不思議な既聴感”は快感
音楽プロデューサー 星川 京児
尺八やTAIKOのようにナショナルだからこそインター・ナショナルになった和楽器。
ところが譜面的な整合性では、より世界への発信力が強いはずの篠笛、三味線、箏には、どこか越えがたい一線が在る。なぜか現在の耳には【邦楽感】が強いのだ。逆説的ながら、これらの楽器の方が、日本人の生活感覚により密着しているからかもしれない。
一つの音を発するだけで、どこか精神的な異世界へ誘ってしまう琵琶や尺八、太鼓と異なり、たった一節の運んでくる音空間が、どうしようもなく【日本】なのだ、と思う。
とまれ、この音盤から零れ出す“不思議な既聴感”は快感。
大陸の古箏という、本朝と同じDNAを持ちながら、大きくベクトルが異なってしまった絲との交わりは、耳馴染んだ旋律を、大きな時の流れのベールを掛けたように響く。
二つの楽器の生み出す余韻の重なりこそ、音の経絡を埋め尽くし、癒す。
この出逢いでこそ、聴き取れる音世界。そんな想いが精神(きもち)をよぎる。
陽春白雪ー篠笛と古箏の出会いー
Pure sounds of Japanese SHINOBUE & Chinese GUZHENG
篠笛 大野利可 中国古箏 ウリアナ
GPCD-0009 ¥3000
2011年1月15日発売

<収録曲>
一、 さくら(古筝ソロ)--- Sakura (Cherry blossoms)“櫻花”--- 日本古謡
二、 村祭--- Festival of Japanese village“村節”--- 文部省唱歌
三、 かあさんの歌--- Memory of my dear Mother“媽媽的歌”--- 窪田聡 作曲
四、 ジャスミンの花--- Jasmine flower“茉莉花”--- 蘇州(中国)民謡
五、 花--- Flower of OKINAWA(Japan) “花心”--- 嘉納昌吉 作曲
六、 茶摘舞曲--- Tea picking dance music(China & Japan)“茶摘舞曲”--- 趙曼琴・艾南 作曲
七、 草原情歌--- Chinese Grassland Love Song“在那遥遠的地方”--- 王洛賓 作曲
八、 春の海--- The sea in spring“春天的海”--- 宮城道雄 作曲
九、 モンゴル大地組曲より--- The ground of Mongolia Suite “蒙古大地组曲”--- ザンツンノラブ 作曲
Ⅱ モンゴル大地--- Ⅱ The ground of Mongolia“蒙古大地”---
Ⅲ ガダ・メーリン回想曲--- Ⅲ Memory of Gada Meiren “嘎达梅林”---
十、とんび~浜千鳥(篠笛ソロ)--- Kite-Plove(r Japan“)鳶~海濱千鳥”--- 梁田貞~弘田竜太郎 作曲
十一、竹田の子守唄--- Lullaby of TAKEDA(Japan) “竹田守歌”--- 京都(日本)民謡
十二、荒城の月--- Moon above Japanese desolate castle “荒城之月”--- 瀧廉太郎 作曲
十三、オボーでの出会い--- Encounter at Mongolian Obo “敖包相会”--- モンゴル民謡
十四、草原の花嫁(古筝ソロ)--- Bridal of Mongolian Grassland“送亲歌”--- モンゴル民謡
all arranged by ウリアナ・大野利可
自在で深い優しさに満ちている。
-井出聖子-
大野さんの笛の音は乾いた大地を潤す恵みの雨、咽喉に沁み入る清らかな水だと思う。
笛の音はよく風に喩えられるが、大野さんの音楽は真直ぐに心にしみこんで静かに波紋を広げてゆく水。
自在で深い優しさに満ちている。
彼女と一緒に歩いていると、彼女がとても多くのことに心を動かされていることに気づく。
幼稚園の運動会で子供たちが懸命に走っている姿を見て涙が止まらなくなったという話を聞いたことがある。
彼女はそうした日々の感動をめったに表情や言葉に表さない。
じっと心の中にしまって、静かに熟成され、浄化されてゆくのを待つ。
それがあるとき笛の調べになって私たちに伝えられるのだ。
このCDはそうした大野さんの“今”がとてもよく伝わってくる。
憧れと好奇心、多彩な力量が全開した魅力的な世界に、私たちの想像力が刺激される。
『笛は人』
大野利可さんは、畏友鯉沼廣行氏の愛弟子で、
そのご縁で十数年前より私の語りのステージに共演をお願いすることがありますが、
このところの目覚しいご成長は門外漢の私にも強く感じられ、
平素のご精進のたまものと感じ入っています。
笛は人、と申しますが、お人柄にも円熟味が加わり、
新しいCDを聴かせていただくことを
大変楽しみに待っているところです。 俳優 沼田曜一
篠の音取り Shino-no-netori
~鯉沼廣行 作品集~ 演奏 大野利可
GPCD-0008 ¥3000
2010年10月発売
演奏:鯉沼廣行(篠笛) 重草由美子(大太鼓) 柿堺香(尺八) ウリアナ(中国古筝)
民族楽器である篠笛は、もともと祭礼時の囃子や、
唄の伴奏などに使われてきました。
軽量、手軽な楽器でもあるので、
個人個人が自由に奏し、新しい曲も多数生まれています。
そんな中で、鯉沼作品は楽器の持つ特徴をよく生かしており、
又、器楽曲として、
音楽的に表現したい深い内容をはっきりと持っています。
更にそれを第三者が再現できる譜面を備えている点などから、
今後、作曲者だけでなく、
たくさんの人が演奏していく篠笛音楽の新たな古典となっていくものと信じています。
大野利可
<収録曲>
1.雪 -Snow- 大野利可/作曲 能管独奏/大野利可
2.花の宴 -The feast of blossom-大野利可/構成 篠笛(六笨調子)・能管/大野利可 能管/滝沢成実 小鼓/望月左武郎
3.ささやき -Whisper- 大野利可/作曲篠笛(七笨調子)独奏/大野利可
4.中国地方の子守唄 -Lullaby of the Chugoku District- 日本古謡 金子弘美/編曲 篠笛(七笨調子)二重奏/大野利可・金子弘美
5.宮城長持唄によせて -Marrige song of Miyagi- 大野利可/編曲 篠笛(五笨調子)独奏/大野利可
6.お江戸の獅子 -Shishi of Edo- 大野利可/構成 篠笛(三笨調子)・能管/大野利可 篠笛(十笨調子)/金子弘美 桶胴・締太鼓/望月左武郎
7.ひとり -Alone- 大野利可/作曲篠笛(三笨調子)独奏/大野利可
8.鳴Mei -Birds singing and resonance- 大野利可/作曲篠笛(七笨調子)・能管/大野利可 能管/滝沢成実
9.月かぐら -Kagura in the moonlight-
Ⅰ荒城の月 瀧廉太郎/作曲 大野利可/編曲 篠笛(七笨調子)/大野利可・金子弘美 桶胴・締太鼓/望月左武郎
Ⅱ月のうさぎ 大野利可/作曲篠笛(八笨調子)/大野利可 桶胴・締太鼓・鈴/望月左武郎
Ⅲ月の舞 大野利可/作曲 能管独奏/大野利可
10.千秋楽 -The ending of the performance- 謡/小早川修 能管/大野利可
<収録曲>
1.出逢い 大野利可/作曲 篠笛(七笨調子)独奏/大野利可
2.千の風 大野利可/作曲 篠笛(六笨調子)独奏/大野利可
3.島原地方の子守唄 日本古謡 篠笛(七笨調子)独奏/大野利可
4.海 木村俊介・大野利可/作曲 篠笛六笨調子/大野利可 太棹三味線/木村俊介
5.山童(やまわらべ) 大野利可/作曲 篠笛九笨調子/大野利可 小鼓・締太鼓・木鉦/望月左武郎
6.さとの子守唄 大野利可/作曲 第一篠笛(七笨調子)/大野利可 第二篠笛(七笨調子)/木村俊介
7.”綾”能管と篠笛のために 伴谷晃二/作曲 第一篠笛(六笨調子)・能管/大野利可 第二篠笛(一笨調子)・能管/鯉沼廣行
8.万灯火(まとうび) 鯉沼廣行/作曲 篠笛六笨調子/大野利可 太鼓・鈴(りん)/ 金子しゅうめい
9.春のゆくへ 大野利可/作曲 篠笛六笨調子独奏/大野利可
出逢い (横笛)
The Encounter 大野利可
GPCD-0001 ¥3000
2004年1月発売
演奏:鯉沼廣行(篠笛・能管) 望月左武郎(小鼓・締太鼓・木鉦)
木村俊介(太棹三味線・篠笛) 金子しゅうめい(太鼓・鈴)
※CD誕生にまつわる話し はこちらから。
<収録曲>
1 浄雲 Jouun 篠笛(五笨調子)大野利可
2 横笛と大太鼓のための“道樞”Dousuu 龍笛、篠笛(六笨調子)大野利可
大太鼓 重草由美子
3 能管と尺八のための“回風”Kaifu
能管 大野利可
尺八(二尺六寸)柿堺香
4 清水恋慕
Seisui-renbo
第一篠笛(六笨調子)鯉沼廣行
第二篠笛(六笨調子)大野利可
5“悲笳の曲”篠笛とギターのためにHika-no-kyoku
鯉沼廣行・辻幹雄共同作曲
篠笛(三笨調子)大野利可
中国古筝 ウリアナ
※この曲はギターパートを作曲者の辻幹雄氏の許可を得て、中国古筝用にウリアナ氏が編曲し、演奏しています。
6 篠の音取り Shino-no-netori
篠笛(六笨調子)大野利可
花の宴 HANA NO UTAGE 大 野 利 可
GPCD-0007 ¥3000
2007年4月発売
演奏:望月左武郎(小鼓・締め太鼓・桶胴太鼓・鈴) 金子弘美(篠笛)
滝沢成実 (能管) 小早川修(謡)
※CD誕生にまつわる話し は、こちらから。

CDのご案内 「出逢い」 「花の宴」 「篠の音取り」 「陽春白雪」