように偽り,ロ−ダンは反徒から逃げ出すつもりであった.

艦載転送機を使い,ロ−ダン,トロト及びロクティン・パ−は主要都市, エルヴィト−ツルハン(Ervto-Thur'Han)の下,惑星表面下数千メ−トルに テレポ−トした.カソム,ロ−ド・ツヴィ−ブス,そしてアラスカ・シェ−デレア からなる第二グル−プは古い鉱山に出現した.ロクティン・パ−によって 与えられた指示によって彼らは迷路を抜ける道を発見し,最後にエレベ−タ− を発見した.彼らが乗り込もうとしたまさにその時,警報が鳴り響き 多数の爆発によってトンネルは崩壊し彼らの道は塞がれた.一群の兵士たちが 出現し,彼らを包囲した.

ロッタン・カタス(Rottan-Ctass),ホプトレク−ハイチの ラ−ル人要塞の司令官,は反徒の船が着陸するのを待っていた.ラ−ル人は 艦載転送機からのインパルスを,船の乗員の隠蔽工作にもかかわらず探知していた のだ.しかし,もう一つの転送機は惑星表面下にあるのではと疑っていたものの, 何処にあるかは知らなかった.

鉱山ではロ−ダンとトロトは地上への道を見つけようとしていた.彼らは ようやくグッキ−と出会った.彼は回りを調べていたのだ.カソムと ツヴィ−ブスに率いられたグル−プは今,安全な場所におり,二人を 待っていた.ロ−ダンはついに反徒が隠れがとして使っており,近くの ラ−ル人要塞の電力を供給している核電力工場の主制御室に辿り着いた. 彼は工場のスイッチを切り制御盤を破壊した.そして彼らは登攀を 再開し,ようやく地表に辿り着いた.

そして,再び合流した小グル−プはラ−ル人要塞を目指した.ロ−ダンは 彼らに呼びかけ,自分たちが反徒から逃げ出したばかりで援助を求めている かのように見せかけた.彼らの背後には反徒が接近し,ロ−ダンと ロクティン・パ−のたてた計画を知らないため,テラナ−たちに 砲火を開いた.グライダ−がまさに彼らを捕まえようとした瞬間に ロッタン・カタスはようやく応答した.テラナ−たちは安全に要塞内に 導かれたが,その直後,反徒が攻撃し,ロ−ダンとトロトの地下での 工作のお陰で要塞内に侵入することに成功した.

ロ−ダンは戦闘から逃げだし,遠巻きに観察した.反徒は初め攻勢であった がすぐにホトレノル・タ−クの指揮するラ−ル人の援軍が加わり 彼らを打ち負かした.ロ−ダンはホトレノル・タ−クに報告し,彼は 真の天の河の第一ヘトランとして行動したとして称賛した. ホトレノル・タ−クは今や天の河に戻り,第一ヘトランとしての 任命式をそれにふさわしく執り行なうと宣言した.しかし,ロ−ダンは 公会議がすでに10万隻のSVE船を派遣して故郷銀河に地歩をかため 出したことを知った.

スキルミッシュ(Skirmishes)はヘトスとアルコン人,アコン人,そして スプリンガ−の艦隊の間に位置していた.ラ−ル人の優れた技術のため 戦闘の結果は殆ど希望を残すものではなかった.何よりも悪いことに, 攻撃を指揮しているのはロ−ダンその人であるという噂が天の河に 広まった.

地球ではアトランとブルは疎開のための組織作りに忙殺されていた. 宇宙船と人々が選ばれ,計画通りにヘトスヘトスの査察官に気づかれる ことなく多くの惑星に分散させられた.彼らは今やスパイ活動をやめ 白日の下に現れていた.

3459年3月3日,公式にロ−ダンは天の河の第一ヘトランとなった.


654 - 月面脳の異論 Das Mondgehirn denkt anders
The Moon Brain Thinks Differently
H. E. Ewers
ブル−帝国への外交使命の途中、テラの外交官タッチャ−は自身が 一万隻のブル−船と数百隻のラ−ル船の間の猛烈な戦闘の真っただ中に 居るのに気が付いた。彼はラ−ル人がブル−艦隊を殲滅するのを見たて 狼狽した。ラ−ル人は天の河の住民にたいし技術的に進歩している のは明白なので、タッチャ−はこの戦いが、ラ−ル帝国に対する抵抗が無駄である ことを銀河系の人々に示すデモンストレ−ションに過ぎないことを 確信した。

タッチャ−はブル−帝国とコンタクトをとり、密かに、ペリ−・ロ−ダンが 第一ヘトランに選ばれた真の背景について伝えた。最初は疑い深く敵対的 であったものの、最後にはブル−人たちはロ−ダンが演じている役割を理解し、 テラナ−との共闘に同意した。

地球ではロ−ダン、ブリ−、テイフラ−、そしてホトレノル・タ−クが 話し合っていた。ラ−ル人は彼らに、銀河系の全ての人々に艦隊の武装解除を 納得させ、テラナ−は月の造船所の支配権をラ−ル人に引き渡さねば ならないと伝えた。ロ−ダンはしぶしぶ同意した。

反乱軍の船を脱出してから、アトランはロクティン・パ−の側にくみしている のではないかと、ホトレノル・タ−クにますます疑われていた。彼は 密かに二人のエ−ジェント、タッチャ−と彼のパートナーのロルヴィクと共に 月に向かった。ロルヴィクは半サイノスでヴィジョンを物質化する 能力(訳注:段階的シュプ−ラ−の事か?)を持っていた。そこで アトランはロ−ダンと出会い、最新のラ−ル人の動きを告げられた。 ロ−ダンはネ−サンをラ−ル人の手に渡すことは出来ないので、その 知識を安全な場所に移す決心をしたと話した。アトランは激しく反対し その様なリスクを冒すことは自殺的だとロ−ダンに詰め寄った。ネ−サン は直ちに破壊されねばならない。二人の不死者は意見の一致を見ることなく アトランは怒りを押さえる事無く部屋を出た。

再び一人になって彼はUSOのエ−ジェントたちに、ロ−ダンの反対にも かかわらず月のコンピュ−タ−を破壊するつもりだと話した。彼は ラス・ツバイとグッキ−に彼を援助するように説得することができた。 少人数のチ−ムがネ−サンの禁断エリアに侵入したが、コンピュ−タ− はついに反応し、自らをアンティテンポラルフィ−ルドで覆って 5分間の未来に送って自衛した.

その間にロ−ダンは異なる現実を見せる混乱した夢を見ていた。そこでは 彼はアトランと会見し、ラ−ル人なぞ存在しないことがわかった。 彼の夢は、ネ−サンが攻撃下にあると自覚した時に発した警報によって 破られ、彼は目を覚ました。

ロルヴィクの能力とタッチャ−の外交官としての腕前のお陰で、 防御フィ−ルドは停止し、ネ−サンは現在に戻った。そして アトランはそれを最終的に停止させた。ホトレノル・タ−クはロ−ダンの顔を 見ると狂ったようになり、アトランを追跡して、かなうものなら ラ−ル人の前に引きずり出して、尋問とおそらくは処刑が可能に なるように手配を命じた。

最終撤退の時に、ロルヴィクは、ネ−サンが 本当には死んでおらず、人間達に危害を及ぼす事無く生き続ける ための手段をとったと信じているとタッチャ−に話した。半サイノスは ネ−サンが今や別の存在平面に行ってしまったのではと疑っていた。これが おそらくロ−ダンの見た迫真の夢の原因であろう。


655 - 最後の奇術師 Der letzte Magier
The Last Magician
H. E. Ewers
ホトレノル・タ−クは,全テラ兵力を用いてアトランを追跡し, 天の河の住民へのみせしめのためにも尋問し裁判にかけねばならないと ロ−ダンに伝えた。ロ−ダンが応じるより早く,ラ−ル人たちはアトランを ヴェガ星系の近くで捕まえ、速やかに彼の尋問が計画された。

ローダンは宇宙心理学者のカインデル(Kayndell)と奇術師で一見不可能な 脱出トリックの専門家のゴロンコン(Goronkon)を伴った実現困難な 計画を携えて現れた。この計画の第一段階はアトランの細胞活性装置を 盗んで偽者と取り替えることにある。ローダンと奇術師の企みは 成功し、何も知らないアトランに対する死のカウントダウンが 始まった。彼はあとわずか62時間しか生きられない。

尋問が始まり、当然の事ながらアトランは有罪であらゆる スパイ行為の責任を問われ、死罪を判決された。この時ローダンが発言し、 周りが耳を疑った事に、自ら判決の執行を行いたいとホトレノル・ タークに願い出た。ラール人は同意し、ローダンの願い通り 自分の銃を大執政官に手渡した。ローダンは独房に入り、アトラン の胸にねらいをつけ、偽物の細胞活性装置を破壊した。アトランは この間に重傷を負ったがまだ生きていた。そしてローダンは 彼の判決がアルコン人がゆっくりと死に向かう事であると説明した。 ローダンは銀河系で最も憎まれた男になった。

数時間後、彼はホトレノル・タークとの会見に向い、テラナー達が驚きを 共有していると話した。アトランは少なくとも公に埋葬されねばならない。 彼はアルコン人を自分の選んだ儀式で埋葬する事をラール人に 納得させた。巧みに設置された鏡がアトランの体を偽物と一瞬で すり替え、彼は自らの活性装置の待つ安全な場所に送られる ことになっていた。

疑いながらもホトレノル・タークは同意し、テラナー達によって 引き起こされた牽制行為を利用して、ゴロンコンはうまくアトランの体を 偽物と置き換えた。死の縁にあったアトランは、ペリー・ローダンが 彼を見捨てたわけではなく、自分を助けるためにどれだけのリスクを 冒したかを理解した。


656 - 秘密をいだく男 Der Geheimnisträger
The Secret Messenger
Clark Darlton

会議中のローダンの部屋に、彼の婚約者のオラナ・セストーレが乱入し 長年の親友であったアトランを殺した事を面と向かってなじった。 ローダンは自己弁護しようとしたが、彼女はまったく納得しなかった。 彼女はもう二度と彼の言う事を聞きたくないと言い残して部屋を 出た。アトランとグッキーはこの別れでローダンがひどく傷ついている ことを感じ取り、ローダンの命令に反してでもオラナに真の状況を 知らせねばならないと決心した。

インペリウムアルファでは、アルパー・ゴロンコン、アトランの 逃走を可能にした奇術師、が秘密警察の監視下に置かれていた。 しかし、彼はテロリスト組織ZGU(訳注:ここはセドリック氏の 勘違い。早川版の読者ならご存知のように、ZGUは 中央銀河ユニオンの略。)の元工作員であることが 判明した。ミュータントによる細心の監視にもかかわらず 彼は護衛を殺して逃走した。ついには彼はホトレノル・ターク と会見したが、ローダンが驚いた事に、彼は自分の持つ 情報を明かさなかった。

アトランとグッキーはオラナを誘拐し、海底の秘密基地パラブルグ( Para-Burg)に連れ込んだ。パラブルグは海底5000メートルに位置する かつてのレムール遺跡である。そこで彼らはラール人に対する ローダンのはったりを彼女に教え、もし彼女が尋問されても、 この件について知っている事すべてを忘れるように超心理ブロック を施した。インペリウムアルファに戻った時、彼女は ローダンに彼の行為の理由を知った事を伝えた。彼らは 結婚をすることに決めた。

ローダンは今やゴロンコンか彼に対し何事かをゆすりにかけようと していると確信し、この奇術師に心理的圧力を加えようと決意し、 ミュータントを彼のもとに派遣した。策略は成功し、 ラール人のテリトリーでも不安を感じた ゴロンコンは立ちふさがるラール人護衛を殺して逃走した。

インペリウムアルファではオラナの姿が消えていた。すぐにホトレノル・ タークが彼女は自分の宇宙船に乗っていて故郷銀河NGC-3190への 途上にあるとローダンに知らせた。スクリーン上でオラナは 彼女への扱いが丁寧である事と、ホトレノル・タークが第1ヘトラン の将来の妻としての彼女の義務についてふさわしい情報を受けられるように 同行を求めた事を説明した。ローダンにはなすすべが無く、 SVE船は遥かな銀河目指して飛び立った。

その間にもゴロンコンの追跡は続いていた。彼は始め月を目指していたが すぐにミュータントに発見された。彼は宇宙船を盗んで孤立した 小惑星のZGUの秘密基地に船首を向けた。アトランとグッキーは 彼の背後に迫ったが、船が基地に入るのを止める事が出来なかった。 内部では、ゴロンコンはかつて組織を脱走したというので 敵意を持って迎えられた。 彼はZGU本部に彼の知る秘密を伝えようとしたが、基地司令に この秘密を明かす事は拒否した。ZGU本部との通信回線が 開き、ゴロンコンは話し始めたが、グッキーが介入し 致命的な発言が行われる前に奇術師を殺すことができた。

数日後、オラナが地球に戻り、彼女への扱いが丁寧であった事と ラール人文化に大いに目をみはった事を伝えた。しかし、 彼女はそこにいる間ある種の病気になった事も述べた。 ホトレノル・タークはこれは遥かな銀河から発する ある無害な放射線によるものだという見解を示した。

今一度ローダンの秘密は守られたが、地球の至る所に 地歩を築いているラール人に対する心理的な戦いは これまでになく緊張したものとなった。


657 - Der Arkturus-Zwischenfall
The Arcturus Incident
Kurt Mahr

ローダンは<マルコ・ポーロ>で、レジスタンスの ために働く全ての科学者チームが集結した小型宇宙船<ドーロ> にまさにランデブーしようとした時、まだ誰も見た事の無い事件を 目撃した。1隻のラール船が周回しながらエネルギータンクを 補充していた。これは、長い触手状のエネルギーレイを通して 未知エネルギーフォースを汲み出す事によってなされていた。 <マルコ・ポーロ>はまだ気づかれていないので、ラール船を 攻撃しようとした。彼らが驚いた事に、異船はテラナーの 砲撃で爆発した。

後にローダンはホトレノル・タークに対面した。彼は自分の船の1隻が 破壊されたと聞いて怒り狂った。もしこのような事がまた起これば 天の河全体は情け容赦なく抑圧されるだろうと彼はローダンを脅した。 ローダンは支持せず、その様な事が起こればラール人が 致命的な抵抗に直面するだろうとほのめかした。 ホトレノル・タークはしぶしぶ落ち着きを取り戻した。

海底基地でローダンはアトランと、そして驚いた事に ロクティン・パーとに出会っていた。パーは密かに地球に 援助に来ていた。反徒はテラナーからの援助無しにラール人と 戦う事が出来ない事を理解していた。彼はローダンに天の河に およそ1ダースの秘密基地を持っている事を知らせ、 執政官が同行してこれらの基地を訪問する様に招待した。 基地は暗黒星雲に隠されていて、通常のラール人の探知装置 から逃れていた。最も近いものはアークトウルス( Arcturus)の近くにある。ローダンはさしあたり地球を離れることが 出来ないのでアトランがロクティン・パーに同行する事になった。

二人の男は目立たない商船<エンプレスオブアルコン( Empress of Arkon)>の 船上にテレポートした。しかし、このテレポーテーションは ラール人に探知され、直ちに疑いをもたれた。というのは、 探知結果はそれがインペリウムアルファから始まっている事を 示していたからだ。<エンプレスオブアルコン>は離陸し、 アークトウルスを目指した。ホトレノル・タークはローダンに 彼の疑いを告げ、ラール人はリニア空間を飛行する宇宙船を 追跡できると話した。ローダンはアトランとロクティン・パー が大変な危機にある事を悟った。

<エンプレスオブアルコン>追跡の名目でローダンは離陸し、 アークトウルスを目指した。そこで、まだ間に合ううちに アトランに警告できる事に望みをかけた。彼はアルコン人より 少し先に到着し、<エンプレスオブアルコン>がリニア空間から出現 するやいなや<マルコ・ポーロ>が遠隔でそのコントロールを奪った。 二隻が巨星のコロナに隠れるために飛行を開始した時、 巨大なラール船が実体化した。全長1万メートルを越え、 ラール人にも反徒にも属さない船であった。 その船は事態を見守るだけで介入はしなかった。最後には 通常の大きさまで縮んで消えてしまった。

その間に1隻のラール船が<エンプレスオブアルコン>を 発見し、追跡を始めた。<マルコ・ポーロ>は科学者達が 以前に集めていた最新データを使い、これを攻撃して 何とか破壊できた。その船にはメッセージを送る時間もなく、 <マルコ・ポーロ>を攻撃者と認める事も出来なかった。


658 - Flug in die Dunkelwolke
Flight into the Dark Cloud
Kurt Mahr, April 1974

ホトレノル・タークは助手のロレマー・フヌト(Loremar-Hunut)に、1週間前、 <エンプレス・オブ・アルコン>がまさに離陸しようとしたときに インペリウムアルファ内で起こった神秘的な非合法なテレポーテーション について調査するように命じた。ラール人はすぐに地下の奥底に転送機 を発見し、アーチを歩いてくぐった。彼は空の洞窟に到着し、 誰かが現れるまで待つことにした。(訳注:ここはオーストラリアの エアーズロックの近くらしい。)

ローダンは秘密の場所で直ちにこの破局について知らされ、アトランと 協議した後、リバルド・コレッロを派遣することにした。巨大な頭を持つ ミュータントは転送機に入り、ロレマー・フヌトと短い会話を交わした。 彼の敵は彼が思っているものではないと告げて。その後、コレッロは 姿を消した。

ロレマー・フヌトはホトレノル・タークに報告をした。しかし、会話の 途中で彼はヘトスの使者に攻撃を仕掛けた。彼は銃を抜きホトレノル・ターク を撃った。不可視性の防御バリアがホトレノル・タークを救い、彼はすぐに 悟ったのだが、抵抗運動者によって暗示をかけられていた助手を殺した。 (訳注:タークが直接手を下したのではなく、反眺弾が当たったらしい。)

ローダンはロクティン・パーが基地の一つを隠していると告げた暗黒星雲( 訳注:プロヴコン・ファウスト(Provecon-Faust)のこと) を調査しようとした。ホトレノル・タークはローダンが地球を離れることを 制限しなかったが、すぐ後を追跡するとほのめかした。実際のところ ロクティン・パーはローダンの旗艦に2名のスパイを送った。(訳注: スパイを送ったのはタークでは?)一人目はすぐに乗員によって発見されたが、 敵をよく知るローダンは事が簡単すぎると疑った。さらに探索が続けられ 二人目のスパイの存在が確かめられ、最後には捕らえられた。彼はローダンの 質問に答える前に死んだ。(訳注:二人目?が見つかったのは暗黒星雲に 突入してから。)

<マルコ・ポーロ>が暗黒星雲近くに出現し、程なくして小型ラール船が現れた。 ロクティン・パーは友人たちの歓迎と星雲内をナビゲートする事のできる パイロットをローダンのクルーに加えるためにやってきたのだ。<マルコ・ポーロ> に乗船する前に、ロクティン・パーはローダンにハルト人イホ・トロトを 隠すように求めた。というのも、彼が連れてきた人々はハルト人に対して特別な 感情を持っているからだ。

ロクティン・パーはフィンクラン人(Vincranians)と自称する二人のヒューマノイド 種族を伴って<マルコ・ポーロ>に乗船した。ローダンは彼らをレムリア語で 歓迎し、ロクティン・パーをうろたえさせた。二人のフィンクラン人は 実際にレムール人の子孫であった。(訳注:名前はタスティル(Tastir)と テスツル(Testur))

フィンクラン人パイロットのおかげで<マロコ・ポーロ>はブラックマンタス( Black Mantas、Schwarzen Manta[独])と呼ばれる孤立惑星まで 安全に航行した。惑星大気は暗黒星雲に 充満しているダスト粒子との衝突火花で輝いている。着陸後すぐにイホ・トロト は自らの存在を二人のフィンクラン人に思いがけずに現し、彼らは恐怖に 狩られて逃走した。彼らはグライダーを盗み船を離れた。ローダンは 彼らを洞窟まで追いかけたが、彼を狙った罠を起動してしまい、これに より神秘的な祭壇が破壊された。二人のフィンクラン人は何処にも見当たらず、 ラスはローダンと彼のチームを<マルコ・ポーロ>まで安全に連れ戻した。

しかし、爆発によって惑星が軌道を保っていた微妙なバランスが破壊された。 すぐに惑星は激しい地震で揺さぶられ、ローダンは緊急発進を命じる他は なかった。気球の様に浮上するやいなや<マルコ・ポーロ>はダスト粒子に 激しく叩き付けられた。防御バリアもこのような圧力には長く耐えられそうに 無かった。科学者たちの勧めに反してローダンは盲目リニア飛行を命じた。 彼らが加速する直前、未知宇宙船が現れた。

彼らにコンタクトをとった人物(訳注:カリハン(Kalighan)という名前) はフィンクラン人に似ていたが、別の種族 の出身であった。彼らはテクヘター人(Terkhetans)と呼ばれ、ローダンに テラナーをスパイしていて、助けが必要だろうと考えたと話した。 彼らは自分たちの援助に対する報酬を要求し、ローダンはシャトルを 1機与えることに同意したが、この新技術を航行目的につかって、戦争には 用いないように要請した。テヘクター人は同意した。(訳注:原書に よれば要求したのは軽巡らしい。テクヘター人はフィンクラン人の 子孫であるが敵対していたのだ。)

テクヘター人はテラナーとロクティン・パーを暗黒星雲から助けだし、 抵抗運動に属する惑星プロヴ(Prov)まで導いた。そこで彼らはテラナーの 訓練を受けた後、直ちに新しいシャトルで出発した。その直後、シャトルは 爆発した。ローダンはシャトル搭載の全ての武器を使用不可にし保護回路 を設けたと説明した。もしテクヘター人が武器を再稼働させようとすると、 核爆弾が動作するようになっていた。

ラール人抵抗組織と漸く連絡がとれ、ラール技術についてアクセス可能に なったことで、ローダンは漸く再び希望を抱き始めた。


659 - バイオ・プログラム Das Bio-Program
The Bio Program
H.G Francis

<マルコ・ポーロ>は暗黒星雲の中のプロヴIIIに安全に着陸した。ここで、 テラナーは反徒たちの助けを得て反撃作戦の組織を開始した。ラス・ツバイは 反徒の一人、イザル・ロノン(Izal Ronon、超心理学者)を助け、 ある日、彼を訪問すると彼が死んでいるのを発見した。彼は殺されていたのだ。 (訳注:当然、ラスがまっ先に疑われたが、死因は全く別であった。)

イルザック・ラー(Irsac-Rar)は事件の捜査にあたり、はじめラス・ツバイを 疑ったが、ミュータントは殺人者ではないことを速やかに証明できた。 二人の男が一緒に事件捜査に取り掛かった。イフェク・タンホア(Ivec-Tanhor)は イザル・ロノンの息子で、ツバイが殺人者と信じ込み、彼を攻撃しようと したが、ミュータントは逃げ出した。 過去数日間の間、イフェク・タンホアは胃に非常に激しい痛みを煩っており それが何によるものか見当もつかなかった。

死者の過去を調査しているうちに、イザル・ロノンがラール人に対する 抵抗運動の主要指導者であったことが明らかにされた。50年前、彼は 秘密警察によって逮捕され、少し後に釈放されていた。ツバイは この反徒が催眠暗示を受け、その結果ラール人の工作員になったのでは と疑ったが、この仮説は医師により直ぐに却下された。

イフェク・タンホアはテラナーと抵抗運動に対する激しい憎悪をつのらせていた。 彼は爆弾を作り、<マルコ・ポーロ>船上にこれを隠そうとした。 彼はロクティン・パーとペリー・ローダンを殺そうとしたのだ。そして、おまけに テラナーがラール船のエネルギーバリアを破壊するために開発中のいわゆるKGP装置も 破壊できるだろう。

心理学者がイザル・ロノンの過去に重要な手がかりを発見し、ローダンに 報告した。本当は、ラール人の工作員は死者ではなく、彼の息子であった。 ラール人はロノルを逮捕したときに、どのようにしてかは不明だが、遺伝子操作を 行い、然るべく活性化されたときには 無条件でラール人の側に付く息子を持つように仕組まれたのであった。 この活性化はハイパーインパルスによって起こされねばならないが、スパイが 故郷世界からこれほど離れた場所で最後を迎えるとはラール人も夢にも思わなかった であろうとツバイは考えた。しかし、工作員を活性化させたのは、ミュータント、 超心理波動の放射であったのだともラスは思った。

イフェク・タンホアは反物質を盗み、ロクティン・パーの信用を利用して反物質 爆弾を<マルコ・ポーロ>船上に隠した。彼はローダンからKGP装置についての 情報も引き出そうとしたが、大執政官は彼を疑い、ほんの自明な情報しかスパイに 公開しなかった。

ラスとグッキーはイフェク・タンホアの部屋を探索した。しかし、超心理罠が グッキーを捕らえ、かれを超次元牢獄に閉じ込めた。ネズミ・ビーバーは 辛うじて生かされていた。ラスは戻ってローダンに報告した。 (訳注:ローダンとパーは証拠を得るためタンホアに対して、この後、 一芝居うったらしい。)

部屋に戻ったとき、イフェク・タンホアは罠が動作していることを見、テラナー が彼の正体を見いだしたことを知った。彼は逃走しヴィンクラン人に会った。 彼は、テラナーが古レムール人の敵で、ヴィンクラン人が案内を拒否すれば、 彼らは暗黒星雲から抜け出すことは出来ないと信じ込ませることに成功した。

イフェク・タンホアはヴィンクラン人の船に乗り、彼らは発進した。 (訳注:この点はセドリック氏の勘違いで、同乗したのは テクヘータ人が正しいらしい。)ローダンは 船とコンタクトを取り、イフェク・タンホアがヴィンクラン人 (訳注:テクヘータ人も?)について全く 考慮せず、全抵抗運動をまさに裏切ろうとしていると司令に納得させた。 イフェク・タンホアは司令を殺したが、乗員の一人に殺された。(訳注: 司令のトレアック(Treack)は無事で、彼が部下の敵をとったと言うのが 正しい。)


660 - ブーメラン作戦 Operation Bumerang
Operation Boomerang
H.G. Ewers

百太陽系ではオイデル・ホシュトラ(Eygel Hoschtra)博士が 対SVE宇宙船兵器(訳注: ホシュトラ・パラバルブ(Hoschtra―Paraventil)と名付けられた。) を完成させつつあった。 彼らはためらうこと無くそれを全ポスビ艦隊に装備始めた。抵抗運動 チームはポスビ惑星での太陽系帝国の公式代表であるヘテリー(Mang Hetely) 中佐の存在に苦慮していた。彼らは、ローダンが今やラール人に服従している のでヘテリーを軟禁し彼らの計画に干渉出来ないようにしようとした。 (訳注:コミュニケーションロボット、スピーチ(Speech)を開発している 恋人のサフィラ・コルチェ(Saphira Colche)も軟禁された。)

ローダンが抵抗グループの終結している暗黒星雲 プロヴコン・ファウスト(Provecon-Faust)に行って不在の間、ブリーは 地球の安全責任を負っていた。彼はポスビに本当の状況を伝えたい と思ったが、このメッセージが捕獲されるリスクを犯すことは 出来なかった。そのため、彼はラール人の関心を引かないような 無害そうな伝令を送ることを決意した。 マイツセ(Maytusz)大佐がこの任務に選ばれた。彼は百太陽系に向けて 出発した。

マイツセは中央大プラズマに歓待を受け、ラール人に対する ペリー・ローダンの秘密の抵抗運動についての全ての 話を伝えた。プラズマはこの新しい情報には感謝したが、単なる 大佐がそのような重大な情報を運ぶために派遣されたとは 信じられなかった。そのため、マイッセを拘束した。大佐は ヘテリーと同じ牢に繋がれ、彼らは共同して脱走し地球に向かった。

地球では、ブリーがマイツセの逮捕とポスビが4万隻のフラグメント艦隊、 おそらく新兵器を装備したもの、が終結しつつあることを知った。 彼らが何をしようとしているかを悟った時、ブリーはロウ・ダントンに 現地に飛んで、彼らが今ラール人と事を構えるのを思い止まらせる ように依頼した。

深宇宙ではポスビ艦隊がラール人を待ち受けていた。SVE船団約1万隻が出現し、 戦いが始まった。ホシュトラの新兵器は成功を収めた。4千隻のSVE船が 数分間で破壊された。ラール人は逃走した。

ロウ・ダントンは戦場に到着し、中央大プラズマと会談した。ローダンの 息子として、ダントンは、マイツセが話したことが真実であるとようやく プラズマに納得させた。しかし、おそすぎた。ラール人は新兵器への対抗策 を見つけるのに既に躍起になっていた。 8時間後、新しいSVE艦隊が出現し、これにはホシュトラの新兵器も効かなかった。 ポスビ艦隊は混乱して撤退せざるを得なかった。 (訳注:旗艦<BOX-40.009>も破壊され、ダントンは辛うじて 戦艦<ロカノル(ROKANOR)>に収容された。) ポスビはラール人が何時でも彼らの 中央世界に現れ、それに対していかなるチャンスも無いことを予想した。 特にラール人が公会議の他の6種族からの支持を受けているとしたら。

驚いたことに、ラール人は姿を見せなかった。それどころか、彼らは帝国中に 派遣していた全ヘトス査察官(Hetos Inspectors)を引き上げさせるのに 躍起になっており、彼らがソル星系から撤退しつつあることがすぐに明らかに なった。この行動の合理的な説明を見つけようと躍起になっているとき、ブリーは ホトレノル・タークから連絡を受けた。

ラール人司令は彼に地球とそして全太陽系を破壊する爆弾を太平洋に そえつけたと伝えた。ブリーが新兵器とその発明者をラール人に手渡さないと 爆弾を点火させると。 (訳注: ブリーは思った。「ペリー、早く戻ってきてくれ。」 )


661 - 太陽点火者 Der Sonnenz・der
The Sun Ignitor
Hans Kneifel

テラナーにはラール人が太平洋に隠した爆弾のありかをつきとめるのに14日しか なかった。(訳注:最終期限は3459年6月5日。) 数100万人もの人々が大洋に派遣され、残りの人々は避難した。(訳注: オリンプは何億人もの避難民を受け入れたが、ラール人は オリンプとテラの転送機連絡を切断した。) 科学者は、爆弾が全太陽系を破壊することを目的としているので、 ソルを新星に変えて9惑星を抹殺する太陽点火装置の一種であることを、 つきとめた。

大洋底の古レムール都市を探索中、1隻の潜水艦が爆弾と思われる装置を 発見した。装置はテラナーが接近すると活性化したが、一種の監視装置 に過ぎないことが判った。

ペリー・ローダンはプロブゴン・ファストより帰還し、深海の抵抗運動の 隠れ家、パラ・ブルグでアトラン、グッキー、イホ・トロト、そして、 オラナ・セストーレと会談をもった。彼らは突然、ディフレクターを 用いた4名のラール人に襲われた。イホ・トロトのおかげで、攻撃者は 速やかに撃退されたが、グッキーとオラナは意識を失った。 意識を失う前にグッキーは強い5次元振動の存在を口にした。 彼らは病院に運ばれ、ローダンとアトランはこの襲撃の目的を 理解しようとした。

ラール人は爆弾探索が成功したと考え、そのためローダンを強いて新兵器と その発明者を引き渡すために新たな圧力点を必要としているのだろうか と彼らは考えた。 その時、水星からメッセージが届いた。 太陽は激しいフレアに突き動かされたが、これは一時的な現象のようで、 じきに通常状態に戻った。

二つの事件の時間をチェックして、ローダンの疑いを確かめられた。 振動はパラ・ブルグ、より正確にはオラナから発せられていた。 彼女が太陽点火者だったのだ。ラール人は彼女の数週間前の彼らの 帝国への強制された訪問時に体内細胞にこの機構を埋め込んでいたのだ。 先の襲撃はトリガーインパルスに彼女が応答するかを確かめる ためだけのものであった。

オラナをソルから遠ざけ、無人の恒星の近くに連れて行くのに、ローダンには ほんの数時間の余裕しかなかった。彼らは地球を離れ、ソル系から2万光年 離れた孤立した恒星を目指した。 真夜中を過ぎた直後、オラナはラール人からのインパルスを受け、 小恒星は新星化し始めた。 (訳注:オラナはラール人からのインパルスを受け、近くの恒星 を反物質化させるが、この「点火」能力は1回限りであった。逆に 近くに恒星が無い時にインパルスを受けると彼女自身が死亡する。飛行中に 点火インパルスを受けたものの、タクヴァリオンのモーヴェーター能力 のおかげで、彼女は命びろいした。)

ローダンが地球に戻ったとき、ホトレノル・タークは声明を発していた。 ラール人は公会議の依頼でテラナーが有用な同盟者であるかを 確かめるテストを行ったと話した。ペリー・ローダンはテストに 合格し、ラール人とテラナーの結びつきは再び強まったと。


662 - 死人狩り Jagd auf einen Toten
Hunt for a Dead
Ernst Vlcek

太陽点火者危機の後、ラール人たちがソル系を離れたため、抵抗運動の 活動は盛んになった。テラナーは多くの貴重な装置を集め 暗黒星雲プロブゴン・ファウストにまさに退避させようとしていた。 これにより対SVE船兵器であるKPL砲の研究を加速できるだろう。 輸送の責任をになう人物、サタゴ・ウエルボト(Satago Werbot)は アトランの変装であった。

不運にも、アトランは転送機を利用したとき、個人周波数を検出された。 直ちに警報が発せられ、アトランはかろうじて逃走した。 (訳注:惑星オリンプで氏族会議を開こうとしたアトランを見破ったのは アート・ヤパソン(Art Japson)で、彼の情報は、 デイトンとアーガイリスに圧力をかけていた ハルトランタ・トゥー(Hartranta-Too)に直ちに届けられた。 ラーレ人とロボット部隊から命をかけて アトランの命を救ったのは、なんと同じ ヘトス・インスペクターのエフォロン・ハルマシ(Ephron Halmashi) であった。) 今やラール人は ペリー・ローダンがこれまでずっと彼らを騙していたことを知った。 ローダンには別の目的があったのだ。

過去数週間にわたってテラの科学者達は過去に既に用いられた アンティテンポラル抗時(ATG)フィールドのジェネレーターの改良に苦心していた。 ローダンは再びこれを用いて全ソル系を1分間の未来に送ろうとしていたのだ。

ATGフィールドが稼動し、ソル系は時空連続体から姿を消した。 (訳注:3459年7月5日。) しかし、近くをパトロール していた11隻のラール船も道連れになった。彼らは太陽系内に 実体化し、直ちにテラ基地を攻撃始めた。しかし、彼らのバリアは転送の ショックで弱まっており、テラナーは彼らがATFジェネレーターにたどり着く前に KPL砲を装備した巡洋艦<ドーロ(DORO)>で破壊することができた。

けれども、ATGフィールドは揺動を示していた。未来の特定時刻に留まる代わりに ソル系は振動を続けた。この異常現象は何百万というらせん状のエネルギー生物 の出現を伴っていた。彼らはテラナーの設備を破壊し始めた。 ハイスピース(Hyspies)、ハイパーエネルギースパイラルの略称、は 最終的にリバルド・コレッロの超能力で破壊された。

時間ジャンプから2日後、ソル系はようやく1.11分の未来で 安定化された。しかし、ローダンは彼が得たのは執行猶予に 過ぎないと知っていた。ラール人は最後にはATGフィールドを 破るかもしれない。


663 - 超重族レティクロン Leticron, die ワberschwere
Leticron the Heavy
William Voltz

超重族レティクロン(Leticron, a Heavy)はプンターポノ(the Punta-Pono)の 政府を転覆させたところであった。今度は彼はペリー・ローダンの代わりに 第一ヘトランになろうと考えた。ラール人がアトランの生存を確認した後、 ローダンは公式に第一ヘトランから失脚していた。レティクロンはラール人の 政治的見解に完全に同意しており、そしてまたたまたま彼がある種の テレパシー能力を持つミュータントであることからも、自分こそがこの 称号にふさわしいと考えていた。 (訳注:レティクロンの超能力は行動予感、信念注入、脳攻撃 と称されるが、ロイドの探知能力、コレッロ等のヒュプノ能力、 ダライモクのプシリフレクターとの 違いは良くわからない。)

ホトレノル・タークはヒュプトン人(Hyptons)たちと会談していた。 ヒュプトン人は公会議のメンバーの一つであった。彼らはクラゲ状の 生物で、彼らと会話する人々を説得する才にたけている。(訳注: レキシコンによれば、ヒュプトン人の身体は透明になることもあるが 外形はクラゲと言うよりはコウモリに近い。) ホトレノル・タークは彼らを説き伏せて地球を破壊する事を認めさせようと したが、ヒュプトン人は反対意見を表明した。もし、公会議の あるメンバーが別のメンバーをこのように攻撃すれば、他の種族に 不安を及ぼすことを彼らは恐れたのだ。

第一ヘトランの地位への応募者達はホトレノル・タークの船に到着し始めた。 彼らのうち二人だけしかラール人にとって重要視されなかった。 アンティのスパンガー(Spanger)とノス・ガイノル(Nos Gainor)である。 後者は過去にレティクロンに勝ったことがある。(訳注: ガイモール人(Gaimor)と呼ばれるナート人に似た三つ目の怪物らしい。)

ホトレノル・タークはソル系がアンティテンポラル抗時フィールド によって時の彼方に逃亡したことを知った。彼はテラナー達を 滅ぼさねばならないとの確信を深めた。レティクロンはホトレノル・ターク の船に到着し、公式に応募者として名乗りを上げた。 彼は潜在的なライバル達を倒し始め、ラール人に印象づけようとした。 (訳注:カスアル同盟第16艦隊提督のエアーハーン(Airhahn)も 犠牲者の一人。)

ホトレノル・タークはレティクロンと二人の競争者との 対局をセッティングし、超重族は最後には 彼らを打ち負かして自身の剛勇さを証明した。ラール人は なおもレティクロンについて懐疑的であったが、ヒュプトン人は 超重族を直ちに第一ヘトランに任命するように強いた。

地球ではテラナー達はラール人の通信を傍受し、レティクロンの 任命を知った。


664 - 時をぬけるトンネル Tunnel durch die Zeit
Tunnel through time
H.G. Ewers

ローダンはラール人が未来にいるソル系の位置を突き止めることが出来るように なるだろうということを知っていたので、ハイパー物理学者のアベル・ ワーリンジャーは時間変調機(time modulator )の設計に忙しかった。「ドリームダンサー( Dream Dancer)」と呼ばれるこのアイディアは未来に送り出すATGフィールド 発生機の出力をランダムに変動させると言うものである。会議の直後、 ローダンは暗殺計画を辛うじてかわした。暗殺者は彼の護衛のヒューバート・ モーリスによって始末された。(訳注:SGA長官はこの時代でも現役らしい。)

時間変調機が稼働した。始め1.183分の未来にあったソル系は20分までの間を 漂流し始めた。突然、ソル系は現在に戻って実体化した。5万隻の船が動員され、 テラ艦隊はラール人の攻撃に備える一方でワーリンジャーはATGフィールドを 再活性しようとしていた。

ラール人はタイムトンネル(time tunnel)を建造していた。彼らはそれを使って SVE船を送り出し、時間流の中でのソル系の正確な移動時間を調べようと していた。この試みに多数の船を失ったが、彼らは正確な時間のおよその 値をつきとめることが出来た。ソル系が現在に戻ったとき、彼らには 艦隊を呼び戻し十分なダメージを与えるための時間がなかった。幾隻かの SVE船はソル系が再び未来へ移行する前にソル系に侵入したが、テラナーは KPL砲でこれを破壊した。もし、全ラール艦隊がソル系に侵入したら打つ手が ないことをローダンは知っていた。

その間、レティクロンはATGフィールドの一時停止を利用し、 ソル系内の未知の受信局に向けてメッセージを送った。その直後、 もう1件のローダン暗殺計画が物質転換者(metamorph)によって 企てられた。暗殺者は体形とアイデンティティを変形し、最後には ローダンになりすまそうとした。

ローダンは小コマンドを貨物船(訳注:正確には船ではなくコンテナ街道 用のコンテナであろう) に乗せてマウントオリンプに送ることを決意した。 彼らはアンソン・アーガイリスとコンタクトをとって機材をソル系まで持ち帰らねば ならない。しかし、何かがおかしいことがあったのか、貨物船はマウントオリンプで 実体化するかわりにラール基地の脇に出現した。彼らは捕らえられ、 ホトレノル・タークの尋問を受けた。ラール人は水星のATGフィールド ジェネレーターを破壊すべく5000人の超重族を貨物船に乗せ2隻の小型SVE船 と共に送り返すことに決めた。最後の瞬間にコマンド司令( 訳注:エピッチャー(Epitcher)少佐という名前) は自らを 犠牲にして船を破壊した。ヒュプトン人がこの事件でショックを受けたように 見えることにレティクロンは気が付いたが、その理由を彼は知る由もなかった。

ラール人はソル系の正確な位置に接近しつつあったが、彼らは未だに 近似値を使っていた。テラナーはトランスフォーム砲を使って タイムトンネルを乱し、ラール人は数百隻の船を失った。 タイムトンネルは、時間変調機が稼働した時に最終的に破壊された。

ソル系は今や再びランダムに未来を動き始めた。


665 - 火山泥棒 Die Vulkan Diebe
The Volcano Thieves
H.G. Francis

数年前、正確には3436年惑星ゴプストル・マール(Gopstol-Maru)で未知金属 が発見された。この金属は発見者の名前にちなんでクモルル(Chmorl)と 呼ばれ、ある火山の近くでのみ見つけることが出来た。この場所では 古代文明が研究を行っていた。クモルル金属は6次元放射によって周りの人々の 知性を増加させる機能を持っていた。数年後、アンティは複雑に入り組んだ 課題を研究するための大学を火山に建造した。(訳注:レキシコン第2版によると 3448年に大学を設立したのはローダンとなっている。)

現在.
フランク・イグト(Frank Eygt)、大学の責任ある地位にいるアンティ、はクモルル 金属を用いた遺伝子実験を行っていた。かれはサイバークローン、クモルル・パモ、 を生み出すことに成功した。これは頭脳としてポジトロニクスとクモルル金属の 両方を備えていた。しかし、これまでのところこのヒューマノイドは眠ったままで あった。(訳注:この実験の指揮をとっていたのは学長であり、フランクの 上司のパイルショ・パモ(Payluscho Pamo)であった。従って、このレトルト 生物のフルネームはFrank chmorl-Pamoである。)

64隻の貨物船艦隊がゴプストル・マールを目指していることがアンティによって 探知された。艦隊の司令、ファイニブレット(Cheborparczete Faynybret)という名前の シェボルパルナー人(Cheboparnian)(訳注:早川版でもお馴染みの 知性探求コマンド(ISK)のチーフ、シェFのこと) 、はイグトにローダンが火山全体(訳注: 長さ10キロ、幅数100メートルのクモルル鉱脈を含めて)を 安全な惑星、つまりラール人が見つけることの出来ない場所、に移すこと を望んでいると伝えた。アンティたちは拒否し、失われた文明の廃墟で見つけた エネルギー兵器を使ってテラ艦隊に抵抗を示した。(訳注:エネルギー球を 目標にぶつける兵器らしい。)

ラール人がゴプストル・マールの存在を知り、そこに向けて艦隊を派遣したこと をファイニブレットが知らされたとき、彼は努力を倍加し、ようやくアンティたちに 共同作業の必要性を理解させることができた。ポレイクラ(Poleicra)に率いられた 超重族艦隊がこの星系に現れた。彼は火山大学の支配権を握る様にレティクロンから 命令を受けていた。

クモルル・パモは目覚め、周囲の状況を速やかに学習しているように見えた。 彼は失われた都市を探検し、クモルル金属製の手袋を持って帰還した。それは 彼にある種の内部の力を与えているように見えた。火山の一部はアンティに 守られつつ、テラ貨物船に移送され始めた。しかし、SVE船が星系に現れ、 超重族を援助し始めた。

状況は次第に絶望的になり始めたとき、アンティはエネルギー兵器を ラール船に対して使い始めた。効果は抜群。エネルギー球はラール人の エネルギーバリアを粉砕し、後には無防備のラール船が残った。火山は うまく惑星表面から運搬され、テラ艦隊は目的地に進路を取った。 プロヴコン・ファウスト暗黒星雲のただ中に。

彼らは目的地に着いたとき、ヴィンクラン人と会合した。彼らは 暗黒星雲の濃密な物質の中をテラ艦隊をナビゲートする手筈になっていた。 しかし、彼らは、クモルル・パモの存在が彼らの知覚力に影響を 及ぼすとして、人造生物を残すように依頼した。人造生物はシャトルを 1隻もらい船を離れた。そして艦隊は暗黒星雲に突入した。 (訳注:クモルル・パモはクモルル金属の存在が必要、少なくともアンティ たちはそう考えていたはずなのに、よく離船に同意したものだ。 ちなみに、アンティのフランクとシガ星人のジモ・サン(Simo San)も 同時に船を離れている。)


666 - 恒星三角の呪縛 Im Bann des Sonnendreiecks
The Sun Triangle
Hans Kneifel

レジナルド・ブルは2隻のエクスプローラー船に起こった出来事を記述した 報告書を読んでいた。それは大群が天の河銀河に到着する直前、20年前 の出来事であった。

20年前、3440年11月.
レルグ・モプロン(Lerg Mopron)は<EX-1819>と<EX-8977>の司令で レムール人の恒星転送機探索のため天の河銀河の中枢部に派遣された。 (訳注:モプロンは<EX-8977>の船長も兼ね、<EX-1819>の指揮は 同僚のファスチョ・ロームピ(Fascho Lohompy)がとった。) 太平洋海底のレムール都市から回収された情報によれば、恒星転送機は 三角形を形成する3つの太陽からなっているらしい。最終的には 転送機は発見されアルキメデス三角恒星転送機(Archi-Tritrans、 [独]Arhcimedes-Sonnendreieck-Tansmitter) と命名された。さらに分析が進につれ、この転送機はアンドロメダに 到達するほど強力ではないとわかった。そのため、その目的地は 二つの銀河の間の虚空のどこかに違いない。そのほかに、太陽の一つには コボルト(Goblin、[独]Kobold)と名付けられたお供がいた。この矮星は非常に 低い軌道にあり、おそらく転送機の機能に影響を与えていた。

2隻の宇宙船が地球からの命令を待っている時、痴呆化放射が彼らを襲った。 <EX-1819>は発進し、<EX-8977>は転送機に向かって直進した。 彼らは天の河銀河から88万光年の虚空に現れた。受け入れステーションは 2つの太陽、彼らはそれをデュオ(Duet、[独]Duo)と名付けた、と11個の惑星 からなる。惑星のうち2つは目でも見えた。全星系はグルファー(Gulver)と 命名された。(訳注:恒星転送機を構成する2つの太陽はポール (Pool)とパナ(Pana)と命名された。)

エクスプローアー船はパカティ人(Pacatians)と名乗る生物が操る時代遅れの 船からなる小艦隊の攻撃を受けた。この敵は容易に打ち負かすこと ができた。その後、レムール人とおぼしき別の艦隊がコンタクトを とってきた。彼らはレムール人とテラナーの間に存在する縁故には 注意を払わない様に見えた。彼らはテラナーの冒涜行為を非難した。 明らかな技術的な優位性にもかかわらず、テラナーたちは非難に 甘んじ、護衛されて彼らが新レムールと呼ぶ惑星に着陸することにした。 (訳注:新レムール人は退化し、二重太陽を神として崇めていたらしい。)

新レムールはグルユ・タウ(Gulyv-Tau)という名前の神皇帝(Emperor-God )に支配されていた。彼らの文書庫を調査し、彼らが5万年前に自ら 亡命しこの惑星に入植したことをテラナーたちは知った。 テラナーたちはさしあたりここに留まることにした。4ヶ月が経過し、 新レムールはパカティ人の攻撃を受けた。テラナーたちは彼らの撃退に 成功し、新レムール表面にある種の放射が存在して、彼らがここに いる目的を忘れるように心を和ませていることに気が付いた。

テラナーは天の河銀河に戻ることを決意した。彼らはエクスプローラー 船にプログラムを施し、必要最小限の操船で航行できるようにした。 転送機より出現したとき、痴呆化放射が彼らを待ち受けていることを 恐れたのだ。しかし、あの時から大群が天の河銀河を完全に巻き込んでいた とは彼らに知る由もなかった。転送機から出た途端、エクスプローラー船は オートパイロットで自動運行し、最後には再び転送機に突入し、 円は閉じた。

彼らが再び意識を取り戻したとき、さらに4ヶ月が経過していた。 彼らはコボルトが意識喪失の原因ではないかと疑った。 <EX-1819>は星系内に実体化したが、モプロンが助ける前に パカティ人に捕らえられた。テラナーたちにはグルファー系に 入植するより他はなかった。


667 - 永遠の監視者 W臘hter des Ewigen
The Guardian of the Eternal
William Voltz

過去.
カリブソという名前の神秘的な存在がアルキメデス恒星三角星系にやってきた。 彼は原住民のスコペイン(Skopein)と会った。彼はこの原住民を 「監視者」にするため訓練をしていたのだ。彼はすでに銀河系中に 17名の監視者を補充したと話した。その内、7名はまだ活動していた。 彼はスコペインを恒星転送機の主ステーションPP-IIIに連れていった。 カリブソはおびえる原住民をステーションに残して神秘的な探索を 続行した。スコペインにとって不幸なことに、ステーションには 罠があった。レムール人はある種の胞子を残していた。始めはハルト人 に対して用いられるはずであったが、この胞子は彼らの鎧のような 皮膚に対しては効果が無いことがわかった。スコペインは知らぬ間に 胞子に触れ、それは直ちに彼の肉体に取り付いて彼を殺した。 (訳注:スコペインはキノコに同化し、「永遠の監視者」となった と言うほうがふさわしいかもしれない。)

現在.
ペリー・ローダンは、ラール人がアンティテンポラル抗時フィールドを 破るのに成功した場合に備えて、恒星転送機をソル系に構築し緊急の 脱出経路を確保しようと考えた。これを達成するためアトランの指揮の 元、もう一つの遠征隊がアルキメデス恒星三角に派遣された。その使命は 恒星転送機を調査し、転送機を構成している2つ(訳注:3つの間違い?) の太陽の一つをめぐっている小さな中性子星コボルト(訳注:直径が 190キロ)をソル系に移動 させることが可能かどうかを調べることであった。

その間にもラール人は時間を無駄にしていたわけではない。 彼らは時間潜航艇を設計していた。これはソル系の位置を突き止める際に 近未来の走査を可能とする装置であった。レティクロンに率いられた 彼らの艦隊は精密調査の体形を保っていた。アトランの船、カリオストロ( Cagliostro)は封鎖線を突破し、リニア空間に逃げ、天の河銀河の 中心を目指した。

彼らがアルキメデス三角に到着した直後、2隻のエクスプローアー船が 恒星転送機から出現した。<Ex-1819>に派遣されたコマンドは、乗員が ある種の植物と共生して生きていてテラナーに対して敵意を示している 事を知り、テラナーたちはエクスプローアー船を離れた。 (訳注:原書ではヤンク(Yjanc)と記されているこの怪物だが、 666話の内容との繋がりに疑問が残る。) 2隻のエクスプローアー船は突然航行を始めた。テラナーたちが 反応できる前に、2隻は2つの太陽の一つに向かい、そこで姿を消した。

ラス・ツバイはPP-IIIにテレポートし、キノコを発見した。彼が反応するより 早く、いくつかの胞子が彼の宇宙服に取り付いた。彼は胞子を取り除くことが できず、これは非常に危険な有機体ではないかと疑い始めた。 (訳注:<カリオストロ>に戻ることは船の最後を意味する。 原書によれば、このキノコは真空にも平気で、 ワーリンジャーも捕まったらしい。 ) テラナーがステーションの機能を支配することを諦めかけた時、 アラスカ・シェーデレアは初めて「デストロイスーツ」を使うこと を決意した。彼はそれを身につけ、PP-IIIに乗り込んだ。 実験は成功した。彼のスーツに触れた胞子は死滅した。 (訳注:カリブソが今も探しているのが、ほかならぬ「 デストロイスーツ」である。アラスカは大群危機の際に サイノスのシュミットからこの服を譲り受けていた。 この服がないとカリブソは種族の仲間と合流できないのであった。 )

制御ステーションは今やテラナーの手にあった。

(訳注:余談ながら、原書667話の見開きページ全部を使ってPERRY-RHODAN AUF JAPANISCHとして、早川版の第5巻「決戦!ヴェガ星域」が 紹介されている。)


668 - サンベビー作戦 Operation Sonnenbaby
Operation: Baby Sun
H. G. Ewers

科学者たちは作戦の準備に没頭していた。アルキメデス三角恒星転送機は ソル系に向けて再調整された。そして初めて矮星コルボドは恒星転送機に向けて 打ち込まれるだろう。これを成功させるためには、ソル系はアンティテンポラル 抗時フィールドを停止しなければならない。地球を数分間無防備の状態に さらしても。コルボドの転送は3459年10月28日、12:00から12:03の間と 予定された。(訳注:この矮星のドイツ語名Koboldは、家の妖精という意味がある。 セドリック氏は同じような意味を持つ英語Goblinに置き換えてサマリーを 書いているが、これ及び関連する話題での和訳には前者のカタカナ読みを 採用することにする。)

地球では科学者たちが彼らの計算に矛盾点を見つけた。明らかに 誰かが計算結果を誤魔化しているのだ。ローダンは ヒューバート・セルヴィン・モーリスに調査を命じた。 このボディガードはすぐに容疑者を3名の科学者に絞ったが、 彼らは何れも忠実なテラナーであった。(訳注:マト・ケラウア( Mato Kelaua)、ゴルダ・ネルソン(Gorda Nelson)、 スン・リュービン(Snug Rubin)の3名、またこの探索にはタッチャーと ロルヴィクの例のコンビも加わったらしいが、さぞかし モーリスは苦労しただろう。^^;)

レティクロンは惑星オリンプでアンソン・アーガイリスと会見した。 第一ヘトランはロボット皇帝に天の河銀河の全種族が集まる 会議の主催を命じた。アーガイリスは渋々承諾した。その直後、 彼は実行中の計画についての情報を受け取った。彼は地球に向かい、 ATGフィールドを突破し、ローダンとコルボド計画の日時について 話した。そして彼は惑星オリンプに戻り、そこで非常に疑い深い レティクロンに迎えられた。しかし、第一ヘトランはアーガイリスが テラナーのために働いていることは実証できなかった。

モーリスはついに破壊工作者を突き止めた。彼は実はポーチ(Poorch) という名前の分子変形能力者であった。この生物はレティクロンに よって派遣され、科学者の一人の形になりすまし、計算結果を誤らせ ていたのだ。モーリスは彼を説得し、テラナー側で働くことを 了承させた。

10月28日午前12時、ATGフィールドは停止された。恐怖に背筋を凍らせながら ローダンは6千隻の宇宙船からなる艦隊を探知した。そして、これら全てが レティクロンに属するものではない事を悟った。ある種の再統合が 起こりつつあることを彼は最終的に理解した。ラール船はそこにはいないが、 障壁がなくなるやいなやレティクロンはソル系の総攻撃を命じた。あらゆる 天の河の種族が、ローダンと彼のラール人に対する抵抗に明確に同情している にもかかわらず、命令に従うことを強要されていた。

12時3分、コボルトはまだソル系に現れない。ローダンはもう少し時間を 割くことにした。SVE船が地球に向かっているのが探知された。彼らが太陽系に 侵入するリスクを冒すことは出来ない。12時22分、ローダンが再びATGフィールド を作動させようとした時、ソルと水星の間にコボルトが実体化した。 ATGフィールドにスイッチが入った。ソル系は速やかに安定し、新しい重力バランス が達成された。

今や恒星転送機の最初の部品は位置についた。


669 - 雷神基地 Sttzpunkt Donnergott
Thunder God
H.G. Francis

エイモントップ(Eymontop)の率いる小型超重族船は、太陽系が 通常空間に戻っていた間に忍び込むことができた。 (訳注:船の名前は<ピノール(PINOR)>、レティクロンが 支配するパリクツァ(Pariczan)艦隊に属し、 艦長のエイモントップは第二ベジール(Vesyr)と呼ばれる地位にある。 原書イラストによれば、彼はマンガ化したウサギの様なフリル(Phryl)という 共生体を身近に置いているらしい。) この超重族は レティクロンによってアンティテンポラル抗時フィールドの 破壊のために派遣されていたのだ。彼らは海王星に向かい、そこには 雷神と名付けられた秘密基地が彼らを待っていた。 エイモントップはついにローダンがソル系内に恒星転送機を 建造しようとしていることを理解し、これを阻止しようと 決意した。 (訳注:あー、この話の原書にも、時間警察に破壊された はずの海王星の衛星レネイドが 書かれている・・・。)

コボルトは未だ不安定な軌道を描き、太陽に落ち込まない 為には再調整が必要であった。エイモントプはこの計画を 妨害しようとしたが、副官の一人のミスで彼らの船はソルに 接近しすぎた。(訳注:正確には副官のカートップ(Kartop)の 指揮する搭載艇で、近付きすぎたのもソルではなくコボルトらしい。 部下を見捨てて逃げ帰ったカートップはエイモントップに よって副官を罷免され辱めをうけることになる。) 船が太陽に衝突する直前、彼らは転送機によって 脱出し船を捨てることができた。ローダンはこの事件を知らされたが、 なぜテラ船の中に行方不明になったものかいないのかは 理解できなかった。

超重族は太陽系内での作戦をより容易にするためテラ宇宙船を ハイジャックした。(訳注:転送機を使ったこの作戦を 指揮したのは第二司令のアセン(Asen)。しかし、グッキーと バルトンの介入もあり、結局乗っ取りは失敗。) 小コマンドは地球への侵入に成功し、ローダンを殺そうとしたが 犠牲になったのはおとりのロボットであることがわかった。 しかし、秘密警察は今や太陽系内の超重族の存在を知り、 彼らの追跡を始めた。

怪しい宇宙船がすぐに探知され、グッキーが船上にテレポート した。彼は超重族の一人(訳注:他ならぬ悲運のカートップ。 しかし、これにより彼一人が生き延びることになる。) を誘拐し、司令がATGフィールドを突破し レティクロンに警告を発しようとしていることを知った。 彼らは降伏要求を拒否し強行突破を試みたが、彼らの船は 最終的にはテラ軍によって破壊された。 (訳注:より正確には、超重族は<ピノール>をおとりにし、 盗んだコルベットで間扉にたどり着く計画をたてたのだが 見破られたということらしい。)


670 - 超空間、開く Der Hyperraum bricht auf
Hyperspace Breach
Clark Darlton

テラナーは新しく組み立てた恒星転送機のテストをする必要があった。 このためには、ATGフィールドを停止し、宇宙船を転送機を通して送る 必要がある。ナラ・マリノワ(Nara Malinowa)の指揮する 艦隊テンダー<ディノ55>がこの作戦に選ばれた。宇宙船は恒星転送機を 抜けたがアルキメデス恒星三角では何も起こらなかった。ソル系では <ディノ55>が転送機の真ん中でつっかえた様に見えた。宇宙船は 半透明になり、膨張しはじめた。(訳注:超空間からのエネルギーを 物質に転換しているらしい。)

地球上にパニックが起こった。今の成長率を維持すると、変形した <ディノ55>はついにはコルボトに接触し、その星は崩壊するだろう。 グッキーはテンダー船にテレポートしようとしたが失敗した。しかし、 彼は何とか思考を捕らえ、乗員がまだ生きている事を示した。 しかし、彼は宇宙船内部にテレポートできない。 実験はもう一つの厄介な副次効果をもたらした。ソル系が未来に 戻った時、<ディノ55>から現在に向かうタイムトンネルが 発生したのだ。 テンダー船の一部がまだ現在に引っ掛かっており、そのため ATGフィールドに大きな穴が生まれたのだ。

グッキー、バルトン・ウイト、そしてイルミナ・コチストワ( 訳注:ロルヴィクも作戦に参加した)は1隻の 船を捕まえて現在に戻った。そこで彼らはラール人の様子を探り、 すぐにトンネルに向かいつつあるSVE船を突き止めた。彼らは 船上にテレポートし、ラール船の支配権を握り、2人のラール人( 訳注:名前はバリル・トルン(Baryl-Torn)とウエヨ・トーク(Weyh-Toak) )と超重族の一団を捕まえた。SVE船はトンネルを抜けソル系に現れた。

実際にはSVE船は<ディノ55>内部に実体化した。テンダー船は膨張を 続けていた。テラナー達は捕虜と共にラール船を退去し、SVE船は 爆発した。グッキーは二人のラール人を尋問し、彼らの実験で 何が間違っているかの説明を求めた。 ラール人は速やかに共同作業の必要性を理解し、ネズミビーバーに 情報を与えた。インパルス変調フィールドがこのプロセスの間に 放出されるエネルギーを含んでいると考えられ、このフィールドを 活性化させる為には、テラナーは恒星転送機を通過する際にカルプ コンバーターのスイッチを入れなければならない。 (訳注:正直、この事故の原因がテラナーの操作ミスなのか、 ラール人の実験の副作用なのかはよくわからない。解決法も カルプを切るのか入れるのかあいまい。)

ナラは忠告に従った。<ディノ55>は膨張を止め、ついには元の大きさまで 収縮した。そして、彼らは恒星転送機を通過した。転送は成功し、 彼らはアルキメデス恒星三角で実体化し、そこでアトランの歓待を受けた。


671 - 時間潜行艇 Der Zeittaucher
The Time Ripper
Hans Kneifel

ハイパー物理学者のアベル・ワーリンジャーは、ツインソル、新しくソルと コルボトから建造した恒星転送機、を抜けての逃走が、あと4週間は不可能で あると言った。いつ何時ラール人がATGフィールドを突破するかも知れないと ローダンは全テラ兵力をアルキメデス恒星三角に集結し恒星転送機を抜けるように 命令した。作戦の結果8万8千隻の宇宙船が今や太陽系に集結した。

太陽系外縁部で心配な現象が生じた。裂け目が現れ未知宇宙船がそこを 通過させている。説明は一つしかありえない。ラール人が、時間潜航艇と 名付けられたATGフィールドを通過可能な装置を建造したのだ。 時間潜航艇はテラナーによって捕獲され、地球に運ばれた。そこで 徹底的な調査により、この装置がたった一つのものではありえないことが 明らかになった。科学者達はこれらは惑星オリンプで大量生産されて いるという結論に達した。

グッキーに率いられた小コマンドが時間潜航艇の建造の妨害工作 のため惑星オリンプに派遣された。ロボット皇帝アンソン・アーガイリス と共同でテラコマンドは速やかに建造サイトへの道を見いだし、 致命的な場所に原子爆弾をセットした。爆弾が爆発したとき、 300隻の時間潜航艇と関連部品が原子雲の中で失われた。

テラナーによるこの勝利はレティクロンをかんかんにさせた。 超重族は全天の河銀河に話しかけ、テラナーとの戦いで彼らを 援助するものは何人たりとも遠慮はしないと宣言した。


672 - テラの秒読み Countdown fr Terra
Countdown for Terra
Ernst Vlcek

へチク大佐(Hetschic、訳注:ファーストネームはムスコ(Musco)、エルトルス人) は地球から3万8千光年離れたUSO基地ポタリ・パノ(Potani-Pano)(訳注: より正確には第2惑星の月、また原書ではPotri-Paneという綴り )の司令であった。ネーサンの記憶装置が消去された時、 その知識は14608体のロボットに分散され、ポタリ・パノはそのうち3763体を 引き受けていた。テラ科学者たちは、ロボットがラール人によって容易に回収 出来ないようにこのような数を設定した。しかし、もし923体以上のロボットが 失われると全データベースも失われるだろう。

USOの輸送船<セタス(Cetus)>がポタリ・パノに着陸し、その司令、ネメツ大尉( lieutenant Nemetz、訳注:ファーストネームはテルフィツ(Terft)、彼はアムンに 洗脳され反乱に加わることになる )はペリー・ローダンが3763体のロボットをソル系に引き戻す 様に命じていることを伝えた。ヘチクは了承したが彼は反対するハイパー 物理学者アムン(Ammun、訳注:ファーストネームはフィッツリング(Fitring) )博士と戦わねばならなかった。彼はローダンの政策に 激しい敵意を示し、大執政官が本当は全人類をラール人に引き渡そうとしていると 思い込んでいた。

アムンはヘチクがロボットたちをネメツに渡すのを妨害しようとし、 衝突は紛争へ広がった。最後に<セタス>は全ロボットを 船上に乗せて離陸した。基地は爆発し、アムンとその一味は命を落とした。 その後、<セタス>はアルキメデス三角転送機に向かった。しかし、 ローダンはアトランにソル系を現在に戻す事はもはや不可能だと 告げた。ATGフィールドが過負荷状態にあるためである。そのため 全てのロボット部品は地球まで通常のリニア飛行で届けねばならない。 <セタス>はラール人の封鎖を突破し、時間通路を使って地球に到着した。 (訳注:正しくは、USOの超ど級戦艦<ムナ・タイティアル(MUNA-TATIR)> をへチクが指揮し、強行突破したらしい。)

今度は、科学者達が新たな問題に直面した。ネーサンがこの情報の アップロードを拒否したのだ。インポトニクス細胞の速やかな調査より 細胞のいくつかが病気で、巨大コンピューターを支配していたのだ。 グッキーは月面上で病気の細胞を取り除くためのコマンドの指揮をとった。 作戦は成功しネーサンに以前のデータベースがアップロードされた。 (訳注:このコマンドにはシガ星人が参加していたらしい。) 14608体のロボット達はキント・センターに送り戻され、バックアップ として使われることになった。

ペリー・ローダンはテラナー達に彼の計画を打ち明けた。地球と月はツインソル 恒星転送機を抜けて銀河系の秘密の場所で実体化する。これを成し遂げるため 32基の人工太陽が地球の周りに据え付けられ、太陽の変わりを務めることになる。 (訳注:当然、ローダンの地球移動計画には反対も多かったが、ソラーホールの 演説の後、辛うじて過半数の承認を得た。)


673 - 宇宙船<地球> Raumschiffe Erde
Spaceship Earth
Kurt Mahr

地球と月のツインソル恒星転送機に向かう旅は3460年2月2日に予定されていた。 その間、地球の政府はこの大胆な計画に反対する一部の人々からの不穏な行動に 直面しなければならなかった。 (訳注:ネリバー・ヘロン(Neliver Heron)の 反地球移転計画運動のためブリーもあやうく命を落としそうになった。) しかし、時間潜航艇技術の御蔭でATGフィールドを超重族とラール人の1艦隊が 突破したとき、全ての反対意見は影をひそめた。テラナーは最新装備で 侵入者をなんとか滅ぼすことができたが、ローダンはこれが執行猶予にすぎず 最後にはラール人が時間潜航艇の大量生産を再び始めるであろうことを 知っていた。 (訳注:673話は主にブリーの1人称で語られ、彼の最新宇宙船<システィナ( SISTINA)>が舞台になることが多い。<システィナ>の艦長はエフレム・マラボール( Efrem Marabor)。)

1隻の小型船がテラナーの攻撃をかわしたようであった。この船は エンジンを使わない限り探知を困難にする対探知技術を備えていた。 ブリーはこれを追跡しようとしたが、最後にはシュプールを見失ってしまった。 (訳注:パリクツァ艦隊の第二ベジールであるミリアナド(Myrianad)が この艦長で、ラール人の最終通告をも伝えたらしい。)

デッドラインが近づいた時、地球は他の惑星から50億以上のテラナーを 受け入れた。その疎開の最中に、地球が恒星転送機近くを移動するときに 太陽から守るためのパラトロンバリアがはられた。

計画の日、1万隻以上のギヤラクシス級の宇宙艦隊が地球と月を曳航始め、恒星転送機 に向けてコースを定めた。実験は成功した。二重惑星は目標に向かって移動はじめた。 2週間以内にその目標に到達するであろう。

その間(訳注:3460年3月1日のこと)に、 探知不能な宇宙船が再び目撃された。その船は水星に向かっていた。 破壊されそうになったとき、その船は姿を消した。ブリーは 超重族がフィクティヴ転送機に似た技術を使ったに違いないと出し抜けに理解した。 実際のところ、宇宙船は水星上で実体化し、その表面に激突した。しかし、墜落点は ATGフィールドジェネレーターから遠く離れていた。テラのコマンド( 訳注:ブリーと<システィナ>の乗員、ランド・ウエーバー(Rando Weber)と フェルーカ・ティンダム(Fellukh Tingdam)のこと。) が水星表面で超重族を追跡はじめた。

テラナーが介入する前に巨大な爆発が水星を揺さぶり、ATGフィールドジェネレーター を破壊した。時間フィールドは崩壊し、ラール人と超重族は大挙して太陽系に 侵入した。しかし、おそすぎた。(訳注:実際のところ、地球の転送は3460年3月7日 に行われたのだから、太陽系艦隊が1週間持ちこたえたことになる。なお、 後の話から推察すると、この間に ブリーは水星から地球に辿り着いたらしい。) 敵船団が接近したとき、地球と月は恒星転送機の 中にいた。二重惑星が恒星転送機で消えた直後、コルボトは軌道を離れ、太陽系の 重力バランスを保つためかつての地球の場所を占めた。

アルキメデス恒星三角ではアトランは恒星転送機が動作した事を示すインパルスを 探知していた。しかし、何も出現しなかった。科学者達は直ちにビデオフィルムを チェックした。地球と月は数分の1秒だけ恒星転送機のただ中に現れたものの、 突然消えてしまった。

地球は消えてしまったのだ。 (訳注: ブリーをおろした<システィナ>は、ミリアナドの宇宙船を破壊し、 リニア飛行でアルキメデス恒星三角に辿り着いたらしい。)


674 - ドレーム人の国で Im Land der Dreemer
In the Land of the Dreamer
H.G. Francis

アルキメデス恒星三角ではハイパー物理学者のワッダー・クレメイン(Wadder Krermein) 地球に何が起こったかについてのコンピューターの最新解析を読んでいた。その評価に よれば、92%の確率で地球と月は転送の間に破壊されたことになる。そんな状況では クレメインはラール人の裏をかこうとすることに意義を見いだせなく、テラナーを 裏切ってラール人からの好意を取り付けようと決意した。彼はシャトルを盗んで 二人の同僚と共に逃走した。 (訳注: クレメインは、ラーレ人に、Archi-Tritrans、キントセンター、 それにプロブコンーファウストの位置や秘密を教え、 代わりに一つの惑星をもらって生き延びようという作戦であった。 同行したのは、ペルティック・トルミンチョ(Peltszik Truminchco) とカルモネ・ペンティヌラ(Carmone Pentinura)。 )

しかし、クレメインは自分の読んだ解析結果が正しくないことを知らなかった。 地球が転送を生き延びている確率はもっと高かったのだ。アトランが物理学者 の裏切りを知った時、彼はへチクに追跡を命じた。(訳注:ポタリ・パノでの 功績によりヘチクは提督に昇進していた。)

盗んだシャトルで3人の逃亡者は皇帝カール(Emperor Karl)と呼ばれる技師を 発見した。彼はシャトルのエンジンは交換作業中で、数千光年より遠くまで 彼らを運ぶことは出来ないと話した。超空間通信機も壊れている。彼は 技術支援を申し出て3人の男は渋々了承した。カールは超空間通信機を 修理したが、クレメインがラール人を呼び出そうとしたとき、テラナーにも 通知されるように改造した。(訳注:カールは盲目であったが、元USOの スペシャリストであった。

ヘチクはこのシグナルを受信したとき、直ちに発信源を見つけようとした。 その間、シャトルはクリアウオーター(Clearwater)と呼ばれる惑星に接近し、 カールは3人の逃亡者を見捨てようと決意した、大気圧宇宙服を着用して 彼はシャトルを離れて惑星に着陸した。その直後、宇宙船はクリアウオーター に墜落した。

科学者の小グループがこの惑星で働いていた。彼らの使命はドレーム人と 呼ばれる小動物を研究すること。これはいくらかの知性を持っているように 思われていた。(訳注:体長は160センチほどで、外形は 緑色の半知性体ビーバー。これまで、7名の動物学者のドレーム人との コンタクトの試みは悉く失敗していた。動物学者の一人は女性で名前は エゼレット・ウォルフ(Eslet Wolf)。) クレメインが最初に研究者達とコンタクトをとった。 (訳注:ペンティヌラは仲間割れでクレメインに殺され、トルミンチョは墜落 の際に瀕死の重傷を負い、その後熊に襲われて殺されていた。この熊は クリアウオーターの猛獣でカール自身も後に片足を失うはめにあったらしい。) 疑いを知らない科学者達は彼に援助と食物を与えた。(訳注:彼らは、 スペースジェットに人がまだ生き残っているという嘘でおびき出され、 そのすきにクレメインはハイパーカムでラーレ人を呼び出すことに成功した。) カールはドレーム人(Dreamers)たちと出会い、彼らは知性があることを 明らかにした。(訳注:カールが宇宙服の飛行装置の故障で負傷し、 熊に襲われたときに助けてくれたのがカニット(Kannit)という名前のドレーム人。) 彼らの援助でカールはクレメインに追いつき、物理学者が ラール人にアルキメデス恒星三角についての情報を伝える前に 彼を殺すことができた。 (訳注: エゼレット達の研究ドームには、すでにクレメインがバリアをはっており、 カール達にはなすすべがない。そこで、カニット達に連絡を取り、 ドレーム人にドームの地下に穴をほらせ、その上の建物を傾かせる。 上空からSVE宇宙船が現れドームに接近していき、皆があきらめた かけた瞬間、ヘチック将軍率いる宇宙船から射出された スペースジェットが現れ、ドームを破壊してクレーターに変える。 次の瞬間には、このジェットもSVE宇宙船に破壊されるが、 人類の危機も去ったのであった。)


675 - 権力のモニュメント Monumente der Macht
Monuments of Power
H.G. Ewers

ロクティン・パーは惑星オリンプにやってきた。彼はアンソン・アーガイリスと のコンタクトを望んでいた。超重族が惑星の支配権を握って、数多くの人々が 逮捕されつつあった。ロクティン・パーが抵抗運動からの使者とコンタクトを 取っていたとき、黒いピラミッドが惑星オリンプの空にあらわれ、静かに 着陸した。 (訳注:そのころ、オリンプのラール人司令クラトス・パイル(Kratos-Pyr) は、テラナー科学者タク・ソン(Tak Son)と、ユメコ・チャンドリ(Yumeko Chandri) の開発した分子変換能力を持つ人造生物ロキ(Loki)を手にいれ、 オリンプ地下のアーガイリスの秘密基地の詳細を暴こうとしていた。)

別の仮面を使って、アンソン・アーガイリスはこれまでのところラール人の 警察からうまく逃げていた。彼は地下のシェルターに隠れて数多くの 罠で守られていた。ロクティン・パーはようやく彼のところに案内された。 (訳注:この時、彼は皇帝のマスクではなく太った女スプリンガーのマスクを 付けていたらしい。) アーガイリスの驚いたことに、ラール人は彼の援助を求めて惑星オリンプに やってきたのだ。

黒いピラミッドについて聞かれて、ロクティン・パーはこれらが征服の シンボルであると説明した。宇宙の目標点。一旦公会議が新しい 銀河を支配したとき、ピラミッドはそのエリアの治安保持のため 至る所に配置される。(訳注:それゆえ「権力のモニュメント」 と呼ばれている。高さ300メートルほどで6角形の底面を持つ。) ピラミッドは宇宙船であるが、ラール人もヒュプトン人 もこれまで内部をのぞいたことがない。なぜならば、アルビノ・サークル( Albino Circle)と呼ばれる死の力場で守られているからだ。 ラール人は誰がピラミッドを操縦しているのか全く知らない。 これらピラミッドにはもう一つの目的がある。SVE船の極ブロックに 再充填すること。それゆえ、ラール人の権力は黒いピラミッドの 時を得た出現に依存している。ロクティン・パーはこれらピラミッドの 一つの内部に侵入することをアンソン・アーガイリスに依頼するため 惑星オリンプにやってきたのだ。彼はロボットなので、アルビノ・ サークルを生き延びる事が出来るだろう。皇帝は承諾した。

もし生きている人間がアルビノ・サークルに入ったら、彼の肉体は 色を失い、直ちに死亡する。アンソン・アーガイリスは力場内に 踏み込み、有機体でそのため直ちに屈服した仮面をのぞけば、 彼は実験を生き延びた。アーガイリスはピラミッドに入った。 同じ時刻に一隻のSVE船がピラミッドの頂上の上空にやってきて、 極ブロックの再充電を受けていた。突然、巨大な爆発が大地を なめ尽くした。ロクティン・パーは意識を失う前に巨大なアーガイリス の顔が一時的に大空に見えたような印象を持った。 (訳注:この爆発でアーガイリスはバイオマスクが燃えてしまい、 卵型のVario-500ロボットのすがたとなってしまう。またその衝撃で、 正常に飛行できなくなってしまう。)

彼は目覚めた時、ピラミッドが頂上部に損傷を受け、SVE船が破壊された ことを知った。彼は遠くにアーガイリスの姿を見た。明らかに損傷を受けていたが、 まだアルビノ・サークル内部に留まっていた。彼はロボットを何とか彼のほうに 向け、そして皇帝を抱えて脱出した。 二人の男はSVE船に追跡されたが皇帝の秘密本部に無事辿り着いた。 (訳注:半ば壊れたアーガイリスは、地下秘密基地へ通じる秘密通路のコントロール半ば失い、ロクチンパールは何度も危機にたった。アーガイリスが教えたパスワードの 一つがロウ・ダントンという記述がある。 アーガイリスをロクチンパールは修理をしようとするが、 まったく不可能であった。幸運にも、 アーガイリスは自己修理機能をもっており、しばらくすると行動可能になった。 また、ロキとその創造者たちがラーレ人を裏切ってラーレ人への攻撃をしたため、 ラーレ人には混乱が生じていたことがアーガイリス達の幸運であった。 ) 彼らはシャトルに乗り込み、ラール人が最終的に 秘密基地に踏み込む直前に惑星オリンプを離れた。アーガイリスが目覚めたとき、 彼はピラミッド内部での出来事は殆ど何も思い出すことは出来なかった。 (訳注:唯一報告できたのは、漆黒のピラミッドの内部が虚無であることのみ。 アーガイリスは、地下秘密基地を正常に機能させて、ラーレ人への抵抗の拠点にするべく、再び転送機でオリンプへ帰還する。)


676 - 星の渦流 Im Mahlstrom der Sterne
In the Maelstrom of the Stars
Hans Kneifel

地球と月は宇宙の未知領域で実体化した。これら2惑星を運びさるようなエネルギー 嵐の真っただ中で。(訳注:これは、銀河と銀河の間の5次元空間の嵐で、 さしあたり地球が巡った新しい太陽は赤色巨星から、青色わい星へと変化する恒星 であった。) あらゆる種類の揺動のため、2惑星の所在地を正確に 知ることは不可能であったが、科学者達はエネルギー嵐が二つの銀河の 間に広がっており、そのうち一つがおそらく天の河であろうと推察した。

エネルギー嵐は地球に多くのやっかいな影響を与えた。 第一に地震と津波が大地をなめつくした。(訳注:原書のイラストには 水没した自由の女神?とボートに乗って避難している人々が描かれて いる。) その時、月の超コンピューター、ネーサンが奇妙な振る舞いを 示していた。グッキーとラス・ツバイが調査のためにそこに派遣された。 (訳注:ここはセドリック氏の誤解か?月にはブリー、 ツバイ、イルミナ・コチストワ、ワリンジャーが派遣されたのが正しい。) また、ホワルゴニウムの備蓄が非常に不安定化し、サンプルが ロケットと化して飛び回っていた。(訳注:何億トンもある ホワルゴニウムの保管庫はボロボロになったらしい。 グッキーとフェルマー・ロイドが派遣されたが、 ロイドの肩にホワルゴニウムのブロックが当たり、 かれは気絶し、ハイパー放射につつまれたまま、 ホワルゴニウムの巨大な固まりへと運ばれてしまった。 ) そして、最後に全ての宇宙船のリニアエンジンが動作不能になった。

月ではネーサンのプラズマが狂暴化して基地を浸しつつあった。 訳注:白色の溶岩流のように、 手当たり次第にまわりを破壊しながら地下へとゆっくり流れていった。) テラナーは気違いのように暴れ回るプラズマ細胞を回収しようとしたが、 その巨大な質量を前にして退却せざるをえなかった。 フェルマー・ロイドはプラズマが恐怖のインパルスを発しているのを 探知した。それはエネルギー嵐からやってきた何物かを恐れている ようであった。(訳注:ロイド自身は地球に居るはずなので、プラズマの 恐怖感を遠距離から探知したということか?) テラナーはプラズマが単に一つにまとまろうとしているだけであることに 気が付いた。これをアレンジしてもらうや否やプラズマはもはや逃げ出そうとは しなくなった。

地球ではホワルゴニウムの備蓄が最終的に鎮静化された。 (訳注:地球と月は、5次元空間の嵐から、脱出したのだ。) ワーリンジャーは5次元合金がアルキメデス三角恒星転送機を 抜けた転送が失敗した理由ではないかと疑っていた。 地球に貯蔵された巨大な量は転送機の通常機能を変更させる 強い放射を発していたにちがいない。

5月10日、地球と月の状況は通常に戻った。


677 - グロファール人の遺産 Das Erbe der Glovaaren
The Legacy of the Glovaarians
Clark Darlton

ホワルゴニウムの貯蔵庫を調査中にグッキーは思考インパルスを探知した。 彼はそこにテレポートし、コンドルに似た生物の遺体を発見した。その生物は もはや思考を発していないが、グッキーはそれがインパルス源であると確信した。 しかし、どうやってその鳥がそこに辿り着いたのかは彼にも解らなかった。 (訳注:体長約2メートルの鳥は、おそらく 5次元空間の嵐の中で転送されてきたのであろう。)

ゴシュモ・カンは地球が転送機を通過する前に一隻のポスビ船を 5次元放射からも安全な場所に隠しておいたとローダンに語った。 方形船のリニアエンジンは完全に動作するようであった。テスト飛行が 決定された。(訳注:乗り込んだのは、 ブリー、ゴシュモ・カン、グッキー、ロイド等。グッキーは、「小コンドル」 と名付けたコンドルの死体もポスビ船に積み込んだ。)

<Box 7149>は地球を離れ、近くの星に向かってリニア飛行を始めた。 エンジンは動作しているようであった。その星の近くに到着したとき、 一隻のピラミッド船が近くに探知された。グッキーは船上にテレポートし、 ホワルゴニウム貯蔵庫で発見したのコンドルとよく似た生物を発見した。 彼は、何か未知の理由から、おそらくはホワルゴニウムからの放射のため、 この鳥が地球に転送されたのではと疑った。始めは死んだように見えたが、 鳥たちは急に目覚めた。彼らは生来のテレパスであることが解った。 グッキーは彼らをグロファール人(Glovaarians)と名付けた。

グッキーは彼らとの会話をはじめ、彼らの歴史を知った。 20億年前、二つの銀河が衝突した。その後、銀河は互いに離れてゆき 今地球が捉えられているこの「星の橋」が形成された。(訳注: rlmdiでは星のメイルシュトリームあるいは大渦巻とも訳されている。 以後は星のメイルシュトリームという用語を使うことにする。) ほとんどのグロファール人はこの事件で死んで、生存者達は彼らの種族の 他のメンバーを見つけるために旅立つことにした。(訳注:彼らは 20億年前からの種族なのか?) グッキーはイムプ(Imps)についても学んだ。テレパシー貯蔵庫の 名前で、グロファール人はここにより多くの情報を蓄えている。 彼がさらに質問を行う前に、グロファール人の敵対グループは テラナーを攻撃することに決めた。グッキーは捕虜になった。 (訳注:同行したロイドとブリーも同様。)

グッキーを人質にして、彼らは方形船に乗り込んできた。彼らは全てテレパス なので、彼らはテラナーの意図を察知し、大部分を捕虜とするのに 何ら問題はなかった。麻痺されていたものの、グッキーは地球で助けた 鳥型生物(訳注:小コンドルのこと。彼も蘇生したらしい。) とコンタクトをとり、彼からの救助を得た。テラナーは再び ポスビ船の支配権を取り戻したが、グロファール人はひどい損傷を 与えていた。 (訳注:グロファール人のテレパシーで一時的に制御を失った ポスビ船のロボット司令POS-1は船をグロファール船にぶつけてしまった らしい。)

グロファール人は失敗したことを悟った時、死にはじめた。グッキーは 立ち往生したピラミッド船から1体のイムプを救助できた。その一種の 位牌は星のメイルシュトリームの一端で発見できるある権力者(訳注: 力強き者?)の存在に言及した。この権力者はエネルギー嵐で与えられる 巨大なエネルギーを使うことが出来るらしい。グッキーがそれ以上の 情報を引き出す前にイムプはエネルギーを使い果たした。 (訳注:この会話はポスビ船の救命艇で行われた。イムプは艇の コントロールを乗っ取り、やがてこれは恒星へと向かい自爆した。 グッキーたちは辛うじてテレポートで脱出した。)

その間、<BOX-7149>は殆ど難破船になっていた。テラナーは辛うじて 彼らが目指していた太陽を巡る唯一の惑星に不時着した。 (訳注:しかし、ハイパー空間の嵐の影響で地球と コンタクトをとることはできなかった。)


678 - 3460年のゼウス Zeus Anno 3460
Zeus 3460 BC
William Voltz

<BOX-7149>はゴシュモ・キャッスル(Goshmo-Castle)と命名された惑星に不時着した。 (訳注:星々の渦流にある赤色恒星メダリオンの惑星。ゴシュモ・カンにちなんで 命名されたが、彼自身はまったくこの名前を気に入っていなかった。) テラナーたちは原住民に攻撃されたが、容易に撃退することが出来た。 (訳注:原住民はムシーラー(Mucierer)、ないしはムシュール人という名前で、 こうもりに似た 飛行能力ある知的生物。彼らの文明は地球の10世紀相当。黒色火薬を使いこなし、 ブースターや大砲として利用しているため、空飛ぶ大砲と呼ばれることもある。) 船の損傷を調査しているとき、一人の巨人があらわれた。彼は身長250メートルで ゼウス(Zeus)と自称した。彼は、テラナーたちが今や彼の捕虜であり、この惑星に 永久に留まることになると、彼らに宣言した。素早い攻撃の試みで明らかになった のは、在来兵器ではいわゆる神々の父を傷つけることが出来ないことであった。 彼は全くの現実的に見えても。

ゼウスは一人の助手をテラナーの監視に派遣した。彼の名はフォンテイン(Fontain) で、サイボーグであった。ブリーはゼウスに彼らの船を破壊するつもりかと 詰め寄ったが、これに対し神はそのようなつもりは全くないと答えた。 そのような事態になれば、テラナーたちは脱出の望みを全く失ってしまうだろう。 そして、彼は囚人たちが彼を楽しませる事を期待しているのだ。

ゴシュモ・カンはフォンテインの調査を始めた。彼は何世紀も前にポスビの秘密を 発見した、今は亡き人工頭脳学者(cybernetician)ファン・モデルスの研究に 造形が非常に深かった。これらの理論を適用し、ゴシュモ・カンはフォンテインを パラドックスループに誘いこむことが出来、サイボーグは自己破壊を始めた。 ゼウスが何が起こっているかを理解したとき、彼はポスビ船を破壊すると脅したが、 おそすぎた。フォンテインは活動を停止した。

ゼウスはテラナーに対して実力行使にでた。彼は雷光で彼らを攻撃し始め、 方形船は致命的な打撃を被った。グッキーはメンタル的な戦闘で彼に挑みかかった。 (訳注:修理されたポスビ船のバリアはあまり役にたたなかった。救命艇で 突撃し、爆弾を持ってテレポートしたグッキーはゼウスに 捕まってしまう。) 彼がやられそうになる寸前に、ゼウスは攻撃を止めた。彼はネズミビーバーに、 テラナーとの戦いが彼にとって空しい事を話した。なぜならば、彼が欲するものは 仲間であるからだ。最初は疑ったものの、テラナーたちは、ゼウスが本当に 敵対行為を止めようとしている事を理解した。 神は彼らに、この宙域の実際の支配者たちについて警告した。彼らは神の敵で、 今やテラナー達にも攻撃を行なうであろう。

ブリーはゼウスが実は「それ」ではないかと考え、神に正体を問いただした。 ゼウスは本当の姿を見せることを承諾した。彼は身長5メートルのアリに似た 生物であった。(訳注:ゼウスないしツォイスの正体は もう少し後の話で明らかにされるらしい。ここでは ゼウスが孤独を慰めるために ポスビ船の出発を妨げていた事だけを記しておく。)

(訳注:678話はフィルズという名前のマット生物ウイリーの視点から物語が 始まっている。)


679 - ピラミッドの魔圏で Im Bannkreis der Pyramide
In the Pyramid's Zero Field
Ernst Vlcek

地球では太陽系艦隊の9万6千隻の宇宙船が突然リニア航行能力を取り戻して いた。しかし、それはほんの数分しか続かず、再びリニアエンジンは動作不能と なった。(訳注:数分しか続かなかったのは、たまたまリニアエンジンを 機関士がオーバーホールしていた<サラゴサ>のリニア飛行。リニアエンジンは その後も使えたから、<マルコ・ポーロ>がゴシュモ・キャッスルに飛ぶことが できた。) ゴシュモ・キャッスルから在来のシャトルで帰還中のグッキーはローダンに 現地で起こったことを話した。彼らは、このパワー急増(訳注:リニアエンジンが 使えるようになったこと)が起こったのはゼウスが本来の姿を表したまさに その瞬間であることに気が付いた。

ローダンはゼウスとの会見を決意した。 彼は<マルコ・ポーロ>に乗船し、ゴシュモ・キャッスルに向かった。 しかし、彼らがその座標に到着した時、惑星は見つからなかった。

ゴシュモ・キャッスルではブリーは<マルコ・ポーロ>が大気中を接近し、 惑星表面をあたかも何もないかのように通過する様を眼にした。 当惑して彼はゼウスに何が起こっているのかをたずねた。神は 以前に彼が話した敵がゴシュモ・キャッスルにピラミッド状の宇宙船を 1隻着陸させようとしていると説明した。ゼウスの唯一の防御は惑星を もう一つの実在平面に移すことだ。しかし、彼の反応はおそすぎて、 ピラミッドは着陸してしまった。そして、さらに悪いことに、<マルコ・ ポーロ>は惑星の反対側で不時着し、今敵の封じ込めフィールドに 捕らえられている。このフィールドはゼロフィールドとも呼ばれ、 あらゆる電気及び原子力ベースのエネルギーを中和してしまう。 (訳注:そしてこのフィールド内でのみ通常空間からゴシュモ・キャッスル に到着できるのか?)

<マルコ・ポーロ>船上ではテラナー乗員たちが最大限の困難を払って 脱出を試みていた。なぜなら、エレベーターも反重力シャフトもあらゆるものが 動作しないからだ。(訳注:換気装置も動作しないから艦内に留まることも できない。) 船外にでたとき、彼らはピラミッドの天辺に着陸したことを 知った。(訳注:高さ6千メートルのピラミッドに直径2500メートルの球形船が のっかった様はさぞかし壮観であったろう。) そのピラミッドからはある種のフィールドが発せられ、彼らを世界の 残りとを隔離していた。ブリーとゼウスはようやく不時着点に到着し、手話によって 会話を行なった。ゼウスはローダンにピラミッド内のあるスイッチを探すように 話した。これがゼロフィールドを停止させるだろう。 (訳注:お決まり事だがゼウス自身は援助できない。ゼロフィールド内に 住むラントーというムシューラーの一族の援助を得るため、オラナが ギリシャ神話で拉致されたゼウスの妻ダイアナに仮装したのは作家ヴェルチェク の遊び心か?何れにせよ、彼らの援助で動き出したヘリウム気球船と 彼らの側面爆撃がなければピラミッドへの突入は出来なかっただろう。)

彼らはピラミッド内部に血路を開き、ヒキガエルに似た生物と戦闘を開始した。 この守護者たちの思考は殺人と破壊のみに集中しているようであった。( 訳注:ミュータントたちの御蔭でヒキガエルたちは地下のトンネルへと逃げて 行き、ローダンは深追いはせず、 ワリンジャーの推測に従い、ピラミッド上面の金属体を捜索することにした。) 司令室はロボットに守られていたがグッキーはゼロフィールドを彼らに対して 逆用した。(訳注:司令室のみゼロフィールドの効果が中和されていたため、 エネルギー兵器を持つロボットに対してはなすすべがない。 ローダンはタクヴァリオンの背にのり、 オラーナとともにロボットを地下シャフト近くまでおびき寄せる。 司令室の床の爆発で地下シャフトに落とされたロボットたちは、 ゼロフィールドのため飛翔することもできず、地下に激突した。) そして彼らはゼロフィールドを解除した。

(訳注:ピラミッドが破壊されると同時に<マルコ・ポーロ>は オートパイロットで浮遊し、テラナーたちは数千メートル上空からの スカイダイビングを体験することになる。そのような中で、 ゼウスは、ローダンとオラーナを巨大な手のひらに載せると、 ブリーの話以上に美しいというと、大きくきょう笑した。 )


680 - 征服者の懲罰惑星 Strafplanet der Eroberer
Prison Planet of the Conquerors
H.G. Francis

キント・センターではアトランとジュリアン・テイフラーが内部ファイルを 調査していた。彼らは恒星転送機技術にたけた 二人の科学者、ゼルンボルグ(Theinbourg、 訳注:これはセドリック氏のミススペル であろう。原語はGoan Den Thelnbourgであるから ゴアルン・テルンボルクとも読める。本要約ではソラーフリートの久保氏の 訳語を使うことにする。)とコンシュー(Conschex Esto、訳注:同様に エスト・コンシェクスとも読める。)、 について知った。残念なことに、彼らは超重族に捕らえられ、未知の 場所で捕虜になっていた。(訳注:ゼルンボルグらは艦隊の仕事を早期に辞め、企業の 仕事についていたため、地球転送の際には、土星基地にいて取り残されていた。 そのため、科学者たちはレティクロン指揮の超重族の捕虜になった。アトランは彼らが地球転送の秘密を握っているため、地球の行き先への手がかりを得られるのでは と期待した。また同時に、恒星転送機の情報が超重族へ漏れることを恐れた。) アトランはロナルド・テケナーに 彼らを探すように命じた。

偽名(訳注:プロスペクターのタプホン・レブリン)を帯びてテケナーと彼の部下 (訳注:ロジャー・ガイスバンク(Roger Geiswank)とホーニッシュ・ロップ( Honish Lop))は 超重族に捕まり、火星の収容所に送られた。そこで、彼らは二人の 科学者がワツタイン(Watsteyn)と呼ばれる収容所惑星に抑留されているに違いないこと を知った。テラナーたちはそこに移送されるように策略を巡らした。 (訳注:ワツタイン、あるいはバツテインとも呼ぶ、は恒星 EX-19036-PEMPEY-Nordの第二惑星。元々は中央銀河ユニオンの所有であった。)

ワツタインではゼルンボルグとコンシューはキャンプからの脱走に成功したが、 惑星の敵対的なジャングルで孤立無縁であった。 (訳注:深いブッシュへと逃げ込み、真っ暗な洞窟に落ちてしまう。彼らは、 そこで先史文明の遺跡を発見するものの、そこからの脱出の試みはすべて失敗し、 疲れ果て、やがて訪れる死を待つだけとなってしまった。) テケナーが到着したとき、 彼もまた脱走して二人の男を探すより他にみちはなかった。 (訳注:ここは一寸違う。テケナーたちは囚人キャンプで反乱を起こし、 超重族の支配者クレハン・ドナンダイア(Krehan Dunnandeier)を人質に することに成功した。そして、アントンという詐欺師が二人の脱走に関与した ことを突き止めた。)

アトランはキント・センターから4万光年かなたにいるミュータントたち を訪問するため旅立った。幽体ミュータントたちは天の河での最近の 事件に触れることが殆どなく、アトランは彼らの要求を満たしてやった。 アトランはタコ・カクタを伴って戻るためにやってきたのだ。 これにより、彼はテレポーテーション能力が使えるようになるのだ。 (訳注:彼らはワツタインの地表に密かにテケナー脱出用超小型転送機を 隠した。)

テケナーはようやく、最近の冒険で憔悴しきった二人の科学者を発見した。 (訳注:ゼルンボルグが引き起こした爆発がのろしとなったのだ。) 彼らはみな安全にシャトルに移送されワツタインを離れた。 (訳注:テケナーも太ももに負傷し、アトランの置いた転送機も破壊される など、安全と言うにはむりがあるかも。なお、二人の部下はワツタインに 残り、他の囚人たちの安全確保に務めたらしい。) テケナーは彼らが困難な任務を任されたことを告げた。アルキメデス恒星 三角転送機で失敗した事件で地球が何処に転送されたかを見つける事。


681 - 恒星五角形 Das Sonnen-Fnfeck
The Pentagon of Suns
Kurt Mahr

アトランは密かにミッドウエイステーションでマークスと会談を持った。 天の河から80万光年離れた大虚空の宇宙駅で。彼はマークスたちに、アンドロメダ の全ての恒星転送機をモニターしているかどうか、もしそうなら、最近何か 特別なことに気が付いていないかをたずねた。グレク1は全てのアンドロメダの 恒星転送機はマークスの絶え間ない監視下にあり、最近何か重要なことが 起こったことはないと答えた。そして、グレク1は彼らがモニターしていない たった一つの転送機があることを思い出した。 ゲルクスフィラ(Gercksvira)である。(訳注:ソラーフリートの久保訳では ゲルックスヴィラとされている。 マークス語で“全ての低地の最も低い所”という意味のレムールの恒星転送機。 5個の青色巨星から構成され、第三を惑星トクトン、第五を惑星ペシュナートが廻る。 レムール人の安全処置である“狂気バリアー”に包まれており、これは マークスを除いて作用する。)彼がまさにその理由を説明しようとした時、 二人のラール人工作員が会談に乱入し、彼らを撃ちはじめた。

アトランと部下たちは辛うじて脱出した。マークスもまたラール人の 攻撃に驚いたようであった。ラール人が大虚空に進出し、おそらく アンドロメダも同様であとうという事実が残った。(訳注:ラール人 工作員はアトランの部下のラール技術専門家リヌス・メイセイとエレリ・ ノーハムにより殺された。)アトランはこの件を調査することを 決意し、隣接銀河に向かった。

アンドロメダ周辺部ではクラルトモク(Kraltmock)星系に小規模な テラ植民地が築かれていた。(訳注:ソラーフリート訳では クラルトモック。10個の惑星(第三はセムテンツ)を 持つ星系は、テラナーがマークスより買い取り、 条約に基づいてここに滞在することを 許されているアンドロメダの治外法権領域であった。) 1隻のマークス船が惑星(訳注:植民地のある第三惑星 チェムテンツ(Chemtenz)のこと。ケムテンツあるいはセムテンツと 訳されることもある。) に着陸し、テラナーに惑星からの即時退去命令を 伝えた。テラ大使は要求に従うことを拒み、二人のマークス代表者 を捕らえた。(訳注:大使の名はバルマー・アグボッシュ(Bulmer Agbosht)。 着陸したマークス船は核爆発で破壊され、かれは植民地ニューデリンゲンの 人々の疎開を開始した。) すぐに全マークス艦隊が惑星を包囲し攻撃を開始した。

アトランはクラルモトク近くに到着し、テラナーたちの救出を試みたが 事態は絶望的であった。マークスの特大宇宙船が 主席全権大使(訳注:外務大臣?マークスには珍しく、チュルック・カシム( Chruq-Khajim)という名前を持っている。)を乗せてこの星系に実体化した。 彼はアトランとの会談を求めた。ようやく彼らは全ての戦いが誤解に よるものであったと同意したが、大使は要求を繰り返した。 テラナーはできる限り速やかにこの星系を離れなければならない。 アトランは今や、ラール人がアンドロメダまで足を延ばし、 マークスがテラナーとコンタクトを取らないように圧力をかけている 事を知った。

ゲルクスフィラについて聞かれて、マークス大使はアトランに この転送機は致命的な放射を発していると説明した。これにより 既に数多くの船が失われていると。しかし、彼はテラナーたちを そこに送り届けることに同意した。(訳注:無論アトランもこの テラナーたちに含まれる。他に恒星転送機のスペシャリストの ゼルンボルグやコンシューもマークス船に乗船した。)

彼らが五角形を形成する恒星からなる転送機に接近したとき、テラナー の居室が突然アンモニアで満たされた。すぐに重力は3Gに達した。これは マークスにとっての通常の生活条件であった。テラナーたちは手遅れに ならないうちに自分たちの宇宙服を身につけた。最初、アトランは マークスたちが自分たちを殺そうとしていると考えた。しかし、全マークス 乗員が狂人の様に振る舞っていたため、転送機に接近し過ぎたことが分かった。

アトランはマークス大使を救助し、全員でシャトルで脱出した。 その直後、マークス船は爆発した。彼らは直にマークス艦隊の残りに救助された。 報告書の中で、アトランはゲルクスフィラから発せられる死の放射は アルキメデス恒星転送機内で地球に起こった事と何らかの関係があるに 違いないと考えていることを明らかにした。彼は恒星五角形の秘密を 解明しようと決意した。


682 - 胎児の恐怖 Terror der Ungebornen
Terror from the Unborn
Hans Kneifel

アトランはゲルクスフィラ恒星転送機に接近し、制御ステーションを 探した。(訳注:<インペラトール7>にはお目付け役のマークス グレク-28とグレク-281も同行したが、前話でのマークス艦爆発地点に 近づくにつれてマークスは正気を失い、狂いだしたためパラライザーで 麻酔させられた。) 青色巨星の二つは惑星を持っていた。彼らはトックトン( Tockton、訳注:恒星Nr.3を廻るこの惑星は後期レムリア語で“黄昏” という意味。ソラーフリートのレキシコン翻訳プロジェクトではトクトン と表記されていた。)と命名された最初の惑星に向かった。それは荒廃し、殆どが 湿地で覆われているようであったが、かつてのレムール建造物がまだ 認められた。もっとも、それらはおよそ5万年前の古いものであったが。

アトランは小コマンドと惑星に着陸し、敵対する動物たちと戦いながら 湿地を進んでいった。(訳注:アトランの他に恒星転送機のスペシャリストの ゼルンボルグやコンシュー、オクストーン人サバイバルスペシャリストの ポウロル・オルトクル(Powlor Ortokur)、ネリマン・トゥロッキー(Neryman Tulocky)、それにパイロットのブレスター・テンハーベン(Brester Tenhaven)が 参加した。) 最後に彼らはあるタワーに入った。力場で守られて いたが、タワーはテラナーを中に受け入れた。おそらくレムール人と 間違えたのだろう。(訳注:60メートルもある巨大なヘビ、巨大なわし、さそりなど と格闘している間に、出現した3角形の光に導かれてタワーに入った。) 彼らは内部でミイラ化した数多くの死体を発見した。 ミイラの調査では制御ステーションの所在についてのヒントは何も得られなかった。

別室では彼らは14体の胎児を発見し身を堅くした。コマンドの一人ブレスター( Brester)が彼らとのテレパシーによるコンタクトに成功した。胎児たちは 敵意的で、テラナーにそれを隠そうとはしなかった。彼らの一人が「自然の 記憶庫」について言及したがそれ以上は何も話そうとはしなかった。彼らは 惑星の動物相を支配下に置いているようであって、テラナーたちは直に 沼地の生物による激しい攻撃を受けた。彼らは何とか撃退することができた。

シャトルへの帰途、彼らは平和的な外見の動物の群れに気が付いた。他の動物体系と 振るまいがあまりに異なるのに気にかかり、彼らはそのうちの1匹を船に乗せ 調査することにした。 (訳注:より正確には、胎児たちから、北の山中にある、生体データ貯蔵庫、 即ちグラウンツァーに彼らの必要とするデータがあると示唆されていた。)

グラウンツァー(Graunzers、訳注:久保訳ではこの熊と犬のあいのこのような 生物は「銀髪者」と訳されている。)、これらの動物の 名前、は半知性生物で、レムール人によって一種の記憶庫として使われていたことを アトランらは発見した。レムール人は自分たちだけが将来利用できるように 自分たちの知識を200匹の動物内に蓄えた。 テラナーたちは全てのデータをグラウンツアーからダウンロードを開始し、 はるかな過去に起こったことを知った。レムール人は ゲルクスフィラ恒星転送機を22000隻の艦隊で通過しようとしたが、 何らかの異常で全艦隊が失われてしまった。 彼らは最終的に何が起こったかを発見し、グラウンツアーの脳内部に 自分たちの発見を書き残した。今や、テラナーたちが 恒星転送機を利用するためになすべきことは情報全体の 解析であった。 (訳注:レムール胎児の塔はオクストーン人たちが最終的に破壊した。)


683 - レムリアの少女 Das M臈chen von Lemuria
The Woman from Lemuria
H.G. Ewers

アンドロメダではテラナーたちがゲルクスフィラ恒星転送機 の司令ステーションを探し続けていた。恒星転送機には 2つの惑星しかなかった。アトランは 第一惑星ペシュナート(Peschnath)への上陸チームを組織した。 (訳注:レムール人が人工的に製造した酸素は失われ、 水のない荒涼とした植物のない惑星で、唯一恒星転送機の 制御ドーム内のみが生存可能。) 大気圏に入った時、一人の美女がコンタクトを取ってきて、 彼らの着陸を禁止する警告を発した。アトランがこれに従うのを 拒んだためレムリア語を話す女は砲撃を始め、シャトル( 訳注:キッゾグ(Kizzog)という名前のコルベット) を撃墜した。 多くのテラナーが墜落の際に命を落とした。アトランは再び レムール人とコンタクトをとり、彼女が細胞活性装置を帯びている のを見て眼を疑った。彼女がまさに自分たちを破滅させようと していたので、アトランは自分の細胞活性装置を見せ、 会見をアレンジすることに成功した。 (訳注:単身、武器無しでドーム基地に乗り込んだ。)

その女の名前はエルミゴア(Ermigoa)で、アトランが彼女の細胞活性装置に ついてたずねると、彼女は自分の父親がそれをくれたことと彼が 島の王の使っていた装置も作ったとしらをきった。(訳注:これが真実かどうかは シリーズ全体の謎である。1500話台にはパラレルワールドであるが、発狂した「それ」 がアンドロメダのレムール人に14個の活性装置を手渡すというシーンがあるらしい。) 突然、彼女は二人の男にアトランを襲わせた。アトランは彼らを撃退し、 エルミゴアは彼をテストしているのだと説明した。その後、彼女は マルチデュプリケーターを彼に見せた。これにより彼女は自らに仕える 生物を造り出しているのだ。彼女がアトランに興味を抱いていると理解し始めた 時、彼女はアトランにトリックを仕掛け、麻痺させた。 (訳注:自分の唇に毒入りの口紅を塗っていたというわけ。 アトラン自身はは彼女の美しさに引かれ、また、同様に細胞活性装置を 身につけていた島の王、ミロナ・ティティンを思い出していた。 今度の恋は悲劇では終わらせないと決意したのだが・・・。 )

目覚めた時、彼は地球に起こったことと、ゲルクスフィラ恒星転送機が太陽系での 事件と関わりがあることをどのように推察したかを彼女に話した。アトランたちが 今やりたいのは、故障した宇宙船を転送機に送り、何が起こるかを分析する ことだと。

エルミゴアはまだ彼を信用しなかったが、もしアトランがマルチデュプリケーターを 使って彼女が彼のクローンを作るのを認めれば、 テラナーたちの転送機を使った実験を許そうと持ちかけた。 アトランは渋々同意した。 (訳注:彼女は、デュプロは主人の言うことに逆らわないので、 デュプロだけを信用ていたのだ。アトラン自身は彼女の活性装置の 本当の由来を引き出すことも念頭にあった。) 最終的な停戦が実現しようとした時、エルミゴアは二人のテラナーが 彼女の基地に侵入したことを突き止めた。 (訳注:正確にはオクストーン人のサバイバルスペシャリスト、 ポウロル・オルトクルとネリマン・トゥロッキーの二人。彼らは マルチデュプリケーターに入ったアトランを見て、助けようとしたのだ。) 戦闘が起こり、その際に マルチデュプリケーターが破壊された。 (訳注:アトランたちのコルベットも完全に破壊された。) エルミゴア自身は戦闘で 負傷し、すぐ後に死んだ。(訳注:レキシコンによれば、この ペシュナートの妖魔の死因は活性装置の故障とあるが、どうも自ら 破壊したらしい。いずれにせよ、アトランはまたしてもの悲劇に号泣した。)

(訳注:この話の幕間劇として、スペースジェットISISでデルタ・グリーン・ A-33719星区をパトロールしていたジェロム・テコパ(Jerome Tecopah)が登場する。 彼は、アコン人サルトスのキュアン(Kjuan von Sartos)やグレイ・ヌーンカ( Gray Noonka)と共にレムール難破船の謎のエモシオ知性体とコンタクトを とることに成功した。 その間、ゼルンボルグやコンシューは難破船を恒星5角形の転送機で転送し、 どこに出現するかを観測するという実験を開始していた。しかし、やはり 難破船を探検していた別グループの4名も 誤まって転送してしまった。彼らの運命は686話で語られる。)


684 - 贋イトリンクたち Die falschen Itrinks
The Fake Itrinks
Ernst Vlcek

32隻の未知宇宙船(訳注:バーベル型の船体) が地球近傍にあらわれ、砲火を開いた。しかし、彼らの 技術はテラナーより劣っており、容易に撃退できた。この異人について 訊ねられたゼウスは、彼らが自らの敵でもあるとほのめかしたが、 それ以上は話そうとしなかった。

戦闘の後に残っているものを調査するため宇宙船が派遣された。 彼らが難破船に近づいた時、ゼウスがあらわれ、テラナーたちが 何も出来ないうちにこれを破壊した。(訳注:ゼウスは宇宙空間では エネルギー球の形態をとるらしい。) 難破船はテラナーが 扱うには危険過ぎると言ってゼウスは自己弁護した。

その間、科学者たちは一つの実験を用意していた。宇宙船の橋を敷設し、 メイルシュトリーム(大渦流)から出来るだけ遠くまで到達しようと いうものであった。 これによって地球と月が何処に転送されたかを明らかにすることは 出来なかったが、大渦流の端にある主のブラックホールが彼らを 待ち構えているという結論に達した。今後数千年の間に何も なされなければ、地球は渦の中に消えてしまうだろう。

地球では無線信号がキャッチされた。翻訳されるとそのメッセージは 救援信号であるとわかった。それはおよそ400年前に発せられたもので あるが、ペリー・ローダンは無線がやってきたと思われる惑星に チームを派遣することにした。 (訳注:この遠征には ロワダントン、グッキー、イルミナ・コチストワ、メントロ・コスム らが参加した。)

目標星系(訳注:発見者の名を取ったてコルボ・パピロ(Corvo Papillot)星系 と命名された。) には生命を育んでいる惑星は2つだけであった。 主恒星近くの静止軌道に17隻の宇宙船が探知された。 これらは以前地球を攻撃したものと同じ船であった。 テラナーのコマンドが船にテレポートした時、船内全てが無人であることに すぐ気が付いた。全ての船で転送機だけが動作しており、乗員の 帰還を待っていた。テラナーたちは転送機のスイッチを切り、 宇宙船の所有者たちは二つの惑星の何れかで何かの任務についている のだろうと推察した。

テラナーは第3惑星(訳注:名称はザンナク)に着陸した。 というのは無線信号がそこから発せられた と思われるからである。彼らはイトリンク(Itrinks)と呼ばれる 鳥型種族とコンタクトをとった。(訳注:イトリンクの外形は身長 2メートルの鶏。) 彼らの技術は原始的(訳注:地球の20世紀相当) であったが、テラナーは抵抗する間もなく法廷に引き渡された。 そして、彼らは理解できない理由で裁判にかけられた。 (訳注: イトリンクは、自らの惑星を文明で荒廃させてしまっていた。そこで、 一つの大陸を廃棄物置き場にしていたが、その地下では一種のミュータントが 発生していた。ダントンらは誤って、廃棄物置き場大陸に着陸してしま ったのだ。) 彼らがまさに処刑されようとしたとき、グッキーはイトリンクの一人 (訳注:名前はギスゴ・デヴェレン(Gisgo d'Everen)で、テラナーたちの 処刑を強く主張していた。)が 実は別の種族のかたりであることに気が付いた。 ネズミビーバーは 裏切り者の正体を暴き、かれはすぐさま殺された。 未知生物はゼウスににたアリ型生物(訳注:複眼と三角形の口を持つ) であったが、ずっと小柄な点が 異なっていた。ゼウスが身長5メートルに対してこれは約2メートル。

幾人かのイトリンクたちはテラナーを支援しようと決意したが、 他の多くは彼らを狩りたてた。安全を確保した後、テラナーたちは異人が この惑星に本部を持っているに違いないと推察した。 速やかな調査によりその場所が突き止められ、異星人はそこで 皆殺しにされた。(訳注:にせイトリンクたちは転送機網を利用していたが、 彼らの宇宙船の受け入れ機はブロックされていたのだ。) イトリンクはいまや侵略者から解放され、 テラナーは平和のうちに出発した。 (訳注: ロワらはイトリンクの一人、ホーレ・レガー(Horre l'Eger)と友情を誓い、 第三惑星に侵略してきた蟻星人の故郷と思われる第四惑星へと向かった。)


685 - 恐怖する惑星 Planet in Angst
Planet in Fear
H.G. Francis

ラス・ツバイとフェルマー・ロイドはその星系の第4惑星、氷惑星に 派遣された。(訳注: パピロ星系の7星系の第四惑星の名前はシュティーモント(Stiemond)で 零下85度の氷原に覆われていた。) 彼らはそこで二人の原住民と遭遇した。(訳注:原住民は フェーベエル(Phaebaer)と自称し、 灰色熊と人間が混血したような外観で、シュティーモントの 気候に適応していた。この2人は生物学者のレーラグ・ライゾット( Reelahg Layzot)とその助手のシーム・アーラグ(Seem Allag)。) 二人は最近奇妙な出来事の起こっている谷を調査していたのだ。 全領域はバリアフィールドで守られているようで、そこに向かったものは だれ一人として帰還しなかった。

ミュータントたちは困難無くバリアフィールドを突破し、 多くの奇妙な植物の生えている温暖地帯を発見した。 彼らはすぐに、数日前第3惑星に派遣されたコマンドが遭遇したのと 同じ昆虫型生物の攻撃を受けた。 彼らは昆虫生物をプローン人と名付けた。プローン人はこの惑星に 侵略拠点を展開しているようで、テラナーたちは地下に 数多くの彼らの基地を発見した。

(訳注:ツバイとロイドはフェーベエル2名を伴い、 スペースジェットで彼らの首都ハンマック(Hammak)へと向かった。 彼らは、第三惑星から侵略されるという神話を持っていた。 そのため、シーム・アーラグがプローン人の侵略を報告しても、 仲間は彼の事を信用ぜず、ただただ不安におびえるだけであった。)

テラナーの優れた技術が昆虫種族に対する優位を確保しつつあるとき、 テラナーは17隻の宇宙船が惑星に向かっていることを探知した。 これらは恒星を巡っていた船と同じ船であった。テラナーは<マルコ・ ポーロ>に救援信号を発した。(訳注: ダントンは、<マルコ・ポーロ>でバーベル型宇宙船を撃破する。 グッキーはツバイと合流し、蟻星人の捕虜を捕まえようとした。)

彼らは捕虜を作ろうとしたが、プローン人は捕まるやいなや 自殺してしまう。グッキーはようやく1体を捕まえ、自殺する前に 行動不能にすることができた。 そのプローン人はテレパシーによる尋問を受けることに 驚いた素振りもみせず、易々とそれに抵抗した。それにも かかわらず、グッキーはいくつかの情報を得た。

プローン人は自らをクチョモルツ(Cschmorts)と名乗った。 彼らはこの宙域での主要な権力を持つ長命種族である。 彼らは絶えず彼らの勢力拡張に適した惑星を探している。 (訳注: 彼らは、見つけた惑星すべてに自分たちの植物を植えて行き、 その妨害をするものはすべて殲滅していた。 テラを攻撃したのもそのためであった。) テラナーが驚いたことに、捕虜はゼウスの事をよく知っており、 実際プローン人は彼を積極的に探しているのだ。 (訳注:クチョモルツはゼウスを殺すことが一つの使命だとも答えた らしい。) 捕虜はそれ以上を話す前に死んだ。

(訳注: ツバイはアーラグにさまざまな武器と文明の利器を乗せたオタマジャクシ を贈ってフェーベエルの仲間のところに戻した。しかし、高貴なる アチャミル(Der Hohe Achmil)はアーラグ を信用せず、オタマジャクシを破壊し、彼を処刑してしまった。)


686 - 死者たちの艦隊 Die Flotte der Toten
The Fleet of the Dead
William Voltz

ゲルクスフィラでは4人の科学者(訳注: ストックン・メルヴァン(Stackon Mervan), ザマー・ノイン・アバルテス(Zamahr Neun Abartes), アブリター・グレイムーン(Ablither Greimoon), テッセン・アムン(Tessen Amun)) が難破したレムール船で調査をしていた。 船は作戦(訳注:セルンボルグとコンシューによる転送機のテストか?) が始まったとき、巨大転送機にまさに飲み込まれるところであった。 宇宙船は未知宙域で再実体化した。4人の科学者には数時間分の酸素しか 残っていなかったので、彼らは宇宙船を離れ、あたりを探検することに した。彼らはレムールの失われた艦隊を発見した。何世紀も前に 消息を絶った22000隻の宇宙船。

地球では、ゼウスがテラナーのために働きたいと申し出た。彼はメールシュトリーム のどこかにレムール人の失われた艦隊がいるとローダンに伝えた。これは テラナーにとって興味ある事実であろうと。ローダンはゼウスを信用しなかったが、 調べてみることにした。アラスカ・シェーデレアがレムール艦隊の位置を突き止め る任務に指名された。

科学者たちは宇宙船の1隻に乗船し、そこには呼吸可能な空気があることが わかった。彼らはすぐに、最近生物が乗船したとい手がかりを発見した。 彼らはまた冷凍睡眠状態にある異人を発見した。その生物はレムール人に 使えていた種族マサク人(Mahsak,Mahsakener[独])とわかった。 そのマサク人はフォンチー( Fonchie)という名前で、始めは敵対したものの、乗員が転送機を通過する 時のショックで死に絶えたことを悟った時からテラナーに対して友好的に なった。(訳注:始め彼はテラナーをだまして逃げ出したが、 司令室で航行日誌を見つけ、レムール人乗員の滅亡を知り、絶望して テラナーに協力し、酸素をも提供した。) なぜ4人のテラナーは転送を生き延びたのか、彼らには説明 できなかった。

レムール艦隊はアルトマクス(Artmacs)と呼ばれる芋虫型生物の王国になって いた。(訳注:彼らの「皇帝」はヴィルプール・アムフ・タッカシュ( Willpuhr Amph Taccatsch)) 彼らは17隻の宇宙船を持っているだけであったが非常に攻撃的であった。 彼らは4人の未知生物が彼らの宇宙船の1隻に侵入したのを知って、直ちに 未知生物を追跡した。最後には捕獲した。(訳注:タカッシュの 助言者マスコッシュ(Mascotsch)は4人とフォンチーをパラライザーで しとめた。)アルトマクスが尋問を開始した時、 テラナーたちは自らをレムール人と偽ることにした。


687 - 混沌のただなかの邂逅 Begegnung im Chaos
Meeting in Chaos
William Voltz

テラナーたちはアルトマクスからの逃走に成功し、その宇宙船を離れた。 (訳注: 捕らえられたテラナーは、窒息するガスで満たされた廊下で 隔離された一つの部屋に幽閉されていた。かれらは窓を叩き割り、 船の毒ガスを宇宙に放出させ、その間に廊下のハッチをあけて、 救命艇を置いてある格納庫にたどりつき、エアロックを破壊して脱出した。) 彼らはレムリア艦隊の近くの別の巡洋艦に乗船した。乗船するやいなや、 彼らは浮遊するクラゲ型の生物の存在に気が付いた。最初は冬眠状態に あったその生物は彼らに向かって集まりだし、エネルギー火花を発した。 その生物が増殖し始めたとき、テラナーたちは宇宙船内部に撤退した。

アラスカ・シェーデレアと二人の乗員はレムリア艦隊の近傍に到着した。 (訳注:巡洋艦<レフォーガー(REFORGER)>から搭載艇で古レムリア艦隊に 向かった。) 彼らはアルトマクスによって発見され、反応する前にシャトルを 破壊された。アラスカはデストロイスーツの御蔭で 生き延びたが、他の二人は殺された。彼は今やあてもなく宇宙を漂って いた。(訳注:デストロイスーツはエネルギー性の攻撃をすべて 排除してくれる防御機能もあるらしい。)

(訳注:マスコッシュはテラナーに関する任務から離れたいと 支配者タッカシュに申し出るが断られ、逆に裏切り者として殺される。 マスコッシュのの手下のゴルテシュ(Gortsch)は、上官の死を知り、 タッカシュの船を脱出した。そして、偶然アラスカを探知し、彼を捉える。 コミュニケーターをお互い持たないために、ゴルテシュは彼を殺そうとし、 アラスカはマスクをはずし、彼を狂わせ危機を脱出した。)

4人の科学者のうち二人はエネルギー生物に殺された。 (訳注:正確には、アムンは精神的に参っていて、 アルトマクスの独房に留まった。グレイムーンはテラナーの 攻撃を全く受け付けない 光のたまに襲われ、上半身を吸収されて死んでしまった。) 彼らの状況は 次第に絶望的になってきた。彼らはSOSを送信し、宇宙船内部に逃げ込んだ。 アラスカはSOSを受信し、その宇宙船に向かって漂っていった。 彼は二人の科学者を、まさに殺されようとする直前に救助した。 (訳注:デストロイスーツはエネルギー生物に対しても有効であった。) 3人の男は宇宙船を奪い地球に向かった。そこでは、ペリー・ローダンが 地球探索の為のアトランの最近の努力について(訳注:メルヴァンと アバルテスから) 報告を受けた。


688 - ワンマン戦争 Der Einmann-Krieg
The Single Man War
H.G. Francis

ワッアー・ヤチント(Wazzer Jacintho)は太陽系秘密情報局員で レティクロンの為に働いている振りをしていた。 彼は収容所惑星シツークモント(Czugmoth)(訳注:ヤ−レドシュ(Yarredosch) 星系第二惑星で、かつてのテラ植民地) の多くの重要人物の 監視にあたっていた。ここでは超重族の洗脳機械がフルタイムで 稼働していた。 (訳注:レキシコンによれば、 テラナー捕虜の“思想改造”を、超重族は“説得のパラダイス”と呼んだ。) アトランはここの数千人ものテラナーの囚人を 開放するため、コマンドをシツークモントに派遣した。 (訳注:派遣されたスペシャリストは タマル・カンゾス(Temar Kanzos)、 ヴェルン・グラルショス(Vern Gralschoz)、 マスル・ラシュモン(Masur Raschmon)、 ミリアム・タウツ(Miriam Tautz)の4人。)

ヤチントはシャトルの到着に気が付き、宇宙空港で働くテラナー女性 アン・エフォロ(Ann Ephro)と共謀して、シャトルの到着を 超重族から隠した。近々レティクロンがこの惑星を訪問することに なっていたので、ヤチントは行動を起こすことにした。 アンと共に数多くの設備に破壊工作をしかけ、戦闘を引き起こした。 アンは戦いの最中に殺され、ヤチントは捕虜となった。 (訳注:この戦いでアト・ウエンク(At Wenk)やビルク・アモス( Bilk Amos)も犠牲になった。)

太陽系艦隊の500隻がシツークモントに着陸し、テラナー全てが 開放された。超重族は数で勝っていたが降伏した。 レティクロンは旗艦にヤチントを連行して脱出した。彼は工作員 との会見を求めた。彼に惑星丸ごと1個をうしなわさせた 男の顔を見ることに好奇心をそそられたのだ。 ヤチントの尊大さに癇癪を切らせて、レティクロンはとうとう彼を 殺してしまった。


689 - ミュータントの迷走 Die Irrfahrt des Mutanten
Wandering of the Mutants
Kurt Mahr

USOのスペシャリストのトーマス・カンタンベルグ(Thomas Kantanberg)は超重族の 刑務所から脱走に成功した。彼は、ワーベ1000(Honeycomb 1000、 [独]Wabe 1000)まで血路を 開いた。この小惑星には8人の旧ミュータントの精神が留まっていたのだ。 カンタンベルグはミュータントたちがアトランによって安全な場所、 即ち暗黒星雲プロヴコン・ファウスト(Provcon-Faust)にまさに移送されようと している時に到着した。 (訳注:エベネゼル・クロール(Ebenezer Krohl)を隊長とするUSOコマンドは、 最近見つかったミュータントたちに古ミュータントの意識を移して、 巡洋艦<トーラハッセ(Tallahassee)>に乗せて、プロブコンファウストの ゲア基地へと運ぼうとしていた。) カンタンベルグはテレポーターのタコ・カクタの 精神のホストとなることになった。(訳注:カンタンベルグが この作戦に参加した経緯がわかりにくい。)

実際にはカンタンベルグは洗脳されていて、今はレティクロンの為に 働いていた。カクタの能力を使って、彼は自分たちを追跡していたパクリツア 船にテレポートし、船は惑星ザブリナ(Zabrijna)に引き返し、そこの 秘密基地でレティクロンと会見する手筈になっていた。 (訳注:当然、タコはカンタンベルグが工作員であることに気づくが、 自らの意志で<トーラハッセ>にテレポートしない、あるいは出来ない?) カンタンベルグがザブリナに着陸したとき、彼はただ一人でレティクロン の元に引き渡された。第1ヘトランは裏切り者を殺し、カクタには選択の 余地がなかった。(訳注:カンタンベルグの最後を引き起こしたのが、 カクタの精神かレティクロンの超能力なのかは不明。原書の挿し絵によると レティクロンがカンタンベルグを射殺しているようだが。おそらく、 プロブコンファウストの秘密をばらそうとしたカンタンベルグをタコが 逆に操り、レティクロンを襲うように仕向けたのだろう。) 彼は精神をレティクロンのそれの内部に転送し、 これによって超重族はテレポートの能力を得た。 (訳注:レティクロンののミュータント能力によって 縛り付けられて、精神を他に移すこともできない。 「貴様と俺様、絶対的に結ばれたぞ」。)

(訳注: プロブコンファウストには、タコを除く7名の意識を乗せた <トーラハッセ>が無事到着した。)


690 - 肉体なき者の逃走 Die Flucht des Krperlosen
The Escape of the Bodyless
Kurt Mahr

ホトレノル・タークは突然ザブリナを訪問した。ラール人は 旧ミュータントについてレティクロンが何を知っているのかを 知りたがった。レティクロンはラール人がこの厳重な秘密を 知っていることにショックを受けた。タコ・カクタはこの瞬間を 利用し、レティクロンの心から脱出した。唯一可能なホストは ラール船の防御バリアしか無いように思われた。しかし、かれがそれと 1体化するやいなや、エネルギーバリアは過負荷になり、宇宙船は 爆発した。カクタにはラール人技師(訳注:このロボット技師の 名前はドログナー(Droggnar)) の精神に融合する時間が 辛うじて残されていた。

レティクロンが回答を渋っているので、ホトレノル・タークは 彼を旗艦に乗っているヒュプトン人(Hyptons)の前に連れていった。 (訳注:ヒュプトン人は、コウモリのような外形の7銀河連合の成員の一種族で、 多数の固体が集まり一つの超意識を形成すると 他の生物に彼らの意志を“穏やかに”押しつけることができる。) レティクロンはすぐに蝙蝠型生物のメンタル圧力下に捕らえられ、 ワーベ1000について知っていることを全てラール人に話した。彼は タコ・カクタを捕らえておこうという試みが失敗したことも話した。 ホトレノル・タークは直ちに2隻の宇宙船の爆発との関連を見抜き、 速やかにカクタのホストを見つけ出した。テレポーターは ラール人から飛び出し、ヒュプトン人の群衆のなかに隠れ家を見つけた。

ホトレノル・タークは彼を再び発見し、テレポーターはピュプトン 人によってラール人に密告された。カクタは今やホトレノル・タークを ホストとしていた。 (訳注:カクタは、ヒュプトン人の集合体の意識の中で自分を失い、 無に帰りかけていた。ホトレノル・タークは 超重族を何百人と殺戮し、そのショックインパルスで、 カクタの自我を目覚めさせ、自身の意識の中に込むことに成功した。) その間、ラール人はワーベ1000の破壊を命じたが、 ラール人の到着はおそすぎた。旧ミュータントたちは既に撤退した 後であった。

ホトレノル・タークはずっと強力な好敵手であったが、 カクタは不意打ちによって彼を支配することに成功し、ラール人 助手(訳注:ヘトス告知者であるホトレノル・タークの代理人 ラーテネッター・ブレク(Laatnetor Breck)、彼は潜在的には ホトレノル・タークのライバルでもある、カクタがタークから 逃れる事が出来たのはブレクの不信感に寄るところが大きい) の身体を非難所とした。彼はラール人の故郷銀河に 向かうSVE宇宙船にテレポートした。 カクタは司令を説得し、ホトレノル・タークが裏切り者で出来るだけ 早く故郷銀河に戻らねばならないと信じ込ませた。 司令は同意した。

SVE宇宙船がまさに銀河系を離れようとしたとき、カクタは テラ船を探知し、その船上にジャンプした。彼は速やかに乗員に 自分が本当はラール人ではないことを納得させ、テラナーの本部( 訳注:避難民の故郷ゲーアのこと) に安全に運んでもらった。


691 - 宇宙のサルガッソー Sargasso des Alls
Sargasso of the Universe
Clark Darlton

1万2千隻の宇宙船からなる遠征隊がメイルシュトリームの 中心部に派遣された。(訳注:遠征隊の指揮はトロナル・カソムが とった。目的は行方不明のエクスプローアー船の探索とプローン人の 偵察。旗艦<ケロン(KERON)>の操船は第一将校のメトロン・カッサート( Metorn Kaschart)が行った。) そこで何か有為な情報が得られるかも しれないと言う期待をかけて。艦隊が目的地に近づいた時、 全ての宇宙船はそれを取り囲んだ金色の細糸のようなものによって 減速させられ、ついには完全に停止してしまった。 長さ数センチを越えないその芋虫は金属内部に侵入し、 艦隊を完全に無力化することができた。(訳注:1万隻以上が 全滅したらしい。)とはいえ、それらは プラスティックで防止することは出来るようであった。

トロナル・カソムはこの宙域とサルガッソー海の類似性に 気が付いた。その地球の海では過去に似たような事が起こっていた。 1隻の小型シャトルが捕まる前に脱出できた。脱出の間に、 乗員は金色の芋虫に迷惑を受けていないように見える 異星船に気が付いた。

地球ではグッキーがカソムの思考をキャッチし、 <サン・アントニー(San Antonio)>に乗船して救援作戦の指揮を とった。(訳注:巡洋艦の艦長はベンダー(Bender)少佐。) 彼らは異星船の1隻を探知し、ある不毛惑星まで追跡した。 彼らはこれをオニュクス(Onyx)と呼んだ。住民はカンガルーに 似た外形で、彼らはこの技術(訳注:宇宙のサルガッソーをも 航行できる宇宙船のことか?) をはるかな過去から引き継いでいると テラナーに話した。(訳注:原住民の名前はプサルタス( Psaltas)。) 彼らの文明は滅亡しつつあった。彼らには17隻の宇宙船しか 残っておらず、テラナーを助けるすべも知らなかった。

ある老人はシャナート(Schanath)と呼ばれる神秘的な 物質についてもう少し知っていた。それは半有機的かつ半生物的存在で、 金色の細糸を通して働きかけ、彼らとの間に共生関係を 打ち立てているのだ。(訳注:最上位のプサルタ(des Obersten Psalt) にとっても、これがグラークー・シャナート(Gragh-Schanath)という惑星から 持ちこまれたものであるという以外、その正体については不明であった。) テラナーはその金属の1片を切り取り、 地球に持ち帰った。(訳注:正確には、プサルタスがテラナーを 捕らえようとした時に用いた生体ネットをそのまま持ち帰ったらしい。) 不運にも、シャナートのかけらは地球に着くや いなや死亡した。なぜかグッキーはブルー族との関連があると思ったが、 彼はこの直感を説明できなかった。


692 - 昆虫女王 Die Insekten-Knigin
The Insect Queen
H.G. Ewers

プローン人の女王ヤイマダール・コンツェントリュン(Jaymadahr Conzentryn) は増加しつつあるテラナーの勢力に悩まされていた。彼女は再び彼らに 大規模攻撃を仕掛けることを決意した。彼女は3万隻の艦隊を率いて 「渦(vortex)(訳注:長くなるが「大渦巻きの裂け目」の方が イメージしやすい訳語か?)」、つまりメイルシュトリームの中心に向かった。 彼女らはその宙域を探査しているテラ宇宙船と遭遇しこれを破壊した。 (訳注:ヘスター・ボウイロン(Hester Bouillon)指揮の高速巡洋艦 <アルカイダ(ARCAIDA)>も破壊された24隻の中の1隻。)

ペリー・ローダンはプローン人に対抗するため2万隻の宇宙船を派遣し、 両種族は猛烈な戦闘を始めた。両陣営とも膨大な損失を被り、 停戦が呼びかけられた。 (訳注:この時、ローダンは女王の姿がゼウスそのものであること をしって愕然とする。)

ヤイマダール・コンツェントリュンはテラナーの力にショックを受け、 今や彼らがプローン人の最高機密を発見するのではないかと恐れた。 渦は実際には巨大転送機で、プローン人の故郷銀河に繋がっているのだ。 ローダンは女王の宇宙船をミュータントたちを使って 攻撃しようとしたが、彼らは超能力トラップに直面し、 撤退を余儀なくされた。 (訳注: ミュータント・ロルビック、ツバイ、グッキーとタッチャーは、 プローン船にテレポートし、ポジトロニクス混乱装置をセットする。 しかし、プローンの対精神兵器によってテレポートが妨害される。 一方、高速巡洋艦<バルラテア(BALLATER)>の生存者で、 捕虜になっていたテラナー、ピヨトール・コドノブ( Piotr Godunow )は脱出をはかり、 その際に対精神兵器を破壊するが、かれはやられてしまう。 テレポーターたちは彼のおかげで帰還できた。)

ローダンはついにプローン船が渦を通過して脱出しているのに 気が付き、艦隊の残りを撤退させる一方で<マルコ・ポーロ> で転送機を通過しようとした。(訳注:いつもの旗艦の単独偵察 というわけだ。巻末で、<マルコ・ポーロ>の指揮をツバイに 任せて、ローダン自身はグッキーと共に撤退したように書かれているが 後の話を見るとやっぱり自分も突入したらしい。)


693 - プローン人の洞穴 In den Hhlen der Ploohns
In the Caves of the Ploohns
H.G. Ewers

<マルコ・ポーロ>はある恒星系の近くに転送機から出現した。 ローダンは直ちにその主星近くに非難所を探した。その星系 は4つの惑星からなり、第2惑星が周りの宇宙船の交通量から判断して、 プローン人にとって重要であることは明らかであった。

テラナーとプローン人の間の最近の事件はシュイト34027( Schuyt-34027)と呼ばれる神秘的な存在によって観察されていた。 彼は単なる観測者に過ぎないようで、ダライモク・ロルヴィクと 短期間のコンタクトを持った。彼はミュータントがそれ以上の 質問をあびせる前に引き下がった。

ラス・ツバイが指揮する小コマンドが第2惑星に派遣された。 (訳注:メンバーは、ロルヴィクとタッチャー・ア・ハイヌ、 それにスペースジェットパイロットのグレノール・バルスク( Greenor Varsk)。ツバイはバルスクに16時間待つように命じて 惑星へ後の二人とテレポートしたらしい。) 彼らは昆虫種族が神秘的な粉を使って植物を育てているのに気が付き( 訳注:そのため、ツバイはこのロボット農園をバラの花園と命名した。)、 ツバイは強力な超振動を発する物質の正体に突然思い当たった。 それはモルケックス(分子性抽出物)。 ツバイはブルー帝国に対するテラナーの戦いと彼らがモルケックス に対する唯一の有効兵器、B−ホルモン、をいかにして合成したかを 憶えていた。しかし、モルケックスがこのホルモンにさらされる やいなや、神秘的な「ドライブ効果」が起こり、サンプルは信じられない 速さで未知の目的地に向かって大空に飛んでいったものであった。 ツバイは、転送機が彼らをメイルシュトリーム内部で送り出した この銀河系の中心に向かって、モルケックスのサンプルが向かっていた のではないかと疑った。

まさに撤退しようとした直前、テラナーたちはプローン人に 見つかり捕らえられてしまった。 (訳注:3名は対超能力フィールドを備えた 繭のなかに閉じ込められ、女王のいる宮殿へと運ばれる。 一方、バルスクは攻撃を受けて殺されてしまう。 ただし、原書表紙に描かれている繭の中の3人の 顔だちはツバイたちとは随分違うような気がする。) ヤイマダール・コンツェントリュンはツバイを尋問し、 テラナーたちがモルケックスを知っていること、中でも、彼らが それに対する対抗兵器を持っている事を知って肝を潰した。 テラナーたちは脱走に成功し、地底の洞窟に逃げ込んだ。 (訳注:彼らが再び地下へ連行されている時、 ロルビックはべ 'ハファカ・クラー(Bhavacca Kr'ah)という護符を バラの花園に落としてきたにもかかわらず、 対超能力兵器の隙をつき、ツバイのテレポートを可能にさせ、 プローンの幼生に化けて、くちばしで繭を切り裂いて2人を助け出した。 ツバイはテレポートして女王をさらって逃げようと考えるが、 宮殿の廃虚のなかで、捕まりそうになる。) そこで彼らはカイジール・マンダイナ(Kayzihr Mandaynah)に 出会った。かつての女王は彼らを助けた。 彼女は、全ての女王は1体を除いて誕生時に殺されることと、 彼女は虐殺を逃れて地下に避難することが出来たことを説明した。

(訳注:護符のないロルビックは人間の姿に戻ることが出来ずに、 地下の紫色の海から生じた 煙のなかに飛び込み消えてしまう。謎の探知ロボット シュイト34027が届けてくれた護符をタッチャーが 煙のなかに投げ込み、ロルビックは自分の体を取り戻した。 エーヴェルスの、というよりロルヴィクのストーリーは 相変わらず分かりにくい。この護符の設定も、確か大群サイクル のどれかで、ドタバタ劇として 説明されていたような記憶がある。 )


694 - 反モルケックス爆弾 Die Anti-Molkexbomben
The Anti-Molkex Bombs
Hans Kneifel

1隻のプローン船が<マルコ・ポーロ>に接近し、テラナーに交渉のために やってきたと告げた。ローダンは彼らと自分の旗艦で会見した。 (訳注:プローン3名の軍使の代表はアルグタマイン・ベンゼイヌル( Argtamayn Benzynurh)。) プローン人は 3人のテラナーを捕らえていると言い、証拠としてローダンにツバイの銃を 渡した。プローン人はテラナーがゼウスを殺せば見返りとして 平和条約にサインすると言う。 (訳注:他方、ゼウスはローダンに3名の軍師を捕らえて連れてこいと命じた。)

ローダンは決定には時間がかかると言い会見は休止した。科学者たちは ツバイの武器を調べ、モールス符号のメッセージが刻まれているのを 発見した。それはただ一つの単語のみを含んでいた。モルケックス。 グッキーはオニュクスで見かけた金色の神秘的な合金について思い出した。 プサルタスたちはグラーク・シャナートと呼ばれる惑星が、 「喉」(Pharynx)(訳注:これは692話より登場した「渦」のことか?) のかなたにあり、そこには この金属が何トンも埋蔵していると考えていた。 (訳注:グッキーは、691話末に地球に持ち帰った生体ネットもモルケックス からできているのではないかと疑う。) ローダンはなぜモルケックスが地球に運ばれたときに分解したのか 理解できなかったが、この物質の調査を進めることにした。 第一に、彼は<マルコ・ポーロ>が120個の反モルケックス爆弾を 艦載していることを確認させ、第二に1隻の宇宙船を喉を通して 派遣し、グラーク・シャナートの所在を突き止めようとした。

巡洋艦<ネーサン(Nathan)>は喉を通過し、いったんプローン銀河に 入るやいなや多量のモルケックスを探し始めた。 (訳注:ここはセドリック氏の間違い。船の名前は <クルイゼン・ザンダー(CRUISEN ZANDER)>。ネーサンは、当然、 モルケックスについての情報を保管していた月面脳のこと。) すぐに探知機は 6つの惑星からなる星系を捜し出した。これはブルーとの戦いの記憶から シュレックヴルム(Horror Worm)星系と呼ばれた。

<マルコ・ポーロ>船上ではプローン人の使節が次第に忍耐を 失いつつあったが、ローダンはかれらにさらなる時間を求めた。 プローン人女王のヤイマダール・コンツェントリュンはローダンの 船にやってきて交渉をリードしようとした。 ローダンは彼女にグラーク・シャナートを発見したことと、 モルケックス、プローン人はこれをテイメ(Teyme)と呼んでいた、を 破壊する兵器を持っていることを告げた。女王はショックを受け、 証拠を求めた。

プローン銀河ではグッキーがいくつかの反モルケックス爆弾を携えて グラーク・シャナートに派遣された。(訳注: 臆病な技術者カム・ナウラス(Cam Naulath)も同行した。) 1時間後、爆弾は起爆し、効果は絶大であった。第一に、ドライブ効果が 起こり、モルケックスのサンプルは信じられない速度で大空に飛んでいった。 その直後、超空間に裂け目が開き、その物質を吸い込んだ。女王は戦慄に かられた。ローダンは彼女にゼウスを殺すつもりも、彼を援助するつもりも 無いと話した。女王は渋々、平和条約にサインした。 (訳注:捕虜?となっていたツバイ、ア・ハイヌ、ロルヴィクも戻ってきた。)


695 - 不可侵なるもの Die Unantastbaren
The Inviolable
Ernst Vlcek

ホトレノル・タークはエルトルスに着陸したばかりであった。ここはラール人 に対する抵抗運動の中心となっていた。 (訳注: 惑星エルトルス上では、ローダン派であるエルトルス開放委員会(EBK, Ertrusische Befreiungskomitee)と、 7種族連合派のエルトルス利益党(PEI, Partei feur Ertrusische Interessen )とが激しい権力争いをしていた。 PEIの代表、ヘモ・ゴロンク(Hemo Gollonk)は、自分を第一ヘトランにするよう にホトレノル・タークに迫るがやんわりと拒否された。) 彼は公会議に対抗する多くの抵抗グループを 根絶するように決意せざるをえなかった。3人のエルトルス人は3つのピラミッドの 一つに対する攻撃を立ち上げようとしていた。 (訳注: EBKの代表者、トルグ・エバルガー(Thorg Evargher)は、 7銀河連合の黒いピラミッドの秘密をさぐるため、 地下500メートルから穴を掘り、 ピラミッドの内部にたどり着こうという計画を立てていた。 同行者は、ワルゴー・ケンソン(Wargor Kenson)と クエバマー・アブロンテ(Quevamar Ablonth)。) 彼らは「アルビノサークル」、 ピラミッドを囲む防御フィールド、が地下ではかなり 弱まっていることを発見した。 (訳注: ピラミッドが着陸した惑星では短時間に周囲500mのすべてのものが変色する。 地面や建築物は白くなり、植物、動物、人間でさえこの効果が現れる。 このゾーンは“ピラミッドの魔界”とも呼ばれる。)

ホトレノル・タークはこの試みを知ったが、何人たりとも ピラミッドに侵入できないと評価して、これを無視した。 ラール人であったもダメだ。エルトルス人のコマンドはピラミッドの 下に通路を開き、多くの超能力トラップに対抗した後、ピラミッド内部 に侵入した。内部は1個の巨大な空洞からなっていて(訳注: アーガイリスがかつて試みたように、暗黒の虚無で) 、彼らは 1隻のSVE船がタンクを補充しつつある時に到着したのだ。強力な感情の 波が3人の男たちを揺さぶり、彼らは意識を失った。

彼らはたそがれの世界で目覚めた。 (訳注: 彼ら3人の精神は、肉体をはなれ、X次元のエモシオ空間へと投げ出されたのだ。 そこは、エルトルスの感情(エモシオ)エネルギーに充満していた。) 彼らはもはや肉体を持っておらず、 ピラミッドの所有者であるマスティベック人(Mastibeks)から コンタクトを受けた。マスティベック人は惑星ジョイル(Joyl)に 生まれた非常に古い種族である。彼らは何千年も前に進化の頂点に 達し、肉体を捨てて精神体となることを決意したのだ。 彼らの存在が不活発になったので、彼らは公会議に加盟しラール人と チームを組んで旅をし、人々の感情をご馳走になっていた。 (訳注:レキシコンによれば、「体を放棄したためあらゆる身体的享楽を 断念した彼らは長い間溜った享楽の欲望を満たすために 歓喜の肉体的体験を必要とする。」ピラミッドがSVE宇宙船に供給 しているのは、これらのエモシオエネルギーらしい。)

マスティベック人は単なる観測者でラール人に対する反乱に 加わるつもりはないと言った。 (訳注: PEIを打ち破る武器をくれと頼むが、彼らは武器を持たないといって 拒絶された。また、ラール人に 協力するなという依頼に対しては、 「いつかエルトルス人自身が強力になったときに 再びコンタクトをとる日が くるであろう」とだけ言い残した。) そして、3人のエルトルス人は 自分の肉体に投げ戻された。

(訳注: EBKのラプティル(Laptir)は裏切って、PEIのゴロンクにEBKの秘密計画を伝た。 ゴロンクはピラミッド地下を制圧し、精神のぬけた3名の肉体を発見する。 3名に精神が戻った時、ゴロンクは彼らを殺そうとするが彼らの体は 白く光り輝いて攻撃をはねかえし、PEIの兵士は逃げ出す。 3名はPEIに反撃を開始し、PEIの本拠地でラプティルとゴロンクは 死んでしまい、PEIは壊滅する。この内乱に対して ホトレノル・タークは両陣営を攻撃することはなかったので、 エルトルスは再び平穏をとりもどした。)


696 - 平和の使節 Botschafter des Friedens
Ambassador of Peace
William Voltz

ホトレノル・タークは公会議第4の種族グライコ人の代弁者が天の河への途上に いることを知った。グライコ人は平和な種族で公会議が平和連合であると 信じこまされていた。 (訳注: 身長4メートル、4本の足で、鳥のようなくちばしと目を持ち、 羽のようなものが生えていて2本の手を持つグライコ人は、 真の平和を求める種族で、7種族のなかで、 各種族を取りまとめる上でもっとも重要な役割を果たしていた。 ) これまでのところ、ラール人は新しく発見された 銀河に平和をもたらしたと彼らをだまし続けることができていた。

ホトレノル・タークは、10年も早くグライコ人が天の河に姿を見せること は想定していなかったので非常にうろたえた。 (訳注:彼は公会議の上層部に天の河銀河はすでに平和であると報告していた。 もしも、このうそがばれると、ラーレ人とヒュプトン人の 血塗られた支配があきらかとなり、グライコ人が公会議から脱退し、 公会議はばらばらとなってしまうであろう。) クロイターファールン(Kroiterfahrn)という名前のグライコ人は病気だったので、 ホトレノル・タークは彼を病院惑星タフンに導いた。そこでなら、 彼の滞在中に治療ができるとして。グライコ人が着陸する前に、ホトレノル・ タークは惑星の生活環境を一新させた。囚人は連行され、ラール人の 高級役人だけがクロイターファールンの回りを取り巻いた。 (訳注:クロイターファールンは、精神を病んでいた。 グライコ人たちは彼を本当の自由がある別の銀河でゆっくり静養させようと、 ラーレ人に頼み、かれを我々の銀河へと送り込んだのだ。 平和で調和のとれた銀河を体験できるという憧れに追いたてられ 銀河系を訪れた彼が見たものは反対だった、ラール人の恐怖政治と奴隷制度の。)

その間、USOはタフンでの事態の変化に気が付き、特別な工作員を 調査のために派遣した。(訳注:3人の工作員の名前は、 ブランター・ゲーテ・シュルツ(Braunter Goethe Schultz)、 ベルタフン・マトヤ(Beltahun Mtaya)、トラシン・ソゴル(Traxin Sorgol)) グライコ人はホトレノル・タークと レティクロンに歓待され、彼は回りを見せるように依頼した。 その夜、彼は中庭での戦いに気が付いた。USO工作員シュルツ(Schultz)が麻痺ビームを 浴び、ラール人兵士に捕まった。 侮辱されたとしてクロイターファールンはその囚人との 会見を求めた。 (訳注:見せ掛けの平和に疑念を抱いたわけである。)

レティクロンはシュルツとクロイターファールンを二人とも殺すことを 提案したが、ホトレノル・タークはそのリスクを冒すことを拒んだ。 その代わりに、彼はテラナーをヒュプトン人の力で催眠暗示をかけ、 その後、クロイターファールンの元に送った。 最初はこの計画はうまくいき、工作員は真実を話すことが出来なかった。 しかし、一人の医師(訳注:名前はカルサ(Callsa)博士) は隠れた反徒で超心理効果を弱める薬物を彼に 投与した。すぐに彼は全意識を取り戻し、ラール人が彼に何をさせようと しているのかを理解した。しかし、彼は注意深く振る舞わねばならない。 なぜなら彼らのあらゆる動きが監視されているのを知っているから。

クロイターファールンはタフン上空の飛行を希望した。彼はシュルツと 一人のラール人パイロットとグライダーに乗った。この機会になって始めて、 シュルツはパイロットを麻痺させグライダーの制御を奪った。その後、彼は 逃走を試みた。その間、クロイターファールンにラール人が天の河に やってきてから本当に行ってきたことを洗いざらいしゃべりながら。


697 - 人類の利益において Im Interesse der Menschheit
In the Interest of Humanity
William Voltz

シュルツとクロイターファールンはUSOの宇宙船に助けられ、暗黒星雲 プロヴコン・ファウストに連れていかれた。今やグライコ人は ラール人の本当の目的についての真実を知り、これほどまで長く彼らが 騙していたことを知って反感を起こした。しかし、これは目下のところ テラナーにとって袋小路であった。なぜなら天の河の状況をグライコ人たち に知らせるすべがない。それに加えて、クロイターファールンの健康状態は 急速に悪化していた。(訳注: クロイターファールンはあまりにひどい現実を受け入れることができず、 自ら死のうとまでする。)

その間、ホトレノル・タークはようやくレティクロンがグライコ人を 追跡し殺すのを承認した。彼は公会議においてグライコ人たちにかかわる 状況をどのように扱うべきかヒュプトン人と話した。彼らは クロイターファールンが死んだらすぐに知らせようとした。彼らは クロイターファールンの同国人たちが非常に信頼できる平和な種族で あるので、何も疑わないであろうと計算した。

クロイターファールンを治療する試みの最中に、アトランはタコ・カクタに グライコ人の精神に入るように頼んだ。計画は失敗したが、テレポーターは グライコ人が7者の公会議の創立者で彼ら無しでは同盟は遠からずして 分裂するであろうことを知った。

アトランとロナルド・テケナーは人類の利益において クロイターファールンをホトレノル・タークに帰すべきであると決意した。 ラール人は彼を殺さねばならないだろうし、そうすることによって 彼らは公会議の他の種族の間で困難な立場に追い込まれるだろう。 彼らはこの作戦にシュルツを指名した。USO工作員は彼らの決定に ぞっとした。彼にとってはこれは冷酷な殺人であるからだ。しかし、彼に 選択の余地はなかった。彼はタコ・カクタの精神を受け入れた。レティクロン がグライコ人を発見したとき、テレポーターはシュルツの逃走を助けるであろう。

シュルツとクロイターファールンは暗黒星雲を離れ、ある惑星に着陸した。 (訳注:巡洋艦<ケジントン(Kensington)>が向かったのは、ファルトロ( Faltro)星系の惑星カラミッシュ(Karramisch)。 そこにはUSOの小さな基地があった。) レティクロンは速やかに彼らがそこにいることを突き止めた。第一ヘトランは 自らやってきて、ついに二人の男と対面した。シュルツはできる限り クロイターファールンの所在を隠そうとしたが、レティクロンの超心理能力には 対抗できなかった。第一ヘトランはグライコ人を発見し、その時初めて 彼はテラナーの仕掛けた罠に捕らえられたことを悟った。大局を知る間もなく、 シュルツはカクタの助力で逃走した。

暗黒星雲に戻ったとき、アトランはシュルツに本当の計画を前以て話していなかった と告げた。さもなくば、レティクロンは彼の心を読んでしまっただろう。 クロイターファールンは暗黒星雲に滞在中の数日前に本当は死んでいたが、 彼の死を有効に利用するためには、彼がレティクロンによって殺されたと ラール人を信じこませる必要があった。これにより彼らの立場は 不確かなものになるであろう。レティクロンもグライコ人を自ら殺した 様に振る舞わねばならない。さもなくば、彼は第一ヘトランの地位から 追われるリスクを冒すことになる。 (訳注:これを聞いてシュルツは、すこし安心し、真実は 公会議に知られることはなかった。)


698 - <メブレコ>の暴動 Meuterei auf der Mebrecco
Mutiny on the Mebrecco
H.G. Francis

ダンゼン・ジャーメル(Danzien Germell)は貨物船<メブレコ(Mebbrecco)>の 司令で、地球は終わりだと考えていた。(訳注:<メブレコ>は エクスプローラーテンダー船で、テラナー2万人が乗船していた。) 彼はローダンに反抗し、地球より 明るい未来のある惑星を探そうと決意した。彼は乗員の殆どを説得し、地球を 離陸した。(訳注:第一将校のパルテポ・パップ(Paltepo Papp)、 主席医師のアシュミル・ホリンドリー(Ashmil Horindolly)などが乗員。 ただし、主席天文学者のヤゼル・カンチョ(Jasser Kanscho)や助手の ケルギリン・バスノティシュ(Kergiorijin Vasnotosch)は ジャーメルの考えには反対であった。) その直後、一人の乗員が死んでいるのが発見された。

その物体は、触った人間を殺したのは疑いもないが、実際には無害な 生物であった。(訳注:謎の生物はガイド(Guide)と自称した。) <メブレコ>が星のメイルシュトリームから離れ始めて、ついに 天の河銀河の位置が確認された。しかし、彼らの故郷銀河は 在来のリニアエンジンで到達するには遠すぎた。

その生き物は乗員とコンタクトをとり、彼らが探している 楽園へと案内することを申し出た。彼らが回答する前に、その生物は ポジトロン制御系を支配し、ある孤立した惑星に向けて彼らを運んだ。 その惑星は地球に似ていて、人類が求めているあらゆるものを 与えてくれるように見えた。彼らは入植し、惑星の植民を開始したが、 彼らの何人かはすぐに発病し、すぐにそれは致死的であると分かった。 (訳注:テラナーたちを襲撃した真っ赤な昆虫によって発病したので あろうか、体が真っ青になるなぞの奇病に侵された。原書にイラストには ゾンビのような病人が描かれている。そして病人たちは 正常人を殺しだした。)

ジャーメルは植民地を解体する他にすべはなかったが、残された少数の人々は 狂ったように行動を始めた。ジャーメルが何も出来ないうちに、全植民地は 感染し、彼が唯一の生存者となった。彼はシャトルで離陸し、地球を目指した。 かの生物は彼を追跡し、テラナーたちが求めていたまさにそのものを提供した と説明した。楽園を。そしてかれは地球の同胞にも同じ事をするつもりであった。 地球の通信圏内に入るやいなや、ジャーメルは天の河の位置についての 発見を転送し、そして自爆してかの生物を巻き添えにした。 (訳注:実際にはガイドは生き延び、新たな生贄を求めて 引き続き100万年以上も大宇宙をさまようこととなったらしい。)


699 - 未知太陽の下のテラ Terra unter fremder Sonne
Terra under a Strange Sun
Kurt Mahr

ゼウスはローダンに向かって彼の提案を繰り返した。 3人の繁殖力のあるプローン人を引き渡せば、テラナーが彼の 太陽メダリオン(Medallion)の周りで地球を安定化させるのを 援助しようと。彼(訳注:彼女?)はそれによって繁殖し、 ヤイマダール・コンツェントリュンに対抗する新しい 勢力を造り出すことになろう。(訳注:ゼウスが卵を生むのだから ゼウスの本質は雌。なお繁殖力のある雄のプローン人のことは モポイ(Mopoy)と呼ぶ。)

地球では、科学者たちは人工太陽の発する放射がソルのそれとはまったく 同一ではなく、突然変異が起こりつつあると結論づけた。 プローン人女王がテラナーと締結した平和条約をキャンセルしようと しているらしいため、ローダンはゼウスの申し出を受け入れる ことにした。

コマンド部隊が3人のプローン人を捕まえ、ゼウスの元に運ばれた。 (訳注:女王ヤイマダールのいる惑星グラーク・シャナートに派遣された のはグッキー、ツバイ、ゴシュモカンなど。) そして計画が始まった。ゴシュモ・キャッスルの地下に隠された装置を 使って、ゼウスは月と地球をメダリオンに向かって引き寄せ始めた。 突然、一連の爆発がゴシュモ・キャッスルを揺り動かし、全ての 装置が破壊された。3人のプローン人は生殖行為が始まるやいなや、 ゼウスを殺すように女王によって特別に訓練されていたことが判明した。

結果として、ゼウスは6次元爆発の炎の中で消滅し、地球と月はこれらを引き戻す 牽引ビームも無いままメダリオンに向かっていった。(訳注: ゴシュモ・カンもゼウスの基地で死んでしまった。) 状況が次第に絶望的に なっていったとき、ヤイマダール・コンツェントリュンが旗艦に乗って あらわれ、テラナーへの感謝の印に援助を申し出た。テラナーたちは それとは気が付かない内に、彼女のライバルを取り除く手助けを していたのだ。

テラナーは申し出を受け、地球と月はメダリオンの周り2億キロメートルの 軌道に安定化させられた。人類はさしあたり平穏を得たように見えるが、 ペリー・ローダンは心のうちをブリーにだけは隠さなかった。 人類の歴史で始めて、テラナーは異種族の援助無しでは滅びさって しまったであろう・・・。