"地球の未来 - 太陽系政庁が誕生した。"
NGZ13世紀末、地球に戻ったペリー・ローダンは混乱した政治状況を眼にした。 地球は日毎に膨張政策を推し進めている水晶帝国(Crystal Empire) に対抗する基盤を失っている。 宇宙工場(Cosmic Factory)<ウエイヴ(Wave)>による攻撃で主要人物 の多くが殺されたので、ローダンはテラ主席に立候補することを決意した。 このため、在アルコン大使であったマウレンツィ・カーティツ(Maurenzi Curtiz) と協力した。しかし、そのためにはキャメロット(Camelot)は解体せねば ならなかった。なぜならばそれはもはや適切ではない分離のシンボルであるからだ。 ローダンはホーマー・G・アダムスとオクストーン人モンキー(Monkey)に この解体作業をいらいした。モンキーは細胞活性装置を持っていることが 解った。二人の男はしぶしぶ了承してセレス(Ceres)系に出発した。
タウトモ・アーゲンフェルト(Tautmo Aagenfelt)がローダンに面会し 悪い知らせを伝えた。トロウバドウア(Troubadour)では全ての シントロニクスコンピューターがオフライン状態になったのだ。科学者は コンピューターがダグラッシュ(DaGlausch)銀河から来た5次元ベースの コンピューターウイルス、コーラ・ヴィ(Korra Vir)にやられたと結論づけた。 コーラ・ヴィは研究のためにキャメロットに持ち込まれたが実験室から 逃げ出したのは明らかであった。
会議が召集され、その席でブリーは最新のアイディアを披露した。水晶帝国の 最近の躍進に直面し、テラナーには新しいシンボルが必要である。それは 太陽系政庁、テラニア上空に建設される新しい都市である。浮遊都市は 高さが1000メートルに及び、緊急の際には近くの海に退避できるだろう。
ホーマー・アダムスとモンキーはキャメロットに到着し、市民たちに悪いニュース を伝えた。ローダンの計画に反して二人の男はキャメロットを単に新しい場所に 移そうとした。彼らはキント・センターのかつての場所を選択した。中空の 小惑星には人員と装備の何れを収容するにも十分なスペースがあった。投票が 行われ、キャメロットに住む50万人のうち6万人はそこに留まり、18万人が地球に 戻り、残りがキント・センターに移住することになった。
テラでは毎日のように多数のミュータントが生まれていた。彼らはテレポーター、 暗示能力者、テレパスなどで、共通の障害を負っていた。彼らは全て色盲で あった。このため、モノクローム・ミュータント(Monochrome Mutants)と呼ばれた。 調査の結果、全てのモノクローム・ミュータントは少なくとも先祖の一人は ホリコス(Horrikos)の出身であった。この惑星はモノス(Monos)の時代に 遺伝子操作のために使われていた。
自身の能力を制御するには若すぎるミュータントの増大という脅威に直面し、 ローダンはモハリオン・マウレ(Moharion Mawrey)という名前の若い女性に 白羽の矢を立てた。彼女はミュータントではないもののせむしで、それゆえに 他人と違うことがどのように感じるかをはっきり自覚していた。彼女は申し出 を引き受け、ローダンの執務室を出ていった時、彼はあることを思い出して 苦しんだ。彼の妻、モンドラ・ダイアモンド(モンドラ・ダイアモンド)も ホリコスで生まれたのだから、息子のデロリアン(Delorian)もミュータント であることは当然であろう。
当面の打開策はプシ・ネット(Psi-Nets)、アルギオート(Algion)紛争で 使われた兵器、であると思われた。これにより、少なくとも一時的には 若いミュータントたちの能力を無効に出来るだろう。
トリム・マラート(Trim Marath)という名前の若いミュータントは モハリオン(Mohario)に、モルケロ・ゼーレンクヴェル(Morkhero Seelenquell) と呼ばれる強力な存在と短期間の接触を持ったと報告した。彼はモルケロが 非常に敵対的であるということ以外に報告できなかった。
ブリーは最近のコーラ・ヴィの発生に心を奪われていた。彼は近い将来に ほとんどのシントロニクスコンピューターが発病し、太陽系帝国(訳注: この当時のテラ政府は自由テラナー連盟LFTが正しい。)はこの危機が解決するまで ポジトロニクスに交代させることを考えねばならないと予言した。しかし、 ポジトロニクス素子は入手困難で、これらが生産されている場所は 主に2カ所だけであった。惑星オリンプとハヨク(Hayok)星系。
アルコンの指導者ボスティク(Bostich)がコーラ・ヴィ流行の根源に いることがわかった。かれはウイルスを使って彼の権力を増し 全太陽系を征服しようとしていた。彼は20万隻の宇宙船をハヨク星系に 派遣し、テラ帝国のポジトロニクス素子の主要ソースを奪おうとした。 ローダンはボスティクと妥協した。工場に自爆用爆弾をセットしたことを 口実にしてローダンは全居住者を無傷で退去させることが出来た。 しかし、今やアルコン人がハヨクの支配権を握った。
その後、ローダンはホーマー・アダムスの訪問を受けた。彼はこの危機の 到来を何年も前に予見し、過去数年間の間p素子を貯蔵してきたと告げた。 彼は今48億個の素子を所有しているが、これをLFTに贈るつもりはない、 売ろうというのだ。始めは呆気にとられたが、ローダンは彼の要求する 値段を訊ねた。アダムスはキャメロット、いまは新USOと改名した、は 50隻の<オーディン(Odin)>級の巡洋艦が必要だと話した。ローダンは 同意せざるを得なかった。その間、ネーサンとプリンス・ロジャー、 オリンプのコンピューター、はポジトロニクスに変更され、コーラ・ヴィ の攻撃に耐えるようになった。
トリム・マラートは再びモルケロと接触し、恐怖に襲われた。この悪の存在は 今地球にいてローダンを追いかけている。マウレはローダンに警告しようと したが、彼を見つけることが出来なかった。ローダンはタウトモ・アーゲンフェルト との会話に忙しかった。その時突然物理学者は彼を殺そうとした。ローダンは 分子破壊銃の致命的な一撃をかろうじてかわした。戦いのさなかにアーゲンフェルト は殺された。
その後、ローダンはロト・ケレーテ(Lotho Keraete)の訪問を受けた。 「それ」の使者は鼓動(Pulse)から帰還した後、地球に留まっていたのだ。 ケレーテはローダンに「それ」が自身の過去を公開する決心をしたと告げた。
何百万年もの過去、「それ」はまだ超知性体ではなかった。かれは ラクサロン(Laxaron)銀河(訳注:今日のファーナクス(炉座)銀河)の ヴォヤル人(Vojaridian)の一人、アーン・ヴィスペロン(Ahn-Visperon)を 自らの使者に選んだ。後にヴォヤル人たちは神秘的な存在の攻撃を受け、 唯一の解決策は「それ」が意識の次の段階に切り替わり超知性体になること であった。その過程には何千年もかかり、全ヴォヤル人はこのために 物理的存在を去らねばならなかった。彼らはノクターン(Nocturnians)と 呼ばれる精神的存在になった。
アムブール(Ambur)、ヴォヤル人の故郷惑星は二つに切断された。片方は 「それ」の新しい居住地になり、他方はエネルギーに変換された。ローダンは かつて人類を滅ぼしかけた「反それ」を生み出したのが、実のところ、「それ」 の超知性体への変身であった事を知った。
ワンダラー(訳注:かつての惑星アムブール)はヴォヤル人の助力で 発展を始め、主要都市アムブールはカルブシュ(Karbush)と改名された。 何百万年の後、「それ」はヘりオートス(Heliot)と名乗る奇妙な存在の 訪問を受けた。「それ」は2千万光年彼方で起こっている非常に稀な 現象を知った。二つの銀河が過去に衝突し、物質の全くない宙域を形成 しているのだ。そのような場所は高次勢力が赴くことは出来ないので、 ヘリオートスはそこにトレゴン(Thoregon)という独立な評議会を作るべきだと 考えていた。「それ」はこの計画に興味を示したが、エスタルトウ(Estartu、 訳注:これまで「それ」の妹と称されていた超知性体であるが、元々は 「それ」の中の人格の一つらしい。さらに2000話台の設定ではむしろ 「それ」の姉と考えるのがふさわしいのかも知れない。) は非常におびえたようであった。「それ」は回答を保留しようとした。 ヘリオートスは了解したが、いつか戻ってきてその時ははっきりした 回答を求めると告げた。
時がたつにつれて、エスタルトウがトレゴンへの参加に決して同意しないであろう ことが明らかになったので、「それ」は二つの人格が分離するほうが ふさわしいと判断した。エスタルトウは未知の目的地に向かって旅立ち、 「それ」は自らの力の球形体(Sphere of Influence)に留まった。エスタルトウ が彼の意識に対となる人格、「反それ」を残したことも知らずに。
「それ」の超知性体としての最初の挑戦は、ネガティヴな超知性体 ストロウワン(Strowwan)との戦いであった。「それ」は、後に ストロウワンのパラドックスとして知られることになる策略を用い 敵を自滅させることによって、かろうじてストロウワンに勝利した。 ストロウワンは物質の窪地(Matter Sink)に変身し、ついに標準宇宙から 姿を消した。ストロウワンの最後はニサール(Nisaaru)の誕生の 引き金となり、彼はチュアルス(Chearth)銀河に力の球形体をおいた。
「それ」はアーン・ヴィスペロンを派遣し、シルク(Sirku)、ニサール の分身、と会談させた。シルクはニサールがヘリオートスの訪問を受け トレゴン評議会への参加を了承したと告げた。この時点で他の2名の参加者 が知られていた。ゴルホーン(Gorhoon)銀河のメタモーフ(Metamorph)と プランタグー(Plantagoo)銀河のバイコルト(Baikolt)である。(訳注: 1992話あたりの記述では、 ゴルホーン銀河のノンッゴの導師がバイコルトで、プランタグー銀河の ガローン人の導師はヴェヒセルバルクが正しいはず。) 「それ」 は再度エスタルトウに呼びかけたが妹(姉?)は評議会への参加を拒否する 態度を崩さなかった。
ローダンは地球から900光年のトプシド星系にボスティクが38000隻の宇宙船 を派遣したという知らせを受け過酷な現実に引き戻された。攻撃が始まったとき ブリーがたまたまそこにいて、彼のチームとのあらゆる連絡は失われて しまった。
(訳注:2000話のより詳しい要約が西塔玲司のウエブで公開されています。)