試験管中を舞う結晶

第1分野 身の回りの物質

 溶解度(物質が水に溶ける限度量)の学習は、生徒たちにとっても楽しいものです。小学校では食塩・ホウ酸、中学校では硝酸カリウムなどを使った実験を行いますが、もうちょっと驚きと美しさを導入したいとき、この実験はもってこいです。
準備するもの
・塩化アンモニウム
・蒸留水
・試験管
・ゴム栓
・試験管を湯せんできる容器(ビーカーでOK)
1 試験管に蒸留水と塩化アンモニウムを2:1の質量の割合で入れる。
 塩化アンモニウムは水に溶けるときに熱を吸収する性質があり、試験管の液体の温度は急激に下がります。加熱する場合はちょっと時間をおいた方が安全かもしれません。
2 試験管をお湯の入ったビーカーなどにいれ、温めます。
3 試験管の中の塩化アンモニウムが半分程度溶けたら、ゴム栓をしっかりして試験管をお湯からとりだし、試験管を振り完全に溶かします。
 
振り混ぜるとき、試験管の中から液体が飛び出さないように気をつけましょう。
4 試験管立てなどに試験管を立て、空気中で静かに冷却します。
1 ☆10〜15分後、試験管の中に星のようにみえる結晶が見え始めます
2 ☆結晶は落下しながら成長していきます。
3 ☆よく見ると、小さな結晶が試験管中央を対流によって舞い上がり、成長して重くなると下に落下し、ますます成長して大きくなる様子がみられます。
4 ☆結晶はどんどん降り積もり、試験管の底にたまっていきます。
5 ☆温度下降がほぼおわり、結晶の析出が終わるまでこの現象は続きます。
繰り返し使える ☆試験管をこのように保管し、再加熱すれば何回でも観察できます。
☆時々試験管から結晶が析出しにくい場合があります。これは「過冷却」と呼ばれる現象で、試験管内に核になる結晶ができにくい状態が起きるようです。この時は強い振動を与えると一気に結晶が現れますが、あまり美しいとは言えません。
☆大きなビーカーなどでも同じような現象は見られます。
しかし、試験管の壁面がレンズのように結晶を拡大して見せてくれますから、試験管が一番いい実験器具かもしれません。