[Cycle 19] NGZ445-447 | 1300-1349 | Die Ga"nger des Netzes 網を歩む者たち
1340 - 蜉蝣の夢 Ephemeriden-Tr舫me
Dreams of the Ephemerids
Arndt Ellmer
Andreas J臾e英訳(2008-04-??)

蜉蝣(Ephemerids、訳注:カゲロウと読む。1329話の訳注も参照のこと。) は出会った人々の頭に暗いヴィジョンを映し出す合成プシ量子( synthetid psi-quants)である。(訳注:そのためこのアブザンタ=ゴムの 奇跡は「災いを告げる蜉蝣」と呼ばれている。) このことは制御手段として働く。何故ならば自分たちの見た運命を避けるため 蜉蝣の犠牲者達は法典の良い追随者となるべくさらにいっそう 努力するからだ。 エルンスト・エラートは局所銀河団を探している途中に蜉蝣と出会い、 それらは彼を捕らえ消滅させようと脅しをかけていた。 蜉蝣を学ぶために観察していたテスターレはエラートの精神の救援呼びかけを 受け取り彼を助け出した。 (訳注:1329話でちらっと触れられているように、 テスターレは「共生体」という立場に疲れていて、 みずからの手で何かをなしとげたいという願望に憑かれていた。 そのため、アプザンタ=ゴムの災いを告げる蜉蝣が不穏な 集結をはじめたという情報をつかんだかれは、 ひとりプシオン網をぬけ二重銀河にやってきていたのだ。 蜉蝣を構成する擬似プシクスの輝きのなか、 かれは救いをもとめる苦悩の声を聞く。 肉体をもたぬという共通点をもつ、 永遠の放浪者エルンスト・エラートの声であった。) 数週間後、二人は友人となった。その間、彼らは蜉蝣についてもっと 学ぼうとしていた。 ナックが永遠の戦士 (訳注:アプザンタ=ゴムの永遠の戦士はグラニュカル ) の命令で蜉蝣をコントロールしていたことが 明らかになった。しかし、それも彼ら自身の計画にかなう間の ことであった。 (訳注:そして、プシの奇蹟がエンジニア・ナックの制御すら逸脱しつつあり、 5万年の昔に永劫の闘争を創始したという伝説の人物アッター・パニシュ・パニシャ についての予言を行っていることがわかった。 「オーグ・アト・タルカンが帰ってくる....」と。 かれがまだ生きているというのか? ) エルファド人(Elfahdian)ドロール(Drohl)が永遠の戦士に取って代わった アニメーターにナックを服従させようとしたとき、このことは 明らかになった。彼らは断固拒否し、 蜉蝣を制御から逸脱させている アブサンタ・ゴムの幾つかの惑星の 世話をすると宣言した。 (訳注: ナックは、アプザンタ=ゴム北部の近接する4星系が 蜉蝣を混乱に導く超強力なプシオン放射の源であることをつきとめていた。 奇蹟のエンジニアたちは、まだかろうじてコントロール可能な蜉蝣たちを 集結させ、妨害波の源を強襲せんとしているのだ!! ) エラートとテスターレはこのことについてのメッセージを 綱を歩むもの達の情報索に送り 成就の地(Place Of Fulfillment)を目指した。 そこはエラートが発見した場所で 二人は新しい真の肉体を得ることができるだろう。


1341 - クマイのスパイ Der Spion von Kumai
The spy of Kumai
Robert Feldhoff
Andreas J臾e英訳(2008-04-29)

ブリーは彼がピナフォールで救助した突然変異した カルタン人の一人の様に変装し、ブランデルク(Branderk)星系の カルタン人をスパイしようとした。(訳注:彼は イルミナ・コチストワの手になる生体マスクでカルタン人に変装し、 ブランデルク系クマイに潜入した。 ) 彼と他のカルタン人は病院で治療され、病気のカルタン人に 与えるため一定量のパラタウが燃やされていた。 彼はそこを抜け出し、主要コンピューターを発見し そこから情報を得た。 しかし、錯綜した逃走の後、 彼が知ることができたのは、カルタン人の惑星の何れかに 蓄えられているパラタウの量と、 アブサンタ・ゴムにおける彼らの主要惑星フーバイ(Hubei) の座標のみであった。 彼は<エクスプローアー>にこの情報を送ることが出来たが、 逮捕されフーバイに護送された。 (訳注: タルカニウム・プロテクター会合にあらわれた、 チャヌカー=バンセイの司令官メイ・ラオ・トゥス(Mei-Lao-T'uos)がブルの額のトシンの印 を見つけ、彼の変装を看破したのだ。 なお、チャヌカーは1306話の舞台であり、1313話のダオ・リン・ヘイの回想の 舞台がこれらのカルタン人惑星の何れかは不明。1341話現在、 クマイのプロテクターの名はドリ・メイ・ヘイ(Dri-Mei-H'ay)。 ) <エクスプローアー>は 後を追った。

(訳注: 既にピナフォールでポジションの判明したラオ=シン拠点は、 クマイの他にアルゴン系シャレイ、シャント系バンセイ=チャヌカーがあり、 たがいにわずか数光年の距離に近接している。これに本星 フーバイを加えた四太陽帝国を住民たちは「タルカニウム」と称していた。 なお、ウパニシャドの戦闘服の名「シャント」や あのオーグ・アト・タルカンの名前との関係は未だ明らかではない。 クマイ周回軌道に居る間に<エクスプローラー>は、 涙の網、即ちカルタン語で〈ヌ・ヤラの涙〉と呼ばれるパラタウの保管施設、 に数億トンのパラタウが蓄積されていること、 そして、クマイの施設が5万年前に建設されたものであることをつきとめていた。 )


1342 - 無限からの死 Tod aus der Unendlichkeit
Death out of the infinity
H.G. Francis
Andreas J臾e英訳(2008-04-29)

新銀河暦446年: ペリー・ローダンと友人達は5万年の古さを持ちながら 一度も使われていない綱を歩むものたちの前哨を発見した。 (訳注: 網を歩む者たちはブリーからの情報でタルカニウムの3星系が正三角形を なしていることを知り、その中心にある星系にフーバイありと推測していた。 この前哨はそこで発見されたのだ。また、 タルカニウム三角形の重心から垂直に引いた線の先には ドリフェルの門が位置している。これは5万年前、 網を歩む者たちとカルタン人のあいだに何かがあったことを意味するのだろうか? ) クエリオン人たちは十分な説明をくれなかったので、 ペリー、アトラン、エイレーネ、フェルマーそしてラスは 綱を介してそのステーションに飛びさらに調査しようとした。 そこは惑星ファマル(Phamal)であった。すなわち、その前哨は アブサンタ・ゴムのカルタン人の主星フーバイにあった。 (訳注:ファマルのカルタン語の呼称は「オーグ」系フーバイで、 プロテクターの名前はミア・サン・キョン(Mia-San-K'yon)。 ) そのため、全員がカルタン人に捕らえられ、少し前にフーバイに 護送されてきたブリーと合流させられた。 (訳注:彼らを捕らえたエスパー警察官は、 テレス・トリ(Teres-Tri)、カラ・マウ( Kara-Mau)、そしてタルカ・ムウン(Tarka-Muun)であった。) ある雄のカルタン人はパラタウを使ったとき、肉体を離れて彼らをスパイする 能力を持っていたため彼らの逮捕が可能だった。 このことは無論、雌のカルタン人たちの目から見て立腹の種であり、 彼女らは彼が雄という理由でその能力を使い続ける事を許さなかった。 しかし、彼も最近捕まえた綱を歩むもの達もカルタン人が今直面している 最大の問題では無いことが分かった。 現地ではエスパー死(Esper-dying)が進行しており、 その原因が蜉蝣の大群の到来だと判明したのだ。 (訳注:1340話でナックがつきとめたという妨害波の源こそ、 涙の網に貯蔵された膨大な量のパラタウであった。 蜉蝣、つまり擬似プシオン情報量子の大襲来は、 カルタン人エスパーたちの発狂死を意味する。 パラトロン・バリアをもたず、超能力でパラタウを制御しているカルタン人にとって、 それは5億トンのパラタウの大爆燃につながる。 そして、それは“真の”ラオ=シン計画の崩壊を意味する。 ) ペリーと友人達はカルタン人を助けることを 約束し、徐々にカルタン人は彼らを信用するようになった。 彼らは今や捕虜ではなく賓客であった。 幻想状態でエイレーネは カルタン人がフーバイから発生し、そこで5万年前に最盛期を 迎えていたことを明らかにした。次にカルタン人は ラオ・シン計画の目的が アルドゥスタールからアブサンタ・ゴムへの完全なエグゾダス であることを明らかにした。 (訳注:エイレーレが言うことには、単なるカルタン人移住計画ではなく カルタン人は、5万年前みずからのはじめたことを終わらせるために帰ってきたのだ。 )


1343 - キングタイガー Der Knigstiger
The royal tiger
K.H. Scheer
Andreas J臾e英訳(2008-04-29)

ラトバー・トスタンとポジィ・ポースはサブハルを離れ、スティギアンと 戦っている天の河のGOIに加わろうとしていた。ペリーはまだ トスタンからクロッツについて更に情報を得たいと思っていたので 彼らの出発を好まなかった。 (訳注:彼らがクロッツから奇跡の生還をはたすのに使用した<ツナミ-32> は、救出の際のロゾルのささいなミスから自爆し、なぜトスタンたちが クロッツにいたのか等の謎の解明はふたりの記憶の回復まちという状態であった。 3ヵ月もの無為の日々にトスタンはたえられなくなったが、 ローダンはかれの記憶こそ事態の鍵としてトスタンの身を危険にさらすことを 厳禁していた。そのことが、かれにはがまんできず、さらに、 得体の知れぬ〈虎〉の悪夢がかれを苦しめていた。 ) しかし、タファス・ロゾルと80人のガフロン人(Gavvron)の 助けで、彼らはガフロン船<タアール>でどうにか出発した。 (訳注:正規乗員800名のうち大半が動乱のジオン・ゾムに帰郷しているため、 正常な航行が不可能と思われていた。 ) 彼らはどうにか天の河に辿り着いたが、ブルー人の先鋒と スティギアンの軍団の真っただ中に現れた。 (訳注: 故郷ではカルタン人との友好関係を認識したナックの手で ヘスペリデスの贈り物が銀河系から駆逐されつつあった。 ) 双方とも彼らを敵と誤解し、彼らの船は完全に破壊され、 ある恒星に突っ込んで最後を迎えた。 しかし、その前に彼らはGOIと働いているブルー人のティルツォと コンタクトを取った。 (訳注: 11月15日、 無敵とされるヘスペリデスの贈り物のひとつを、 奇策をもって破壊したかれらはGOIの注意をひくことに 成功した。 ) 彼は全員を <デック(DワK)>に乗船させた。その船上でトスタンは カルタン人のグァング・ダ・ガードと出会い、彼女の 姿を見たことが失われた記憶を新たに呼びさます引き金となった。 (訳注: グァング・ダとナックのアルフラルを一目見た瞬間、 トスタンの特異な記憶層からひとつの像が浮かびあがった。 強敵にして最良の友、キングタイガーがトスタンに託した知らせ、 「ヴォ・クシング・バオ・アト・タルカン」。 )

グリゴロフプロジェクター(Grigoroff-projector)の暴走の後、 <ツナミ-32>はある銀河で再実体化した。そこは天の河の 半分程度の大きさながらはるかに多数の恒星を含んでいて 赤く輝いていた。何カ月も気を失っていた後、 トスタンと乗員達はその銀河の外縁部で目覚めたのだ。 ここで彼らは未知宇宙船の攻撃を受けた。 彼らが敗れそうになった直前、トスタンは敵の指揮官に 1対1の決闘を申し込んだ。 指揮官は虎、即ちカルタン人を思わせる姿で、彼の申し出を 受けた。トスタンは戦いに勝つ事ができ、敵の命を助けた。 (訳注:このあたり、原文をちらっと見た限り若干修正が必要。 彼らは1ヵ月をかけて艦を修理し、飲料水の補給に着陸した惑星で、 トスタンそっくりのミイラのような種族の襲撃をうけた。 そのときキングタイガーも現れ、結果としてトスタンを救った ということらしい。トスタンの悪夢はこのキングタイガー との決闘が元になっているのであろう。 なお、このミイラ種族こそ次期サイクルで活躍するハウリのこと だと思われる。 ) 彼らは友人となり、トスタンは「虎」を助けて 巨大宇宙船の発進準備を行った。その船は<クロッツ> であることが分かった。 (訳注: 「虎」は〈プロジェクト・リーダー〉と称していた。 そして、十数年後、完成した〈救済作戦〉用の艦にトスタンは 同乗することになった。 ) <ツナミ>を<クロッツ>船上に 停留させたとき、トスタンはポジイを隠し、 彼の船をいつでも取り返せるようにすることを命じた。 遂に、<クロッツ>は大規模遷移を行い、ドリフェルの 近くに現れたのだ。


1344 - ハイブリッドの最期 Das Ende der Hybride
End of the Hybrid
Peter Griese
Andreas J臾e英訳(2008-05-15)

新銀河暦430年。 ジツィ・フッツェル(Jizzi Huzzel)は 知性植物コマンザタラ(Comanzatara)をコレクションに加えようと している狂信的な生物学者フェルベリン・デストヴィッチ( Ferbelin Destowitsch)から逃れてスヴォーンに辿り着いた。 (訳注:シガ人ジツィとコマンダサラは前サイクルでの ヴィールス船<アハターデック> 遭難の生存者。コマンダサラの能力で天の河に帰還していた。 この1344話はジツィの手記の形態で記述されている。それによると、 スティギアンにつきしたがい銀河系へやってきた、 <ツナミ-113>の元乗員のシャン(第三の階梯)の追跡を逃れ、 彼女はタフンやオリンプにも滞在していたらしい。 ) コマンダサラは彼女の同族の植物、アルドリューザタロ(Aldruizantaro) もう1体のザタラ(Zatara)とコンタクトをとった。それは コマンダサラの妹にして、彼女同様ケラ=ファ=ザタラの娘である フアカガチュアがおよそ15年のうちに彼女の元にやってくることを 予言した。(訳注:ケラ=ファ=ザタラについては1332話を、 ファカガチュアとアルドリューザタロについては1315話の訳注を参照のこと。 ) コマンダサラはその後姿を消し、ジツィ・フッツェル はスヴォーンで彼女を待ち続けた。

新銀河暦436年4月。 フェルベリン・デストヴィッチはジツィ・フッツェルを見つけ、 ザタラを引き渡すように求めた。 コマンダサラは戻ってきて、最後には デストヴィッチに、彼女が固有の権利を持つ個人であって、 彼には彼女を所有する権利がないことを 納得させることができた。 彼が出発する前に、彼女は彼が残りの人生を共有することに なるであろう女性を何時何処で見つけるかと言う予言を行った。 その後、コマンダサラは再生のため不動態に変化した。 別のザタラ、すなわちジェニファー・サイロン、デメテル、そして3人の シガ人が結合してハイブリッドを形成している植物ジャルカンダ( Jacaranda)はコマンダサラの身体を中継局として、ジツィに 彼女の状態と、フアカガチュアが来るときに再びコンタクトする という事を伝えた。 (訳注 意にそまぬ共生を強いられている融合植物、ジャルカンダは コマンザタラを「予知の姉妹」と呼んだ。 )

新銀河暦446年11月。(訳注:17日のこと) フアカガチュアがやってきて、 コマンダサラと協力して彼女はジャルカンダとコンタクトをとった。 ジャルカンダは、イルミナ・コスチトワが彼女をジェニファー、 デメテル、そしてシガ人たちから切り離す手術の準備をしているが 彼女は生き延びられないだろうと話した。 彼女はまた、オーグ・アト・タルカン(Oogh at Tarkan) にしか停められない大宇宙の破局について曖昧な予言をした。 彼女は二人に、およそ5万年前エスタルトウには自分たちの 主人についての情報を集めている20体のザタラがいたことも話した。 しかし、プテル人(Pterus)が彼女らの能力に気が付き、 殆ど全員を狩りたて、マジュスンタでハイブリッドの 親株としたのだ。(訳注:暗黒の天空奥深くにある惑星マジュンスタ からハイブリッドがライニシュの手にわたったくだりは1307話に詳しい。) ケラ=ファ=ザタラ、コマンダサラ、そしてアルドリューザタロ だけが逃げのびることが出来たが、ストレンジネスショックのため 記憶を失っていた。 (訳注:ケラの娘の フア以外はすべて、5万年にわたり永遠の探索、 すなわち情報収集の旅をつづけていた。 ) イルミナ・コスチトワが手術を始めたとき、 ジャルカンダは自殺し、 ジェニファー、 デメテル、そして3人のシガ人たちを解放した。

コマンダサラ、フアカガチュア、そしてジツィ・フッツェルは ザタラたちの力で <デック>にテレポートした。 (訳注:3人は第三の階梯シャンの襲撃を、かつてコマンザタラを追いまわした 収集家デストヴィッチの助けで撃退し、 ラトバー・トスタンを収容したGOI艦へ 空間転移で跳躍した。これはテレポートとは異なるらしい。 ) そこで、彼女らはカルタン人のグァング・ダ・ガードと ナックのアルファラルと出会った。 全員が類似の起源を持つ姉妹種族であることを認めあった。 (訳注:  そこでザタラたちはさらに記憶を呼びさました。5万年前に ザタラの奉仕していた主人とはカルタン人で、 <クロッツ>は第2の<ナルガ・サント>で、 本当の名前は「さらなる故郷」という意味の<ナルガ・プール>であった。 また、 「ヴォ・クシング・バオ・アト・タルカン」のメッセージは 『タルカンのバオが故郷のさらなるかけらとともに到着した』 という意味である。 ) ナックは今や失われたヘリペリデスの贈り物の操作を拒否し、 贈り物は結果としてその能力を失い消滅した。 ソト・テグ・イアンはその結果、天の河全部を破壊すると 宣言した。 (訳注:ジャルカンダが予言し、コマンダサラが伝えた 破局とはこれであった。 ナックにまで離反されたスティギアンは、 銀河系を〈物質の沼〉に変えると宣言したのだ! )


1345 - 啓示の霊廟 Gruft der Erleuchtung
Thy Crypt Of Enlightenment
Marianne Sydow
Andreas J臾e英訳(2008-05-15)

ニッキー・フリッケルとポエル・アルコンが<ナルガ・サント> に乗船してから12日後(訳注:二人は ギャラクティカムからの正式な使節の到着まで賓客としてとどまることに なっていたが、伝承者たちは秘密の一端さえ明かす気配がないため、 ニッキーは次第にいらだちをつのらせていた。 )、 <ナルガ・サント>の中枢であるスコ・タ・ミン(Sco-ta-ming)は 物知りの女たちに、無数のプシ粒子がタルカニウムに接近し、 そこに貯蔵されている莫大な量のパラタウが自爆の危機にさらされている と伝えた。 (訳注: <ナルガ・サント>で唯一、タルカニウムまでの膨大な距離、即ちピンホイール銀河と アブサンタ・ゴムの銀河間 を克服する探知器が、 カルタン人のコロニーに近づくプシの光輝を報じた。 それこそはナックのあやつる蜉蝣の大群であった。 ) 大距離のため、物知りの女たちはタルカニウムのカルタン人と コンタクトを取れないので、 ニッキー・フリッケル、ポエル・アルコン、そしてダオ・リン・ヘイは スコ・タ・ミンの最奥部の死のゾーンに侵入し、そこで人工的な ハイパーネーション睡眠(hybernation-sleep?、訳注:深層睡眠のこと) 状態に置かれている、オーグ・アト・タルカンを 目覚めさせようとした。 (訳注:伝承者(物知りの女たち)の 討議の場では、ポジトロニクスが唯一の解決策と考える「かれ」の覚醒を、 伝承者が却下しようとしていた。しかし、 ダオ・リンの主張で、ニッキーとポエルは生還の望み薄い〈啓示の霊廟〉へ おもむくことになる。そこに眠る者だけが、タルカニウムに警告するすべを有するはず。この任務の代償はカルタン人最後の秘密。 )

(訳注: 道々、ダオ・リンがカルタン人の真の歴史を語った。 5万年前、カルタン人はアプザンタ=ゴムでナック、ザタラらと共同社会を築き、 絶大な権勢を有していた。だが超知性体の失踪後、 実権をにぎったプテル人の陰謀で同盟は失われ、 カルタン人は敗退を余儀なくされた。 長い旅の末にピンホイール(M-33)にたどりついたカルタン人は、 事態に対処するため惑星クトゥルのロボットを創造した。 ところがその反逆のため野蛮に退行----そして、数万年がすぎた。 宇宙航行技術をとりもどしたカルタン人のあるものが、 クトゥルのロボットと<ナルガ・サント>を発見し、 種族の偉大な過去を知り、当時の指導者オーグの残した約束の地 ラオ=シンの伝説を知った。それこそが、タルカニウム、 万難を廃して帰還すべき故郷なのだ、と。 しかし、何かちがう。辻褄はすべて合うが、どこかおかしい。 ニッキーは本能的にそう感じていた。 )

彼女らは力を合わせ、途中の死の罠を全てやり過ごし、 オーグ・アト・タルカンを起こす事が出来た。 (訳注: めざめた男はゆっくりと起き上がり、口をひらいた。 「ヴォ・クシング・オーグ・アト・タルカン」 ) オーグは現在の状況に耳を傾けた後、全ての瞑想室(Dashid-rooms) の彼の彫像を使って、プテル人の唱える第三の道がまやかしであると いう言葉を伝える決心をした。 (訳注: すべてのウパニシャドにウパニシャド創設者たる アッター・パニシュ・パニシャの像が安置されている。 最初のソトでもあった創設者こそ、雄のカルタン人 オーグ・アト・タルカンである。 従って、伝承者に加わる前のダオ・リンが、 1313話で抱いていた創設者の彫像についての疑問は 解決した。オーグは、伝承者たちに 「罪悪を終わらせるために、わがすべてのシャドたちにむけて語らねばならぬ」 と言った。 )


1346 - 宇宙要塞3201の決着 Entscheidung im Raumfort 3201
Decision in Space-Fort 3201
Kurt Mahr
Andreas J臾e英訳(2008-05-15)

新銀河暦446年12月1日、 テラ、アルコン、オリンプ、そして更に多くの惑星の大ウパニシャッド学校( Upanishad-schools)にある アッター・パニシュ・パニシャの彫像(Attar Panish Panisha-statues) が、プテル人の元で第三の道(訳注:永遠の戦士の哲学 )はまやかしになったことを語り始めた。 激怒し失望した人々はウマニシャッドを破壊し始めた。 これはその後数日間のうちに全てのウパニシャッドに伝播し、 まだ完全に納得していない全てのシャド(Shada)はGOIの 抗法典血清(anti-codex-serum)を用いて治療された。 (訳注: オーグ・アト・タルカンの声の影響は顕著だった。 いまだ法典ガスの影響をうけておらぬ下級シャドたちは動揺し、 いたるところのウパニシャドで内戦が勃発、その大半が廃墟と化した。 オーグ・アト・タルカンの声は、銀河系、エスタルトゥを問わず、 あらゆる場所でいつわりの第三の道の哲学を非難しつづけた。 )

ボニファチオ・スルチはピンホイールから到着し、 キング・ヴァンス(King Vence)という名前の工作員によって ジュリアン・テイフラーの元に案内され、<ナルガ・サント> での出来事とオーグ・アト・タルカンの目覚めについて、 彼に報告した。 その後、彼とヴァンスと130人の元シャン(Shana?)は ウィンダジ・クティシャが居ると知った宇宙要塞3201に飛んだ。 (訳注:ある惑星のウパニシャド崩壊のおり、 瀕死のパニシュを暴徒から救ったファチィ・スルチと GOI工作員キング・ヴァンスは、 宇宙要塞フレシュ・トファール3201にいる ウィンダジ・クティシャに宛てた報告を託されたのだ。 <アヴィグノン>乗員の仇、ファチィの復讐の的〈恐怖のハンター〉への 手がかりが得られた。 ) チョモランマの陥落の後、ソト・テグ・イアンは最後の予備部隊を そこに駐屯させていた。 彼らは、ソトにまだ忠実なシャンのふりをして、 フレシュ・トファールに隠れ家を公式に求めた。 しかし、ファチィは隠れて フレシュ・トファールの換気システムに密かに多数の小型容器を ばらまいた。 (訳注:ヴァンスが謁見の間で偽装工作をして居る間に、 ファチィはひそかに技術施設に潜入、空調システムに細工をほどこすことに 成功していた。 ) これは点火インパルスにより多量の抗法典分子を合成する ことになっていた。 彼は発見され、ウィンダジ・クティシャの前に連行されたが、ファチィは 小型容器に点火インパルスを送ることができた。その多くは ウィンダジ・クティシャ自身の近くにあった。 恐怖のハンターは第三の道に対する信頼を失い、自身のロボットに 自分を殺させた。なぜなら、彼は自分をソト・デグ・イアンに 対する反逆者であると信じ込んだから。 (訳注: エルファド人ウィンダジ・クティシャは、もはやかれの輝けるソトの教えを、戦士の法典を信じることができない。 )

その間、ハルト人はスティギアンの宇宙船に対し、新兵器のテストに 成功していた。 彼らはトランスフォーム爆弾を送り出す装置を動作中にブロックし、 485隻のスティギアン宇宙船を自身の爆弾で爆破させた。 スティギアンは今や全天の河を破壊するという彼の宣言を実行に 移し始めた。彼は天の河の中心ブラックホール近くの宇宙ステーション <ウズルフ(UDHURU?)>に赴き、 スティギアン網の全エネルギー(訳注:銀河系の奇蹟ゴルディアスの結び目と スティギアの網に蓄えられたプシオン・エネルギー )を使ってブラックホールの重力を 増加させ、ブラックホールが全天の河をむさぼり喰らうプロセスを 開始させようとした。


1347 - 事象の地平のほとりで Am Ereignishorizont
At the event horizon
Kurt Mahr
Andreas J臾e英訳(2008-05-15)

スティギアンはウズルフ・ステーションにいて天の河の破壊の準備をしていた。 力ずくで彼の防御バリアを破り、彼を攻撃使用という全ての努力は無に帰した。 しかし、これらの攻撃の間、スティギアンは攻撃艦隊を破壊するために バリアを一時止めていた。その隙に、ストーカー、 ボニファチィオ・「ファチィ」・スルチ、シド・エイヴァリッド、 そしてグアング・ダ・ガードは攻撃艦隊と共にバリアを抜け、 船がスティギアンの攻撃を受ける直前に脱出することができた。 いまや、彼らはセルン(SERUN)をまとったのみで、作戦中見とがめられる には小さすぎる標的であったため、密かに<ウズルフ>に着陸した。 グアング・ダ・ガードはパラタウを使ってスティギアンを見つけ、 シド・エイヴァリッドはストーカーがそこに辿り着くのを助けた。 ストーカーは自ら名乗りをあげて、スティギアンとかれにアニメーターも クラルシュ(Kralsh)に戦いを挑んだ。彼は二人を殺した。 (訳注: エイハブ=ストーカーの復讐の時が到来した。 結果はかれの----そしてかれを再生したタフンの医学の----勝利だった。 細胞それ自体から強化されたストーカーの能力は、 一度は敗北を喫したスティギアンのそれを、完全に凌駕していた。 かれは名誉を回復した。本当の復讐はこれからはじまるのだ。 ) 今や、中央ブラックホール近くの他のステーションのナックは 最後の瞬間に破壊プロセスを止めることができた。 彼らは、スティギアンがブラックホールにそそぎ込もうとした エネルギーの向きを変え、スティギアン網とプシオン網を繋いだ。 (訳注: 時をおなじくして、ギャラクティカーの新たな同盟者となった ナックのアルフラルの機転により、奇蹟に蓄積されたプシ・エネルギーは間一髪で、 巨大ブラックホールの“事象の地平”に解放された。 銀河系最大の危機は回避された!! 同時に、銀河系の奇蹟もまた消滅していた。 スティギアの網は本来のプシオン網に駆逐され、戦士のこぶしはもう銀河系に輝かない。銀河系は解放されたのだ....。 ) ストーカーはスティギアンの旗艦<ゴムスター>の所有権と、 プテル人との戦いの援助のためエスタルトウに向かうと宣言した。 (訳注: スティギアンの屍を、かれを裏切ったプテル人に叩きつけてやるのだ、と。 ) 「それ」の使者ペレグリンが出現し、天の河の大災厄は避けられたが 大宇宙の大災厄はまだ差し迫った状況にあると告げた。その震源地 として彼はドリフェルの名をあげた。 (訳注: 新銀河暦446年12月末、独裁からの解放にわくクリスマスの クラーク・フリッパーにペレグリンが出現、警告を叫んだ。 「真の破局はこれから来る。源はドリフェルだ!」 )


1348 - エスタルトゥ・サーガ Die ESTARTU-Saga
The Estartu-saga
Ernst Vlcek
Andreas J臾e英訳(2008-05-15?)

ペリー・ローダン、アトラン、フェルマー・ロイド、そしてラス・ツバイは サブハルに戻った。フーバイにはエイレーネがカルタン人と共に残っていた。 (訳注:タルカニウムに迫る危機、すなわち擬似プシクスの蜉蝣の大群を止める 手段をもとめ、ローダンたち網を歩む者は奔走していた。しかし、 ウパニシャドに響くオーグ・アト・タルカンの声は永遠の戦士の帝国を 震撼させていた。 それは付人=シングヴァ族対永遠の戦士たちという内乱をひきおこし、 エスタルトゥ十二銀河のすべてが崩壊するかと思われた。 多くの謎のなか、 事態はさらに複雑化していく。 ドリフェルが急激な活動を開始したというのだ。 ドリフェルが直径5000万光年の天球のプシ定数を上昇させたのは、 プテル人が十二奇蹟を建設したためと信じられてきた。 だが、紋章の門の破壊にもかかわらずドリフェルの異常活動は いっこうにやむ気配もない。 ) アラスカ・シェーデレアとアトランはチョモランマを訪問して、 アッター・パニシュ・パニシャの彫像が話し始めた事を確かめることが 出来た。(訳注:深淵の騎士のオーラの呪いはどうなった?>アトラン) その間に<クロッツ>がタルカニウム近くに到着した。 (訳注: 「ヴォ・クシング・バオ・アト・タルカン」という送信を再開するいなや、 クロッツがリニア空間経由で出現した! タルカニウムのカルタン人は、クロッツを<ナルガ・プール>と呼んだ。 プロジェクト・コーディネイター、バオ・アト・タルカンは5万年の空白を 越えてラオ=シン計画の実現のため増援に駆けつけたという。だが、どこから? そしてどうやって? そもそもラオ=シン計画とはカルタン人の移住計画ではなかったのか? ) ロイドはドゥアラ・オベー(Duara Obeah)をドリフェルから救助し、 ドリフェルへの門が閉じられていることを発見した。 タルカニウムを脅かすプシ粒子への対抗策を求めて、 ペリーと友人達はクエリオン人との会議を要求した。彼らの一人、 ウィボルト(Wybort)は呼びかけに答え、進んで過去についての知識を 公開した。

エスタルトウはかつてドリフェルを守っていたが、彼女が紀元前50567年に 自らの勢力範囲を後にした後は、クエリオン人がドリフェルを 調べ始め、その監視を引き継いだ。 (訳注 およそ5万年前、超知性体エスタルトゥは遥か彼方の銀河からの救いをもとめる 通信をうけとり、危機にさらされた種族たちに援助の手をさしのべることを決意。 十二銀河をまかせる代行種族としてプテル人を選選び出し、 かれらの内戦を集結させて代表者たちを惑星エトゥスタルへ召喚した。 40年の準備期間の後、彼女は出発した....。) 紀元前50027年に宇宙現象に繋がるある反応で、ドリフェルは プシ定数を上昇させた。 (訳注:数百年がすぎ、かつて内戦を陰から操作したとして エトゥスタル共同体への参加を禁じられていたシングヴァ族からも 球形体の心臓へ招かれるものが出ていた。 そのかれらがプシオンの奇蹟を創造すべきだと主張してまもなく、 突如ドリフェル管轄宙域のプシ定数が急上昇した。 シングヴァ族のしわざであるという意見がエトゥスタルで大勢を占めた。そのとき、 「ヴォ・クシング・オーグ・アト・タルカン----こちらタルカンのオーグ」という メッセージと共に <ナルガ・サント>が出現した。指導者オーグは、 エスタルトゥが救済にむかった銀河ハンガイから来たと語り、 かれらがドリフェルによって新天地たる力の球形体エスタルトゥへ 転送されたため、そのストレンジネスがコスモヌクレオチドに影響を与え、 プシ定数の激変を招いたと説明した。 ) 37年後、13人のクエリオン人が種族の 精神集合体を離れ、ドリフェル防衛の手段として綱を歩む者の組織を 打ち立てた。高名なアッター・パニシュ・パニシャである オーグ・アト・タルカンを探している間にクエリオン人は見つけた・・・。 (訳注: ウィボルトは、網を歩む者が創設されたとき、 オーグ・アト・タルカンとコンタクトをとろうと試みた事実を認めた。 ファマル=フーバイのゴリム・ステーションはその証である。 だが、そのときすでにカルタン人はエスタルトゥから姿を消していたのだ。 クエリオン人は答えを知るオーグの帰還を望んでいたのだ。 )

...続く...


1349 - カルタン人の年代記 Chronik der Kartanin
Kartanian Chronicles
Ernst Vlcek
Cedric Beust英訳(2005-06-06)

新銀河暦447年始め、グッキーは 天の河の最近の出来事を報告し、これにより ローダンは<ゾムバス(Sombath)>のイジャルコルと会見する決意を固めた。 (訳注: この混沌を静めるためにはかれの協力が必要なのだ。 幽霊船と化した彼の旗艦で、ローダンは息絶えたスロルグの頚をしめあげつづける イジャルコルを発見した。戦士はシングヴァから5万年前の真相を聞いていたのだ。 なお、1339話の訳注ではシングヴァ族=プテル人と言うような 解釈を行ったが、イジャルコル自身や他の永遠の戦士もプテル人であり、 プテル人の陰謀家がシングヴァ族というのが正しいらしい。 イジャルコルから協力の約束をとりつけたローダンは、 アプザンタ=ゴムの永遠の戦士グラニュカルが内戦のなか 行方不明になったことを知らされる。もはや蜉蝣を止める手段はないのか。 ) 彼らはタルカニウムを脅かす蜉蝣の大群を制御しているナックの 一人を誘拐することを決意した。 エイレーネはエスタルトウの歴史を父から知らされたとき、 自身と類似に聞こえることを悟った。ローダンは、 オーグ・アト・タルカンと話すためグッキーとロイドを局所銀河団に 派遣した。

ローダンは状況を伝える(defuse)ため、カルタン人の無線チャンネルで 種族の全歴史を放送する決心をした。 <ナルガ・プール(Narga Puur)>のコーディネーター、 バオ・アト・タルカン(Bao at Tarkan)はギャラクティカ(Galactics)を 裏切り者と呼び、ミア・サン・キョンに テラナー達を逮捕するように命じた。カルタン人は テラナーが敵ではないと感じていたのでためらったが、 同時にタルカニウムに貯蔵した4000トンのパラタウを移動させる事も 気が進まなかった。

ローダンはバオ・アト・タルカンを翻意させようと試みたが、 司令官は聞く耳を持たず、エスタルトウについて何も知らないと 主張した。 イジャルコルはナックのドバリ(Dobaril)をローダンの元に 連れてきて、ミアはローダンに裏切られたのではと初めて考えた時、 ナックとのメンタルコンタクトを感じ、彼女ら2種族が本当に 親戚であることを確信した。ナックは蜉蝣の大群を撤退させることに 同意した。 (訳注: タルカニウムでは依然破局のプログラムが進行し、 それをとどめようという努力がつづいていた。 バオ・アト・タルカンの到来がまねいた一時の緊張も、 かれが協力を約したことで解消した。 さらに、イジャルコルの介入でカルタン人との太古の関係を知らされた ファラガらナックが、蜉蝣を停止させるべく動きだしたという連絡も入った。 そして、ナックの懸命の努力で、蜉蝣たちはタルカニウムから わずか数光時の宙域で進撃を停止した。カタストロフは回避されたかに見えた。 )

(訳注: オーグ・アト・タルカン帰還す!!というピンホイールからの報をうけ、 伝承者たちのもとへ派遣されたグッキーとフェルマー・ロイドは、 オーグ自身の口から、エスタルトゥ撤退後のカルタン人の以下の様な 歴史を聞かされた。 ) タルカン(Tarkan)宇宙は死につつあったので、エスタルトウは ハンガイ(Hangay)銀河全体を我々の宇宙に移送しようと決意した。 最初に<ナルガ・サント>が偵察船として派遣され、 それはカルタン人だけでなくナック、ザタラ他12以上のハンガイの 他の種族を乗せて次元バリアを越えた。 (訳注:ナックは プシ領域エンジニアで、ザタラは生ける航宙日誌であった。 ) エスタルトウは彼女が大宇宙の法則をおかしており、 異宇宙生物の身体が新しい宇宙に現れるやいなや、 コスモヌクレオチドのドリフェルがその存在に反応して 宇宙定数の値を変えることを知っていた。

<ナルガ・サント>が我々の宇宙に実体化したとき、 予想されたストレンジネス衝撃波にさらされた。 ナックはこれから速やかに回復し、 タルカンへの橋をかけるための実験を開始した。 オーグ・アト・タルカンはエスタルトウの全計画を知る少数の人々 の一人であったが、自分の種族にはその反応を恐れて 情報を与えないことに決意した。 (訳注:陰謀家たるシングヴァ族は <ナルガ・サント>のカルタン人やほかの種族を利用しようと考えた。 オーグをエスタルトゥの精神を伝えるものとして、 ウパニシャドなる〈第三の道の哲学〉の学校の長となし、 ナックを借りうけてプシオンの十一奇蹟と、 プシ定数の変化から利用可能となったプシオン網を翔ぶ エネルプシ駆動を創造させた。 その間に、エトゥスタルはほとんどシングヴァ族の支配下に置かれた。 )

その代わりに、彼は多くのウパニシャッドに彫像を 設置させた。これは時が至ればカルタン人達に語りかける ことになっていた。 ナックとザタラは背後に隠れて近くの政府を制御し、 ドリフェルを監視下においた。 (訳注: シングヴァ族は今度はオーグに不安を抱き始めた。 かれはウパニシャドに置かれる自分の彫像におのれの精神のかけらを混入し、 それを介して全エスタルトゥのシャドを導いている。 もしかれが野望をもったら?そのため、 シングヴァはオーグを暗殺、ないしはロボトミー化する計画を立てたが、 それを察したオーグは<ナルガ・サント>とともにエスタルトウから 姿を消してしまった。 それにエスタルトウでは、どこからともなく謎のゴリムが出現し、 シングヴァの権力をおびやかし始めた。 エトゥスタルの用途不明の技術製品を、 ナックの助力で〈失われたエスタルトゥの贈り物〉として ムウン銀河にばらまいたあと、 遺伝子操作で徐々に矮小化しつつあるシングヴァたちは、 権力防衛のため「永劫の闘争」体制の準備にとりかかった。 ) オーグ・アト・タルカンはハンガイがどこに 実体化することになっているかを正確に知っていた。 アルドゥスタール銀河の近く。そこで彼は艦隊を この方向に向けた。 (訳注: ハンガイからの難民たるかれらは、 ふたたびエスタルトゥからも逃走を余儀なくされた。 しかし、超知性体との契約にもとづき譲渡されたタルカニウムの 施設建設はほぼ完了しており、いつでも使用できる状態にある。 いまは〈転送ポイント〉で同胞たちの受け入れ準備を整えるのが 先決であった。技術施設の管理のため、ナックだけは 唯一エスタルトウに残った。 )

道中、彼らはシャイアーロン(Sayaaron)と呼ばれる銀河(アンドロメダ) を、レムール人とけだものの間の戦争のため避け、 ノクターン(Nocturnians)の銀河を調査した。 彼らはハイパーシンボル(hypersymbols)を解読し、パラタウを 発見した。後に、オーグ・アト・タルカンがファーナックス( Fornax、訳注:炉座銀河)を訪問したとき、その賢者(Wise)から、 ノクターンは局所的なプシ定数を増加させて危険な精神遺伝子( psychogene)を合成することができると聞かされた。 (訳注:この辺りは整理が必要かもしれない。賢者とはノクターンの 第二階梯の水晶の塔型知性体の最長老の個体の名前。パラタウは 第一階梯の5次元振動水晶の膜型知性体の時に分泌される。 パラタウが 大量に集積されると化学反応を起こして爆燃という現象にいたり、 その結果放出されるエネルギーはノクターン自身を破壊し、 進化の妨げになる。)

ファーナックスの賢者はオーグ・アト・タルカンにパラタウを 中性化させるように依頼され (訳注:1338話の訳注に引用されているエピソードか? パラタウ、いわゆるヌ・ヤラの涙は、実は<ナルガ・サント>の転送が ドリフェルにあたえた変異の産物であった。オーグは 苦しむノクターンのためその清掃を契約した。 ) 、その作戦が始まったとき、パラタウが 全ての雌のカルタン人にプシ能力を与えることを発見した。 同時に、<ナルガ・サント>の全種族はストレンジネス衝撃波による 突然変異の兆候を示し始めた。突然変異は始め短期間の記憶喪失を 引き起こしたのみだが、数世代の内に対には過去を完全に忘却するに至る だろう。 (訳注: オーグはそんな事態になるまえに準備を完成させようと努めた。 ハンガイの転送計画、即ち真のラオ=シン計画のスムーズな進行を。 )

科学者達は第三世代に始まる退化を食い止める方法を発見し、 オーグ・アト・タルカンは<ナルガ・サント>の様々な種族を アルドゥスタールの全域に移住させ、数千というノクターンを 回収して<ナルガ・サント>の多くのフロアーに再配置させた。

ある日、パラタウの大爆発が<ナルガ・サント>の一部を破壊し、 ノクターンの全フロアーがファーナックスの愚者(Idiot)と化した。 第三世代が過去を憶える手伝いのためロボット艦隊が作られた。 (訳注:種族の退化を克服するため、 オーグはラクノル星雲にハンガイ諸族の英知を結集した ロボット文明を建造した。 退化のあとで、ふたたび文明を築くときが必ずくる。 そのとき、ラクノルのロボットたちの保持する科学技術が活用できるはず。 ) 最後に、オーグ・アト・タルカンはは12人のカルタン人と共に <ナルガ・サント>の冬眠室に引きこもった。

12年後彼が目覚めたとき、ハンガイの21種族の何れも宇宙飛行が 出来なくなっていた。10年後、彼はテフローダーと対面し、 <ナルガ・サント>のノクターンフロアーを照射して辛うじて 彼らを撃退した。その後、彼は眠りに戻った。ロボットたちが 退化した世代を再興させたなら直ちに目覚めることを望んで。 (訳注: カルタン人をはじめとする22種族は、 異宇宙タルカンから来た。そして、 かれらの故郷銀河ハンガイが「この宇宙」メーコラーに転送されてくる 〈転送ポイント〉で、かれらは待ちつづけるだろう。 オーグはラオ=シン計画の再興を夢見ながら深層睡眠についたのだ。 )

グッキーとロイドは、オーグ・アト・タルカンが400万粒のパラタウの爆発が ドリフェル星域に宇宙的災厄を引き起こすのではないかと恐れていることを 説明した。

アブサンタ・シャド銀河のエルファドでブルはヴォルカイルと会っていた。 そこには3千隻のエルファド船が蜉蝣の大群と戦うために新たに 集結したばかりであった。 (訳注:レジナルド・ブルは昨年の事件、つまり1304話の法廷事件 以来友好的な関係をたもっているエルファド人の艦隊を集結させて アプザンタ=ゴムの奇蹟である蜉蝣を破壊せんと手配していた。 ナック翻意の報はかれらにまで届いていなかったのだ。) ブルは蜉蝣が停止させられたということをまだ知らなかったため、 1万2千隻を タルカニウムの心臓部の蜉蝣の大群が形成する球体を通過させた。

パラタウの全貯蔵分はプシ放射で点火され爆発した。 (訳注:すでに攻撃停止命令をうけている蜉蝣たちは「通常」の活動にうつり、 ブルの要請をうけたエルファド艦隊をプシのヴィジョンで包もうとした。 その結果、タルカニウムをプシの嵐が襲った。 パラタウの大爆燃がまきおこった。 )

何百人というプシ能力を持つカルタン人が死に、数千人以上がプシの嵐(psiphreny?) に屈した。ハイパー次元衝撃波がドリフェルの5千万光年の球体全体で揺れうごき、 局所銀河団の内部、ピンホイールから88万光年、天の河から213万光年の ところに数百万もの恒星が現れた。

ペリー・ローダンは大災厄の丁度その時ドリフェルの内部に滞在していたが、 何処にも見つからなかった。 (訳注:ドリフェルの活動が一段と高まっているとの報に、 かれは単独で偵察行に出る決心を固めた。 仲間たちの制止をふりきり、かれはドリフェルへと出発した。 ドリフェルは、今度は何を孵化させるというのだ? しかし、この完璧な破局は、ドリフェルで最大の効果を生んだ。 タルカニウムの爆燃がはなつプシの奔流はドリフェルの門を抜けて ヌクレオチド内部へなだれこみ----そして、プシクスが一斉に動いた。 )

(訳注:この 破局は新銀河暦447年1月31日に起こった。 それを、虚無のなかから観察している存在がいた。 〈それ〉の年代記作者である。 1348話及び1349話は彼の手記という形態で記述されている。
そうして、かれは記録した。 宇宙をつつむ〈深淵〉に亀裂が走り、異宇宙の星々が突入してくるさまを。 〈それ〉の「妹」エスタルトゥをめぐる事件は、次なる章へ移った。 新たな章の主役は、異宇宙へと流されたテラナー、 ペリー・ローダン。 そうして、異宇宙タルカンの物語が幕をあける。
ローダンは700話までは太陽系帝国の大執政官、2000話からは自由テラナー連盟 のテラ主席という公職にあり、人類を牽引する立場にある。そのため、その辺りの ストーリー展開も彼が率いる艦隊戦という色が濃い。この綱を歩むものサイクルは 丁度その真ん中で、私人としての彼及び仲間達の様々な行動が入り組んで 描かれている。 ここでは主人公ローダンも歴史の流れの中の1個人、娘を気遣う父親にすぎない。 こんなローダンも有ってよいのではないか? )